Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

広島大学は世界トップ100に入れるのか

2017-05-13 09:49:51 | エトセト等
山下柚実,PHP選書(2015/8).
しばらく前までは県内の書店では平積みになっていた.学長と大臣の写真が帯に並んでいるだけで手が出ないが,同じ理由で手を伸ばす層があるんだろう...そこをねらった,大学の宣伝本.

図書館で借りた.

Amazon の内容紹介(「BOOK」データベースより)*****
少子化、運営費交付金削減により、国立大学にも生き残り戦略が求められる時代になった。そんな中、文部科学省は、「スーパーグローバル大学創成支援(タイプA)」として、世界ランキングトップ100を目指す力のある大学13校に補助金を出す制度を開始。この13校のうちの一つに、広島大学も選出された。実は広島大学は、論文被引用数で国立大学5位になるなど研究のレベルが高く、「平和科目」を必修とするという独自性も備えている。では世界トップ100に入り、さらに目標として定める「100年後も光り輝く大学」になるために必要なことは何か。ローカル国立大学の挑戦を綴る。*****

ある程度事情を知っていれば,上記データベースで分かった気になれば十分.

とくにこの本のタイトルに関連するとは思わないが,読む価値があるのは9人の教授による研究紹介.個人的にはとくに逆風下にある文学研究科,教育学研究科のふたりの教授へのインタビューに,理工系とは違う目線を感じた.
オウムの幹部の多くは理系,地下鉄サリン事件は,文学的に見るならありえない事件...とか (佐藤利行副学長).

平和教育云々の記述で,まずオバマが登場するのも,なんだかなーと思う.一方 防衛省の軍事研究との関わりについては,この本ではあえて言及しないのも広大的 (大学としては応募しないことになっているはず).

以下は個人的感慨.
国立研究所からこの大学に移って感じたのは,とにかく文科省の「良い子」であろうとする態度.この本も,安倍晋三が「今後10年で世界大学ランキングトップ100に10校ランクインを目指します」と言ったのに追随 (あるいはそれを利用) しているのだろう.
大学を定年してはや一巡する.トップサイエンスを標榜する古巣の専攻でも,ここ数年は定年退職後の教授のポストは補充されないらしい.広島大学は世界トップ100に入るより,トップ100から日本の大学が全部消える方に,現実味を感じる.
コメント
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