
井上荒野「ひどい感じ――父・井上光晴」講談社 (2002/8).
古書で購入した本と図書館で借りた本に,気にいる本が多い.年金生活者になってから購入するの新本は文庫が多く,古書と図書館本はハードカバーがほとんどという事情も理由かも.ひとつにはハードカバーの方が,良さそうな本との波長が会いやすい.さらに,ハードカバーの方が「あぁ本を読んだ !」という満足感も得られるようだ.
この本は月曜日に訪れた 古本と珈琲「楢」で購入.2005年10月 に文庫化されているが,そちらには父娘の写真をあしらった単行本のブックデザインのあじわいはない.
Amazon で紹介された内容は*****「BOOK」データベースより
没後十数年たっても愛され続ける作家・井上光晴。その生涯は多くの謎に包まれていた。旅順生まれ、炭鉱での労働経験、それらはすべて嘘だった。何事もドラマチックに仕立てなければならない、「全身小説家」井上光晴の素顔とは? そして、ガン闘病の真実。小説家・井上荒野が父の魅力のすべてを書きあげる。*****
父の小説は何冊か読んだが,井上荒野の本は初体験.プロローグを除き書き下ろし.なぜか 目次がない.
娘から見た父の一生を縦に,父 (嘘つきみっちゃん) の嘘つきぶりや,非常識な一家の生活が鮮やかに描かれているが,本はどこまでが本当なんだろう.蛙の子は蛙というから...
☆☆☆★