Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

尾道でディキシー

2019-05-11 10:07:53 | お絵かき
ディキシーランド・ジャズを聴くと感傷的になる.戸外での行進スタイルならひときわだ.いつか映画で見た葬列場面を思いだすのだ.

先日の「音楽と風景」では,松江ニューオーリンズ・ブラス・バンド.この日はオクテット.個人的な好みでは,バンジョーとクラリネットが欲しかった.
この CD 絵 (CD ケースに内側からアクリル絵の具) に登場していただいたのはその内の4人.トランペッターは別なグループからトレードさせていただいた.バックは尾道の観光写真をモノクロ化したもの.

このグループの前身,松江ニューオリンズ倶楽部バンドのステージ演奏が,https://youtu.be/5MfJm7LzhPM にアップされていた.
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銀河鉄道の父

2019-05-10 09:21:23 | 読書
門井 慶喜,講談社 (2017/9).
おととし,第158回直木賞受賞.図書館本.

Amazon の内容紹介*****
明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。
賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。
地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。
父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。*****

宮沢賢治とその父との葛藤はそれなりに有名なことらしい.16トンの場合,父は学生時代になくなり,息子もいないので,小説を読んでも,そうかなと思うだけ.でも日蓮宗 (息子) 対 浄土真宗 (父) の論争などごめん被りたいと思う.16トンの父親もそうだろう.
賢治の思想・言動は高尚なものという先入観があったが,父親からの観察を下世話に書くとこうなるか ! と思った...けなすつもりはない.直木賞らしい作品.

☆☆☆
この本を読んでから Wikipedia の「宮沢賢治」の項を読んだら,門井本が取り上げなかった,面白おかしいエピソードが多々載っていた.執筆に際しては著者なりの取捨選択があったのだな.

賢治は5人兄弟だったが,そのうち賢治を含め2人が若くして亡くなっている.戦前の日本ではこれが当たり前だったと思う.われわれはそれなりに進歩しているのだろうか ?
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音楽と風景 : フィナーレ

2019-05-09 09:57:10 | 新音律


一昨日の続き.5月6日 尾道の「音楽と風景」のフィナーレ.生島大輔さんのバンドネオンに,あちこちの会場で演奏が終わったプレイヤーが参加した ... 観ている側からはハプニングに見えたが,実はプログラムにも「ファイナル・ステージ」と書いてあった.
曲目が「リベルタンゴ」というのもおもしろい.
この後「聖者の行進」もひとしきり...こちらは動画になっていない.

ジャズ・セッションの場合と異って異種格闘技の趣き.バイオリンのお兄ちゃんが「金管楽器の一人勝ちだよな...」とぼやいていた.しかしドラムスや PA が入ると,自分が出してる音さえ聞こえなくなるよ.

おひらきは18時前だったが,駅までの商店街はすでにシャッター街と化していた.
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ビッグローブ光からソフトバンク光へ

2019-05-08 09:22:23 | エトセト等
ビッグローブ光からソフトバンク光への変更に伴う工事.

実はビッグローブ光の前はメガエッグ光で,10年おきくらいに乗り換えている.メガエッグがやってくれた我が家までの光配線を,ビッグローブはそのまま使っていた.
ビッグローブ光の解約に伴う工事はなく,使っていたホームゲートウェイ PR500MI を着払いで送り返せばよかった.ただし解約が4月末日,ソフトバンクの工事日が連休明けの5月7日ということなので,ソフトバンクは SoftBank Air (置くだけWiFi) を貸してくれた.

ソフトバンクからは4月末に ソフトバンク光BBユニットと,NTT GE-ONU という二つの機器を送ってきた.後者は図の「NTTロゴ入り機器」である.
ソフトバンクは工事に立ち会うようにとうるさくいってきたが,実際にやってきたのは NTT のおふたり.室内の光端末と道路の電柱の上にある機器に1人づつ貼り付いて,簡単なテストの末,メガエッグの配線をそのまま使うことになり, ソフトバンクから送られてきたふたつの機器をシリーズに光端末に接続してお帰りになった.

GE-ONU までは NTT の管轄らしい.ビッグローブ光で使っていたホームゲートウェイ PR500MI は,光BBユニット と NTT GE-ONU のふたつの機能を兼ね備えたものであって,パスワードなどをどうするのか知らないが,原理的にはそのまま使えたのにと思う.ビッグローブの方がソフトバンクよりやり方がスマートだが,それぞれ いろいろ事情があるのでしょう.

ソフトバンクBB の WiFi はパスワードを入れるだけで一発で使えた.
しかし,光BBユニット とパソコンとの有線配線は難航.もらった説明書では図のように青色 LAN ケーブルで接続しさえすればいいように書いてある.詳しいやり方は http://ybb.softbank.jp/support/sbhikari/connect/network/osx10.phpに詳しく書いてあったのだが,ここにたどり着くまでが大変だった.ビッグローブ光を使い始めた頃はパソコンとの有線接続が当たり前だったが,今では WiFi 以外を使う人はほとんどいないのだろう.
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尾道 音楽と風景

2019-05-07 10:38:37 | 新音律
今年で6回目のストリート・コンサート大会だが,初めてでかけた.いままで知らなかったのだ.
会場は40余箇所,プログラム表の枠は100以上.同じグループが2回以上出演するらしい.ジャズ・ストリートとちがって,ジャンルは多種多様.
暑くなったり寒くなったり・降ったり照ったり.


左端で考え込んでいるのは林芙美子.
ジャズのグループはいくつかあったが,どこでも本格的ドラムセットは不在.


フロントは尺八とクラリネット.
出だしは楽器間の音程がビミョーに感じられたが,そのうち気にならなくなった.


ディジュリドゥ (アボリジニの管楽器) とハンドパンとハンマーダルシマー.
ぼく的にはダルシマーに興味津々.


ジャズボーカルとトランペット (ジャズ研 OG のアロマさん) .こんな組み合わせでいくのかと思ったけれど,トランペットではなく実はフリューゲルホーンだったのが味噌かもしれない.


ピアノトリオによる現代音楽.
昔の音楽の試験勉強ではピアノトリオの編成はピアノ+バイオリン+チェロだった.


雨ニモマケズ,ベースではなくチューバが入ったデキシー.

ジャズバンドの原点が海の風景とマッチしていた.


バグパイプ.曲あたり1-2分と短いが,そういうものだそうだ.
すごい音量で,練習場所に苦労するらしい.
普通の管楽器にこのように空気だめをつけたらどうだろう...と考えた.


6人からなるコントラバスアンサンブル.
編成は2人から6人までと変わった.グーちゃんが出ずっぱりだった.
小さい楽器で低い音を出すのは不可能だが,大きい楽器で高い音は苦労すれば可能.
その苦労が見ていておもしろい.
ジャズの奏法も混ぜてくれればよかったのに...


バンドネオン.
これでこの日は最後ということで,あちこちの会場から流れてきた演奏者たちの「リベルタンゴ」セッションで終わった.
補足 4/9 に動画をアップしました.
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鏡の国のジャズバンド

2019-05-06 08:38:05 | お絵かき


CDケースに内側から,すなわち裏からアクリル絵の具.
出来上がり、右上のヴァイブ奏者に強烈な違和感.一瞬,半音側から叩いているかと思った.

左右反転した下絵を作るのを忘れたことが原因.
自分の心理を分析すると,左右反転した絵を描くのは厭なのだ.同じように反転して作る版画よりも違和感が大きいと思う.描き手にとって時間は長い.
描き手,特に人に絵を見せるつもりがない素人画家には,そのあとの時間は問題にならないのだが,しかし作品は永久に存在する.

新札の左右反転された津田梅子像にも,モデルをよく知っている人は強烈な違和感を持つに違いない.
しかし,このCD絵をヴァイブを知らない人が見てもなんとも思わない (かもしれない) ように,津田梅子なんか知らない現代人にとっては,どうでもいいこと?
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サリンジャーの短編集

2019-05-05 08:58:27 | 読書
J・D・サリンジャー, 金原 瑞人 「このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる / ハプワース 16、1924 年」新潮社 (新潮モダン・クラシックス 2018/6).

1964 年出版の野崎孝訳「ライ麦畑でつかまえて」以来のサリンジャー経験.訳文を真似た庄司薫の「赤ずきんちゃん気をつけて」 (1969) 共々,読んだことは覚えていて,好感は持ったが,いまでは内容はとんと覚えていない.
訳者あとがきによれば,この本に収録された9編はアメリカでは本になっていない.ただし日本では何種類かの翻訳があるという.

8 編のうち 6 編には「ライ麦畑...」の登場人物たちが登場するが,本編とは関係なく読めた.2 編はサリンジャーのデビュー作を含む独立した短編.
1919 年生まれのサリンジャーの 1940 年代前半の作品群で,若い人による若い人向き.

「青春時代の真ん中は,胸に棘さすことばかり」という歌があるが,最初の一編で胸に棘が刺さったことを思い出してしまい,読み続けるのをやめようかと思った.しかし 2 編・3 編と読み進むうちに,「青春時代は...後からしみじみ思うもの」という感じの余裕が生じた.

4 編は第二次世界大戦を扱っている.1944 年の作品「最後の休暇の最後の日」では登場人物が戦争賛美を批判する.1945 年の「このサンドイッチ...」では戦時下で女の子のいるパーティに部隊ごと参加する.アメリカ人にとっての戦争は,日本人にとっての戦争とは全く違ったのだなぁという,著者の予期しない感想を持った.

最後の,一番長い「ハプワース 16,1924 年」は,「ナイン・ストーリーズ」「フラニーとズーイ」「大工よ,屋根の梁を高く上げよ」と書き継がれてきた家族のうちの何人かが登場するのだそうだ.7 歳の子供がキャンプから両親に当てた手紙というスタイル.1965 年,サリンジャー最後の小説とのこと.こどもの手紙とは思えない内容がところどころ面白いが.読み通すには努力が必要.ザ・ニョーヨーカー掲載時から評判が悪かったそうだ.

図書館で借りた.
☆☆☆★
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ピアノの前の少女と,猫

2019-05-04 09:44:00 | お絵かき
左は南薫造の「ピアノの前の少女」.右はそれにあやかって CD ケースに内側から描いた表題作.ウォーホルだってモナリザをひねくり回しているのだから,引用・改変をお赦しいただきたい.

原作はろうそく照明の,浜松楽器博物館にありそうなピアノを良家のお嬢様が弾いているという,憧れの名画.このストイックな雰囲気を茶化したかった.
しかし大作を10平方センチ余の空間に写して書き加えると,猫は鼠より小さくなってしまう.そこで部分をカットした.
椅子の前の方に腰掛けているらしいが,それでも原作はお尻の辺りがヘン.また現代の感覚だと原作の彼女のウェストは太すぎる.カットのおかげでここらは救われた.しかし右の花瓶と花とか,椅子の下の赤い絨毯とかが描けなかったのは心残り.

横を向かせたりせず,少女は前方を向いたままで,猫を徹底無視させた方が面白かったかな...と反省している.
日当たりの良い方に置いたら,猫は鍵盤の低音部て遊んでいることになってしまった.子猫のワルツなら高音部だが,ま・いいか.
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シュヴァルの理想宮 vs 二笑亭

2019-05-03 09:52:25 | 新音律
理想宮の図は http://destroyedlolo.info/galerie/France/RhoneAlpes/Hauterives/ による.二笑亭の方は式場隆三郎、藤森照信、赤瀬川原平、式場隆成、岸武臣「二笑亭綺譚 五〇年目の再訪記」求龍堂 (1989) による.この図には谷口吉郎 (東宮御所、帝国劇場を設計した建築家) が寄与している.

昨日のつづき
式場竜三郎は1939年に「フランスにある狂郵便配達夫 (シュヴァル) が庭に建てたものにくらべて,この制作の方がはるかに大規模でもあり,複雑でもある」と書いているが,隆三郎自身はシュヴァルの理想宮を見たことはないと思う.

建坪は理想宮の方がやや広いが,田園地帯に存在する.二笑亭が存在したのは東京下町の商店街であった.
理想宮はモニュメントのようなものだったが,二笑亭は実際に住むことを目的に建てられた.
また,理想宮はシュヴァルが独力で築いたのに対し,二笑亭は施主が大工・職人に作らせたという違いがある.
理想宮は33年をかけて完成した.二笑亭は着工後約十年で施主が脳病院に入院させられた.完成したのかどうかはわからない.この十年で施主の精神病は徐々にしかし着実に進行し,それとともに経済状態も悪化した.これは建築にも暗い大きな影を落としている.

理想宮は,ルソーの素朴派絵画が評価されているように,素朴派建築物として評価されている.いっぽうの二笑亭は不遇だった.
式場龍三郎が見出したのは二笑亭と,素朴派の貼り絵画家・山下清だが,二笑亭には素朴派と,それより鋭角的な美意識が共存している.しかしそれらには一貫性がない.
オリジナルの「二笑亭奇譚」には建築家・谷口吉郎の文章がある.彼はそこでグロテスクなエネルギーに圧倒されると同時に,嫌悪感・拒否感を示している.

理想郷は Youtube で見ることができる.二笑亭はどうだろうと検索したら,音楽作品に遭遇した.


坂野 嘉彦作曲「 二笑亭構築 II マリンバとピアノのための」

作曲者の言葉より
*****彼 (施主・渡辺金蔵) は、何かしら守るべき規律に基づきあの家をつくり上げたようなのだ。それは美意識であったりなにかの強迫観念であったり、さまざまな要因が蓄積されたものだったのだろう。
この個人にしかわからない規律を守り、作品を構築してゆく様はまるで作曲家が作品をつくり上げてゆく作業に酷似している。
そして私も自分で二笑亭のような作品を作ってみたいと思ったのだ。

2007年片岡祐介氏 (マリンバ奏者) の委嘱により作曲、2009年Atelier Arpege Editionより出版。*****
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二笑亭綺譚

2019-05-02 08:59:33 | 読書
式場隆三郎、藤森照信、赤瀬川原平、式場隆成、岸武臣「二笑亭綺譚 五〇年目の再訪記」求龍堂 (1989).

「郵便配達夫シュヴァルの理想宮」で思い出したこの,定価3600円の豪華本が,まだ我が書棚に存在していた.
1993年にちくま文庫入りしていた.

「二笑亭」は深川の門前仲町に存在した住宅で,1939 年精神病理学者 式場隆三郎により『二笑亭綺譚』として世に紹介された.この本はそれから50年後の出版で,オリジナルの文章,写真図版を再録したほか,「50年目の再訪記」として,藤森照信,赤瀬川原平らによる有用無用の書き下ろしを加えて構成されている.式場隆三郎は裸の大将・山下清の発見者でもある.

狂人が金に飽かせて作った住宅で,式場隆成 (式場隆三郎の子息) の表現を借りれば,
「まるで歯をむきだして笑っている人間のようなファサード.悪意に満ちた迷路のような内部.昇れない梯子,使えない押し入れ,奇妙な工夫が凝らされた和洋合体風呂.この家では機能すべきものが機能せず,そのくせ機能する必要のない機能が異常な努力で創案されている...」

式場隆三郎によれば,徐々に精神病が進行したために狂人とは見られず,10余年にわたって病症の進むに任せて家屋の建築を続けた珍しい例となる.建築と工芸美術の立場から見ると,材料の良いことは無類であって,部分的には美しく,随所に非凡な才能がひらめいている.しかし作者の精神分裂が全体を支配しているため,なんとも言えぬ混乱した,索漠たるものになったのだそうだ.

写真はカラーでなくモノクロで,おまけに取り壊し寸前に撮られたものらしく廃墟みたい.本書の再訪記中には,岸武臣制作の模型があるが,むしろどこかに再現して,入場料を取ったらどうだろう.
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