路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【電力業界】:処分先なく廃炉に支障も 低レベル放射性廃棄物、増加の一途 「核のごみ」同様に埋設必要

2024-12-22 18:20:30 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【電力業界】:処分先なく廃炉に支障も 低レベル放射性廃棄物、増加の一途 「核のごみ」同様に埋設必要

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【電力業界】:処分先なく廃炉に支障も 低レベル放射性廃棄物、増加の一途 「核のごみ」同様に埋設必要

 原発の廃炉で生じる大型機器の低レベル放射性廃棄物輸出が電力業界で検討されているのは、原発敷地内の保管場所が逼迫(ひっぱく)し、作業停滞を招く恐れがあるためだ。

解体される浜岡原発2号機のタービン。大部分は産業廃棄物として再利用も可能なクリアランス品になる見通しという(中部電力提供)

解体される浜岡原発2号機のタービン。大部分は産業廃棄物として再利用も可能なクリアランス品になる見通しという(中部電力提供)

 廃炉中の商業用原発は2011年に事故を起こした東京電力福島第1原発を含め11原発24基。

 25日から国内の商業炉としては初めて原子炉などの解体に着手予定の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)では、先行きを案じる声も漏れる。...

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 元稿:北海道新聞社 主要ニュース 経済 【企業・産業・電力業界】  2024年12月22日  18:20:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【電力業界】:廃炉に伴う低レベル放射性廃棄物、輸出を検討 国内処分原則と矛盾

2024-12-22 18:19:30 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【電力業界】:廃炉に伴う低レベル放射性廃棄物、輸出を検討 国内処分原則と矛盾

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【電力業界】:廃炉に伴う低レベル放射性廃棄物、輸出を検討 国内処分原則と矛盾

 原発の廃炉で生じる大型機器の低レベル放射性廃棄物の輸出が電力業界で検討されている。
 
 廃炉廃棄物は各電力会社が処分する決まりだが、国内では高レベル放射性廃棄物(核のごみ)と同様に処分場選定の議論が進んでおらず、海外で処理できれば大幅な負担減になる。
 
 ただ、自国処理の原則に反することになり、実施の是非が議論を呼びそうだ。...
 
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 元稿:北海道新聞社 主要ニュース 経済 【企業・産業・電力業界】  2024年12月22日  18:19:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【話題】:80代「迷惑かけない」より「頼る力」を 社会学者春日キスヨさんに聞く

2024-12-22 08:03:30 | 【超高齢化・過疎・孤立・認知症・サ高住問題・人口急減・消滅可能性自治体】

【話題】:80代「迷惑かけない」より「頼る力」を 社会学者春日キスヨさんに聞く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【話題】:80代「迷惑かけない」より「頼る力」を 社会学者春日キスヨさんに聞く

 80代、90代の「長寿期」の暮らしの備え、「どうにかなる」と後回しにしていませんか。そう投げかけるのは、廿日市市で暮らす社会学者の春日キスヨさん(81)。新著「長寿期リスク 『元気高齢者』の未来」(光文社新書)では、必ずやってくる「どうにもならなくなったとき」の備えの大切さをつづる。春日さん自身が80代となったからこそ見えてきた現実、そして長寿期を豊かに暮らすためのヒントについて聞いた。(編集委員・平井敦子)

春日キスヨさん

 ―80代以上の暮らしとはどういうものですか。

 70代半ばまではね、高齢者という実感がない人が多いんです。「キラキラ80」を目指して、体を動かし運動に励む生活をして。でも、老いが深まる80代前後から不安を口にし始める。足腰も弱り、昨日までできていたことができなくなり、いろんなことをやめ始めて心細くなる。

 私たちには、70代までの暮らしのモデル、イメージしかないんですが、実際に死亡する年齢で多いのは、女性が90~95歳、男性が85~90歳。平均寿命(2023年)の女性87歳、男性81歳より、長生きする人がたくさんいます。買い物に出るのも、歩くのもおっくうになり、周囲との交流が減っていく。介護が必要になる手前の「ヨタヘロ期」が訪れるんです。

 ―著書では「1人暮らし」に加え「夫婦2人暮らし」の危機についても指摘していますね。

 85歳以上の男性の半数は、夫婦が同居している。子どもがいても働いていて、「2人」の時間が長い。夫婦でいるから大丈夫と思われがちですがそうでもないんです。

 夫婦って、50代の夫婦関係を習慣的に続けてしまいがちでね。夫の側は仕事をやめ、車の免許を返上し、力仕事もしなくなる。一方で妻の側は家で暮らす限り、食事づくりや家事の役割から降りられない。極端な場合、夫は何もせず、妻に指示・命令だけをする。「女性は食事づくりをすることで元気でいられるし、張り合いがある」というのは、時に女性を追い詰めます。無理な家事を強いられ「じいさんに殺される」と嘆くケースにも出合いました。

 ―「どうにもならなくなる」まで、子どもたちも気付かない。そんな事態を避けるにはどうしたらいいのでしょう。

 「子どもの世話にならない」「迷惑をかけない」と考えている高齢世代は多い。でも、気力も体力も衰え、生活のあれこれや介護や入院など自分で「決定」できない場面は早晩訪れる。その時に必要なのは、自分の代わりに生活支援につないでくれるキーパーソンです。まずは現実を見ない「否認」をやめ、「頼る力」を持つことです。

 お子さんを含めて「頼めるな」という人にあらかじめ「お願いね」と伝えましょう。夫婦間でも「ありがとう」「お願いね」と伝えることから始めてはどうでしょう。関係が変わります。

 施設に入るにも、夫婦2人での利用となると経済的に難しい場合も多い。そんな中で「他人が家の中に入るのが嫌」と言い張っていては立ちゆかなくなります。年を取るほど人は「柔軟性」や「人とつながる力」を失いがちですが、他者を受け入れ、援助を受ける力が大切になるんです。

 ―介護予防を重視する公的支援にも違和感をお持ちですね。

 そもそも介護は予防できるんでしょうか。「元気であり続けよう」と頑張って長生きするのは素晴らしい一方、誰でも最後は何らかの支えが必要になります。百まで元気な人は「宝くじに当たるようなまれ」で、老いて心身ともに衰えるのは動かしがたい事実です。介護保険は、老いて生活ができなくなったときのためにかけた保険です。生活支援こそ充実させるべきでしょう。

 ■かすが・きすよ ​京都精華大教授、安田女子大教授などを経て、2012年まで松山大教授。専門は社会学。著書に「百まで生きる覚悟―超長寿時代の『身じまい』の作法」(光文社新書)など。
 
 <関連記事>

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース ライフ 【地域・生活一般・80代、90代の「長寿期」の暮らし】  2024年12月22日  08:03:00  これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・12.17】:裏金、架空党員、不倫…でも処分は 有権者が政治家のおかしな行動に慣れたのか?

2024-12-22 07:40:10 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【政界地獄耳・12.17】:裏金、架空党員、不倫…でも処分は 有権者が政治家のおかしな行動に慣れたのか?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・12.17】:裏金、架空党員、不倫…でも処分は 有権者が政治家のおかしな行動に慣れたのか? 

 ★誰に対して言い訳をしたいのか。有権者に伝えず党内の評価だけで乗り越えられるほど衆院選の結果を見れば簡単なことではない。衆院選での負け方に自民党派閥裏金事件で参院政治倫理審査会に出席意向を示した27人のうち山谷えり子、森雅子、太田房江、松川るいは全面公開を承知している。一方非公開を要求していた旧安倍派参院議員23人の大半が、議員のみによる傍聴ならと態度を軟化させた。それでも全面公開は拒否している。15日、遊説先で立憲民主党代表・野田佳彦は「みんなの前で説明しなければ説明責任を果たしたことにならない」とした。「参院は組織内候補が多く、有権者を無視してでも支援団体が了解すれば当選する」(自民党幹部)という考えもあり、ポーズだけ取りたい議員もいるのだろう。

 ★当選5回の自民党衆院議員・田畑裕明(富山1区)が行っていた無断架空党員問題で12日、党本部と党富山県連は田畑を処分しないと決めた。先の選挙でも公認すべきでないという声があったが、乗り切り当選を果たした。ただ現職でありながら選挙区支部長については無期限の空席とし、党の県連常任顧問は解任となった。田畑は約70万円の裏金のキックバックを安倍派から受け、政治資金収支報告書に記載していない。そうなると党内問題だけにとどまらないが、有権者が当選させている。党は暗黙の離党勧告のつもりかもしれないが、少数与党では背に腹は代えられないという事か。本人は「大変厳粛に受け止めている。今後とも自民党県連所属の国会議員として信頼回復に努める」とやる気満々だが、政治倫理審査会に出席して説明責任を果たすという。

 ★最新の毎日新聞世論調査で、国民民主党代表・玉木雄一郎(役職停止3カ月の処分中)について「処分が軽すぎる」が38%で、「妥当だ」は31%だったという。有権者が政治家のおかしな行動になれてしまったのか、価値観や倫理観が変わってきたのか。政治とカネのように落選させないと改まらないのか。各党の処分は世論と連動する。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年12月17日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.22】:裏金事件の政倫審 証人喚問で解明尽くせ

2024-12-22 07:00:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・12.22】:裏金事件の政倫審 証人喚問で解明尽くせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.22】:裏金事件の政倫審 証人喚問で解明尽くせ 

 もはや政治不信を深めるだけの場になっていないか。

 自民党の派閥裏金事件を巡り、旧安倍派や旧二階派に所属した19人が衆参両院の政治倫理審査会に出席した。多くの議員が「秘書らに任せていた」などと臆面もなく語った。当事者意識や政治責任の欠如にあぜんとする。

 パーティー券のノルマ超過分の収入を政治資金収支報告書に記載せず、議員に還流して裏金化していた。総額は58千万円に及ぶ。こんな手口がいつ、誰の指示で始まったのか。そして何に使ったのか。発覚から1年過ぎても、真相解明は一向に進まない。

 しかも、還流をいったん中止しながら、再開した経緯も不明なままだ。こんな調子では、人ごとのような弁明が繰り返されるだけだろう。政倫審の限界は明らかである。

 象徴的なのは萩生田光一氏だ。旧安倍派の「5人衆」に数えられた有力者で、収支報告書の不記載額も2728万円と巨額だった。19議員の中で、最も真相を知る可能性が高いとみられていた。

 だが明らかにしたのは約20年前に還流があった事実のみ。違法性の認識や不適切支出はなかったとし、再開の経緯も「知りうる立場になかった」と主張した。肩透かしと感じた有権者は多いだろう。

 弁護士でもある柴山昌彦・元文部科学相は、派閥事務局の不記載の指示に「不審に思った」と何度も問い合わせながら、従ったという。政治家、法律の専門家として対応に首をかしげざるを得ない。

 政倫審では偽証しても罪に問われない。3月に出席した西村康稔氏、世耕弘成氏、松野博一氏、塩谷立氏ら旧安倍派幹部の口からも、核心部分に触れる説明はなかった。

 そもそも先の衆院選前には、衆参70人以上の議員が政倫審での弁明を拒んでいた。衆院選当選を「免罪符」と考え、党幹部に促されて形だけの出席に臨んだ議員が多いのではないか。反省すべきことを明らかにせず、みそぎや幕引きになるはずはない。

 衆院選後の共同通信社の世論調査では、9割超が自民党の議席減に「裏金事件の影響があったと思う」と回答。当選した裏金議員の要職起用には8割近くが反対した。国民の怒りと不信をもっと深刻に受け止めた方がいい。

 次の通常国会では、うそをつけば偽証罪に問われる証人喚問を行うべきだ。有罪が確定した旧安倍派、旧二階派の会計責任者の証言と、元幹部議員らの言い分を突き合わせる必要がある。旧安倍派の会長だった森喜朗氏らにも事情を聞き、徹底的に解明を図ってもらいたい。

 自民党は東京都連や山口県連などでも不記載問題が明らかになっている。地方組織を含め、カネを巡る実態調査と透明化は欠かせない。

 にもかかわらず党総裁の石破茂首相の態度は煮え切らない。野党が求める裏金事件の再調査に消極的な答弁を繰り返す。証人喚問も敬遠するなら、国民の心は離れるばかりだろう。その場合、来夏の参院選で再び厳しい審判が下されると肝に銘じるべきだ。 

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月22日  07:00:00  これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。

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【天風録・12.22】:もう一つのオールスター戦

2024-12-22 07:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【天風録・12.22】:もう一つのオールスター戦

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・12.22】:もう一つのオールスター戦

 「三矢(みつや)の訓(おしえ)」ゆかりのサンフレッチェ広島は、サッカースクールにも三つの哲学を掲げる。まずはルールを理解し、守る〈サッカーを学ぶ〉。次が〈サッカーで学ぶ〉。正々堂々と戦うフェアプレー精神は、〈で〉学ぶ1番手だろう

 ▲事実サンフレは、Jリーグのチームで最多回数のフェアプレー賞に輝いてきた。2012年からは11季も続けて受賞している。たとえ戦績が振るわぬ時期でも、誇らしかったのを思い出す。よき風土が育まれつつある

 ▲身をもって、その範を示してきた面々がきのうエディオンピースウイング広島に勢ぞろいした。サンフレ版OBオールスター戦。リーグ2連覇をはじめ、クラブの歴史を彩った元選手が元気な姿を見せてくれた

 ▲哲学の三つ目は〈あこがれを身近に〉。選手と観客との距離が縮んだ新たな本拠地スタジアムも、それを体感させる。「現役に戻りたくなった」。きのうは、そんな感想も聞こえた。サポーターにも声をからし、背を押した日々がよみがえったはず

 ▲フェアプレーを裏打ちするのはサッカー界でいうリスペクト、「人を大切にすること」にほかならない。それは、広島の地が願ってやまぬ世界平和の原点でもある。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2024年12月22日  07:00:00  これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。

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【社説・12.22】:闇バイト対策 あらゆる手段で撲滅図れ

2024-12-22 06:10:50 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【社説・12.22】:闇バイト対策 あらゆる手段で撲滅図れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.22】:闇バイト対策 あらゆる手段で撲滅図れ 

 国民の「体感治安」は悪化している。捜査当局は新たな捜査手法を適切に活用し、卑劣な犯罪の撲滅に全力を挙げねばならない。

 首都圏を中心に各地で相次ぐ闇バイトが絡む強盗事件を受け、政府が緊急対策をまとめた。柱となるのは「仮装身分捜査」の来年早期の導入だ。

 一連の強盗事件は、交流サイト(SNS)などを通じて緩やかにつながり、犯罪ごとに離合集散する「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」による犯行とみられる。

 SNS上に「高収入」などと詳細を明かさずに求人情報を投稿し、応募者に身分証などの個人情報を送信させた後、脅迫して犯罪に加担させている。

 仮装身分捜査は、捜査員が募集に応じたふりをし、架空の運転免許証などを送信して犯人に接触する手法だ。

 強盗の実行前に集まったメンバーを摘発することを想定する。応募者に警察官がいるかもしれないと思わせ、闇バイトの募集や応募をためらわせる抑止効果も狙う。

 捜査員が積極的に身分を偽る任意捜査を導入するのは初めてだ。捜査員が身分や目的を隠して犯罪をするように働きかけ摘発する「おとり捜査」とは、犯罪を誘発しない点で異なっている。

 導入は長年検討されてきたが、架空の身分証の作成が公文書偽造罪に当たるとの懸念から実現に至っていなかった。闇バイト捜査の拡充を探る中で「正当な業務は罰しない」との刑法の規定から違法性は退けられると判断した。

 警察にはあらゆる手を尽くして国民を守ってほしい。ただ気になるのは乱用への懸念だ。

 警察庁は仮装身分捜査を闇バイト関連事件のみに適用する方針で、具体的な運用指針を作る計画だ。野放図に適用範囲を拡大して人権侵害を招くことがないようにしてもらいたい。

 闇バイト対策ではほかに、SNS事業者にアカウント開設時の本人確認の厳格化を要請する。違法な求人情報を明確に定義し、削除を促す対策も進める。

 総務省は既にX(旧ツイッター)など5社に要請を行っている。表現の自由や通信の秘密に十分配慮しながら、事業者の側も協力してほしい。

 しかし、犯人グループが使う秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」や「シグナル」などを提供する海外事業者は、日本に窓口がない。総務省は日本法人窓口の設置を働きかけるとするが、どれだけ実効性があるかは見通せない。

 匿流による卑劣な犯罪の根絶には実行役だけでなく、指示役や首謀者の摘発が不可欠だ。警察には引き続き力を尽くしてほしい。

 実行役は逮捕されやすい「捨て駒」で、使い捨てにされるだけだ。闇バイトには絶対に手を出してはならない。

  元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月22日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【12.22の日報抄】:かつては生まれ月にかかわらず、・・・

2024-12-22 06:10:45 | 【水産資源・海洋環境・漁業・水産加工・缶詰・調査捕鯨・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【12.22の日報抄】:かつては生まれ月にかかわらず、・・・

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【12.22の日報抄】:かつては生まれ月にかかわらず、・・・ 

 かつては生まれ月にかかわらず、年を越すと皆一斉に年齢が加算される数え年が一般的だった から、年越しの重みは今より一層あったのだろう。大みそかや正月のごちそうは、無事に年を取ることへの感謝が込められていた

 ▼「年取り魚」は、そんなごちそうを象徴する存在だ。この季節に水揚げされる魚のうち大型で見栄えのするものが好まれた。「東の鮭、西のブリ」とよく言われる。東西の境界は本県を走るフォッサマグナ周辺だ

 ▼鮭は北の海で大きく育ち、生まれた川に帰ってくる。ブリは育つに従って呼び名が変わる出世魚である。いずれも縁起が良く、味わいも抜群だから年取り魚にふさわしい。ところが本県では共に、このところ不漁が続いていると本紙が伝えていた

 ▼今シーズンの鮭の漁獲量は河川と海を合わせて約2万8500匹。前年同期に比べ37%減だ。2015年度には約46万9千匹だったというから、何とも厳しい。放流する稚魚が不足する恐れもあり、これまた先行きが不安になる

 ▼漁期が続いている寒ブリは富山や福井で豊漁に沸く一方、本県では調子が上がっていない。佐渡の両津湾では一冬で1千トン揚がった年もあったが、昨冬は100トンほどだった。丸々とした魚が市場にずらりと並ぶ風景はなかなか見られない

 ▼日本の東西が出合う場所である本県には、食をはじめ多様で豊かな文化が息づく。地球環境の変化はあるにせよ、海の恵みを守る手だてはないものか。豊漁の祈りが天に届いてほしいのだが。

 元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【日報抄】  2024年12月22日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.21】:与党税制大綱 生活安定への協議続けよ

2024-12-22 06:10:40 | 【税制・納税・減税・年収「103万円の壁」・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【社説・12.21】:与党税制大綱 生活安定への協議続けよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.21】:与党税制大綱 生活安定への協議続けよ 

 所得税が生じる「年収の壁」の引き上げが大綱に反映され、手取りが増える。与野党が伯仲する中での成果と言っていいだろう。

 ただ、生活の安定に資するかは見通せず、財政面でも懸念が残る。与野党は引き続き、真摯(しんし)な協議を続けねばならない。

 自民、公明の与党両党は20日、2025年度の税制改正大綱を決定した。柱になる「年収103万円の壁」を巡り、所得税の非課税枠を123万円に引き上げる。

 協議に参加した野党、国民民主党の衆院選公約に沿い、年収制限を「178万円を目指して、来年から引き上げる」とした3党の幹事長合意に基づいている。

 しかし3党の税制調査会幹部の間では、引き上げ幅や財源で溝が埋まらず、123万円にとどまった。協議は継続されるとはいえ、国民民主が要求する178万円との開きは依然大きい。

 税制協議が24年度補正予算の成立が絡む政治主導で進んだ半面、政策効果などがデータに基づいて検討された様子はなかった。

 引き上げに伴う所得税や住民税の減収に対する対策も「特段の財源確保措置を要しない」とし、さらなる恒久減税まで保留した。

 地方税の住民税は26年度分から影響が生じ、減収は最大1千億円と試算されるという。政府が当初試算した約4兆円からは大幅に圧縮されたとはいえ、地方税収にどう影響するかは今後の協議次第で、注視する必要がある。

 19~22歳の大学生年代の子どもを扶養する親の税負担を軽減する特定扶養控除では、「特定親族特別控除」(仮称)を創設し、学生らの年収制限を103万円から150万円に引き上げる。

 長時間のアルバイトで学生らの収入が増えても、親の納税額が増えないようにする。学費や生活費が上がる中、アルバイト収入を生活費の足しにしている学生にとっては朗報だろう。

 引き上げには人手不足の緩和につなげる狙いもあるという。

 ただ本来、望ましいのは、学生が生活費を心配せずに、学業に専念できることだ。賃上げで世帯全体の可処分所得を増やすとともに、労働力不足に悩む企業の生産性向上に向けた支援を進めたい。

 与党は当初、児童手当を16~18歳の高校生年代まで広げた代わりに、扶養控除を縮小する方針だった。国民民主が維持を要求し、25年度の控除縮小は見送った。

 防衛力強化の財源を確保する増税の開始時期は、法人税とたばこ税を26年4月からとしたものの、所得税は決定を先送りした。国民負担を避ける狙いだろう。

 一方で少数与党は、野党の要求を取り込まねばならず、財政規律の維持が困難になりがちだ。

 そうした中にあっても、与党には責任ある財政運営が求められることを忘れないでもらいたい。

  元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月21日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【12.21の日報抄】:わが国最初の童話作家とされる巌谷小波(いわやさざなみ)が・・・

2024-12-22 06:10:35 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【12.21の日報抄】:わが国最初の童話作家とされる巌谷小波(いわやさざなみ)が・・・

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【12.21の日報抄】:わが国最初の童話作家とされる巌谷小波(いわやさざなみ)が・・・ 

 わが国最初の童話作家とされる巌谷小波(いわやさざなみ)が「十二月の苺(いちご)」を発表したのは、1作目から3年後の1894(明治27)年である。食用に栽培されたイチゴは当時、まだかなりの高級品だった

 ▼ひとり親家庭の異母姉妹の話だ。母は実子の「お花」ばかりをかわいがる。先妻の子「お雪」には何でも冷たく当たる。わがままなお花は大雪の12月、イチゴが食べたいと駄々をこねる。お雪は母からイチゴを探せと命じられ、困り果てる

 ▼外で途方にくれていると「十二月の神」と名乗る老人が現れ、雪の公園を緑いっぱいの6月に変える。熟したイチゴを摘んで周りを見ると、そこは雪の12月に戻っていた-。イチゴは本来、春から初夏が旬だ

 ▼物語の発表から130年。ハウス栽培が進み、イチゴはむしろ冬によく出回るようになったと感じる。あの赤い果実は、クリスマスケーキに欠かせない存在になった。クリスマスソングが街に流れ出すと、幸せなムードに包まれる

 ▼でも、この年の瀬が逆につらいと感じる人もいる。暮らしに余裕がなく、ケーキやプレゼントを我慢する家庭もある。県フードバンク連絡協議会は今冬、北陸の慈善団体と新組織を結成し、ひとり親家庭などにケーキを贈る活動「あしながサンタ2024」に取り組む。3200個以上を届けることを目指している

 ▼雪のような生クリームの上に、真っ赤なイチゴが並んだホールケーキ。みんなに感謝し、親子が笑顔で切り分ける。そんな聖夜の光景が、もっと増えるといい。

 元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【日報抄】  2024年12月21日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.20】:政治倫理審査会 裏金の実態解明依然遠く

2024-12-22 06:10:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・12.20】:政治倫理審査会 裏金の実態解明依然遠く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.20】:政治倫理審査会 裏金の実態解明依然遠く 

 裏金づくりの実態解明に近づいたとは、到底言えない。全面公開での審査を拒む議員がいることは理解に苦しむ。これでは政治への信頼を回復できるはずがない。

 自民党派閥裏金事件を踏まえた政治倫理審査会が衆参両院で開かれている。衆院は17~19日の3日間に、旧安倍派と旧二階派の計15人を公開で審査した。

 旧安倍派の有力者「5人組」の一人だった萩生田光一氏は、「2003年の初当選時に派閥事務総長から、政治資金パーティー券の販売ノルマ超過分を政治活動費として返すとの説明を受けた」と明らかにした。

 04年には事務所担当者が、ノルマ超過分は収支報告書に記載しない取り決めだと派閥側から説明された、とも述べた。

 旧安倍派が少なくとも約20年前から裏金づくりをしていたことを裏付ける証言といえるが、誰が始めたかは不明なままだ。03年当時の派閥会長だった森喜朗元首相への調査が必要だろう。

 もう一つの焦点は、22年4月に安倍晋三元首相の指示で中止した還流が、安倍氏死去後の8月の幹部会合後に再開された経緯だ。萩生田氏は「関与する立場にも知り得る立場にもなかった」とした。

 3月の政倫審で、会合に出席した塩谷立氏ら幹部4人が「結論は出なかった」とした。一方、会合に同席し、政治資金規正法違反で有罪となった派閥会計責任者は「4人の協議で決まった」と証言し、食い違いが生じている。

 立憲民主党は、会計責任者の予算委員会での参考人招致を要求している。真相解明のために、偽証罪に問われる証人喚問も含めた次の段階を検討すべきだ。

 稲田朋美元防衛相ら他の政倫審出席議員の多くが、還流の仕組みについて「知らなかった」と釈明し、資金管理は秘書や事務所スタッフに任せているなどと答えた。解明が進んだとは言えないことは明らかだ。

 自民としては、来年の参院選に影響しないよう年内に審査を終え、幕引きを図りたいのだろう。

 衆院選当選を「みそぎ」としたい旧安倍派の議員が出席を渋る中で、党執行部は人事の正常化や追加の処分をしないことなどを条件に、開催にこぎつけたという。

 しかし、参院は出席意向の27人のうち全面公開に応じたのは5人にとどまる。残る22人が認めたのは議員傍聴だけだ。

 与党からも「国民に説明しないと開く意味がない」「国民に説明責任を果たすことができるのか」と疑問の声が出ている。

 参院で審査を終えたのは4人で、残る議員の審査日程は未定だ。

 共同通信の今月の世論調査では、政倫審を「公開すべきだ」と答えた人は83・4%に上る。国民からは依然、厳しい視線が注がれていることを忘れてはならない。

  元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月20日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.19】:エネルギー計画 福島の教訓踏まえたのか

2024-12-22 06:10:20 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【社説・12.19】:エネルギー計画 福島の教訓踏まえたのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.19】:エネルギー計画 福島の教訓踏まえたのか 

 原発回帰への方針転換が鮮明になったが、福島の教訓を十分踏まえたか心もとない。前のめりに原発の「最大限活用」を進めるのではなく、安全性確保と立地地域の理解が大前提だと再確認したい。

 政府はエネルギー政策の中長期的な指針「エネルギー基本計画」の改定案を有識者会議で示した。

 最大の特徴は、2011年の東京電力福島第1原発事故以降、記してきた「原発の依存度を低減する」との文言を削除したことだ。

 岸田文雄前政権が原発の最大限活用に方針転換し、計画の文言と矛盾するとして、自民党内や経済界などが削除を求めていた。

 原発は再生可能エネルギーとともに最大限活用すると明記した。

 40年度の発電量全体に占める原発の割合は2割程度とした。30年度に20~22%としている現行計画と同水準だが、2割程度は事実上、東電柏崎刈羽原発を含む既存原発のフル稼働を意味している。

 一方、再生エネの割合は4~5割程度とした。最大電源に位置付けたものの、現行目標の36~38%から大きな上積みがあったとは言い難い。現行計画にある「最優先で取り組む」の文言も削除した。

 注目されるのは、原発の建て替え要件を緩和し、同じ電力会社なら、廃炉を決めた原発の敷地外でも建設できるようにしたことだ。電力の安定供給と脱炭素化を同時に達成するため、一定規模で原発を維持する狙いがあるだろう。

 政府は、データセンター増設や半導体産業の強化で電力需要が高まっているとしており、安定的な電力供給には、天候に依存する再エネだけではなく、原発が欠かせないとの立場だ。

 しかし、原発は建設コストが高騰し、工期も長期化している。敷地内では使用済みの核燃料が増え続けている。

 新増設は十分な検討と、慎重な判断が不可欠だろう。

 気になるのは、次期計画を検討する有識者会議のメンバーは原発推進派が多いとされることだ。原案に賛同する声が大勢で、大きな論争もなく終わった。

 次期計画は、事故を受けた福島の復興・再生を最重要課題としているものの、地元との話し合いに割かれた時間は短かった。住民不在の懸念は尽きない。

 柏崎刈羽原発の再稼動には「再稼動への理解が進むように政府を挙げて対応する」と明記した。

 新潟日報社が10月に行った調査では、柏崎刈羽原発の再稼動に「反対」など否定的な回答は46・5%で、「賛成」など肯定的な回答の36・2%を上回った。原発の安全性に対する県民の不安や不信が払拭できたと言い切れない。

 原発の利用で生じる高レベル放射性廃棄物は数万年に及ぶ管理を必要とするなど、影響は将来世代に及ぶ。原発を維持するなら、課題の先送りは許されない。

 元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月19日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.18】:金融業界不祥事 信頼を失う深刻な事態だ

2024-12-22 06:10:10 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説・12.18】:金融業界不祥事 信頼を失う深刻な事態だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.18】:金融業界不祥事 信頼を失う深刻な事態だ 

 信用を足元から揺るがす深刻な事態だ。各金融機関は原因究明と再発防止に力を尽くし、信頼回復に努めなければならない。

 三菱UFJ銀行の行員が、東京都内にある練馬支店と玉川支店の貸金庫から顧客の金品を繰り返し盗んでいたことが発覚した。

 2020年4月から24年10月までの約4年半で約60人が被害に遭い、金額は時価で十数億円に上るという。顧客からの指摘で判明したが、他に数十人から盗まれた可能性があるとの申告があり、被害はさらに拡大する恐れがある。

 被害者は、信用する銀行で行員に貴重品を盗まれるとは想像もしていなかっただろう。

 16日に記者会見した同行の半沢淳一頭取は「信頼、信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがす」と述べたが、全くその通りだ。

 同行によると、行員は40代の店頭業務責任者の女性で、懲戒解雇された。銀行で保管する予備の合鍵を悪用して窃盗を繰り返し、盗んだ資金は投資に使っていたという。単独犯とみられている。

 問題は4年半もの間、銀行がどうして行員の犯行に気付かなかったのかということだ。

 半沢頭取は「貸金庫でこれまで(同様の)不祥事がなく、リスク認識が低かった」と語った。管理体制やチェック体制が甘かったのは間違いない。徹底的に調査し、問題点を洗い出す必要がある。

 金融庁は銀行法に基づく報告徴求命令を出した。同行は今後、合鍵を本部で一括管理するなどの対応を取るというが、確実な再発防止策を講じなければならない。

 気がかりなのは最近、金融業界で不祥事が相次いでいることだ。

 野村証券では、広島支店の社員の男が7月に顧客の80代夫婦宅で妻に睡眠作用のある薬物を服用させた上、現金約1800万円を盗み放火して殺害しようとしたとして、強盗殺人未遂と放火の罪で起訴される事件があった。

 同社は社員を懲戒解雇し、今後は営業担当者が顧客宅を訪問する際に上司が同席したり、訪問前後に上司が顧客に電話を入れたりするなどの再発防止策を発表した。

 他にも金融庁と東京証券取引所ではインサイダー取引疑惑が浮上している。

 県内でも16日、上越市の保険代理店に所属していた女性販売員が保険証券を偽造し、23人から約8千万円を不正に受け取っていた疑いがあると、損害保険ジャパンが発表した。

 安心して取引できる金融機関であるためには、従業員一人一人の法令遵守意識が何より大事だということを経営陣は改めて胸に刻んでほしい。

 不祥事が起きた際の丁寧な説明が遅れ、信用をさらに低下させるケースが見られる。トップの素早い対応が危機管理の要諦であることも再確認してもらいたい。

信用を足元から揺るがす深刻な事態だ。各金融機関は原因究明と再発防止に力を尽くし、信頼回復に努めなければならない。

 三菱UFJ銀行の行員が、東京都内にある練馬支店と玉川支店の貸金庫から顧客の金品を繰り返し盗んでいたことが発覚した。

 2020年4月から24年10月までの約4年半で約60人が被害に遭い、金額は時価で十数億円に上るという。顧客からの指摘で判明したが、他に数十人から盗まれた可能性があるとの申告があり、被害はさらに拡大する恐れがある。

 被害者は、信用する銀行で行員に貴重品を盗まれるとは想像もしていなかっただろう。

 16日に記者会見した同行の半沢淳一頭取は「信頼、信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがす」と述べたが、全くその通りだ。

 同行によると、行員は40代の店頭業務責任者の女性で、懲戒解雇された。銀行で保管する予備の合鍵を悪用して窃盗を繰り返し、盗んだ資金は投資に使っていたという。単独犯とみられている。

 問題は4年半もの間、銀行がどうして行員の犯行に気付かなかったのかということだ。

 半沢頭取は「貸金庫でこれまで(同様の)不祥事がなく、リスク認識が低かった」と語った。管理体制やチェック体制が甘かったのは間違いない。徹底的に調査し、問題点を洗い出す必要がある。

 金融庁は銀行法に基づく報告徴求命令を出した。同行は今後、合鍵を本部で一括管理するなどの対応を取るというが、確実な再発防止策を講じなければならない。

 気がかりなのは最近、金融業界で不祥事が相次いでいることだ。

 野村証券では、広島支店の社員の男が7月に顧客の80代夫婦宅で妻に睡眠作用のある薬物を服用させた上、現金約1800万円を盗み放火して殺害しようとしたとして、強盗殺人未遂と放火の罪で起訴される事件があった。

 同社は社員を懲戒解雇し、今後は営業担当者が顧客宅を訪問する際に上司が同席したり、訪問前後に上司が顧客に電話を入れたりするなどの再発防止策を発表した。

 他にも金融庁と東京証券取引所ではインサイダー取引疑惑が浮上している。

 県内でも16日、上越市の保険代理店に所属していた女性販売員が保険証券を偽造し、23人から約8千万円を不正に受け取っていた疑いがあると、損害保険ジャパンが発表した。

 安心して取引できる金融機関であるためには、従業員一人一人の法令遵守意識が何より大事だということを経営陣は改めて胸に刻んでほしい。

 不祥事が起きた際の丁寧な説明が遅れ、信用をさらに低下させるケースが見られる。トップの素早い対応が危機管理の要諦であることも再確認してもらいたい。

 元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月18日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.17】:米兵の移転開始 沖縄の負担軽減に程遠い

2024-12-22 06:10:00 | 【日米安保・地位協定・在日米軍・沖縄防衛局・普天間移設・オスプレー・米兵犯罪】

【社説・12.17】:米兵の移転開始 沖縄の負担軽減に程遠い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.17】:米兵の移転開始 沖縄の負担軽減に程遠い

 ようやく始まった米海兵隊員の国外移転だが、計画に対して実行されたのはごくわずかだ。これでは沖縄の基地負担軽減がいつ実現するのか疑問だ。今後の移転が早急に進むよう日本政府は働きかけねばならない。

 中谷元・防衛相は、在日米軍再編に伴う在沖縄米海兵隊の米領グアムへの移転第1弾として、後方支援要員約100人の移転が開始されたと、沖縄県の玉城デニー知事や名護市長らに伝えた。

 移転は、沖縄の負担軽減を図るため、日米両政府が2006年に合意した、在沖縄海兵隊員のグアム移転などを柱とする在日米軍再編ロードマップ(行程表)に基づくものだ。

 12年には日米両政府が、約1万9千人いる沖縄海兵隊のうち約9千人を国外に移し、その中の4千人以上の移転先をグアムとすることなどを決めた。

 今回の100人は米軍再編で合意して以降、初めての移転で、25年中に完了させる。中谷氏は「大きな節目」と評価している。

 しかし、合意から18年もたち、100人が動くだけでは、地元から「少なすぎる」との不満が漏れるのも理解できる。

 防衛省は第2弾以降の移転時期や9千人の移転完了のめどについては、「海兵隊が計画を決めていないので示すことができない」としている。

 米軍に任せ切りではなく、日本側も積極的に移転を求めていく姿勢が必要だ。

 日本政府は、沖縄の負担軽減をアピールし、宜野湾市にある米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設への理解を得たい考えだ。

 とはいえ、ごく少数で今後の移転も未定では、目に見える負担軽減とは言い難い。

 米軍にとってグアム移転は、インド太平洋地域で軍備増強を進める中国をにらみ、兵力を分散・機動化して抑止力を強化する狙いがあるのだろう。

 ただ、沖縄を戦略的要衝に位置付け、対中国の防壁とする方針に変わりはない。南西諸島方面の防衛態勢に隙を生じさせてもならず、移転が少数にとどまったのは、慎重に計画を進めたい思惑が反映したとみられる。

 日米合意が確実に履行されていくか注視していかねばならない。

 沖縄では米兵による性的暴行事件が後を絶たない。

 米軍は問題が起きるたびに綱紀粛正を掲げるが、類似事件が頻発する状況は到底許されない。米兵への信頼が失われれば、日米安保体制の根幹を揺るがす。

 沖縄の女性からは「米兵がいなくならない限り犯罪はなくならない。移転がたった100人では安心できない」との声も出ている。

 沖縄の負担軽減を根本的に図ることを、沖縄だけではなく日本全体で考えていかねばならない。

 元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月17日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.22】:プラごみ汚染 防止条約へ各国は協調を

2024-12-22 06:05:50 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【社説・12.22】:プラごみ汚染 防止条約へ各国は協調を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.22】:プラごみ汚染 防止条約へ各国は協調を 

 プラスチックごみが地球環境を汚染し、生態系を脅かしている。私たちの暮らしにも関わる問題だ。

 実効性のある対策を早急に実行しないと、事態はますます深刻になる。各国は合意形成に努めてほしい。

 国連環境総会は、プラごみ汚染を防止する国際条約を2024年中にまとめる目標を掲げていた。

 先月から今月にかけて韓国で開かれた政府間交渉委員会では合意できなかった。極めて残念だ。来年の再協議に期待する。

 環境汚染を防ぐには、プラスチックの原料や製品の生産から廃棄まで、全ての段階で対策が必要となる。

 会合で意見が対立したのはプラスチックの生産規制だった。環境対策に熱心な欧州連合(EU)が厳しい規制を求めたのに対し、プラスチック原料の石油を産出する中東諸国は強く反発した。

 EUやアフリカ、島しょ国などは、今回は生産規制を盛り込まず、条約発効後の締約国会議で削減目標を設定することを提案したが、産油国側は一切の妥協を拒んだ。

 プラスチックの大量生産、大量消費は環境に大きな負荷を与えている。現状を踏まえると、一定の生産規制は避けられない。段階的な削減を検討すべきではないか。

 日本は「できるだけ多くの国が参加する条約を目指す」との立場で、産油国にも理解を示した。交渉ではあまり存在感を発揮できなかった。

 日本は1人当たりの使い捨てプラスチックの使用量が、米国に次ぎ2番目に多い。海洋汚染にも直面している。今後の交渉では、より積極的な役割を果たす責務がある。

 プラごみの被害は国によって大きな差がある。気候変動に比べて問題意識が世界中に浸透していないことも、歩み寄りを困難にしている。

 各国は危機感を共有しなくてはならない。経済協力開発機構(OECD)によると、世界で生産されるプラスチックの量は40年に7億トンを超える見通しだ。20年の1・7倍に当たる。

 リサイクルや適切な処理をされず、環境中に流出したプラごみは年間2200万トンに上る。このまま推移すると50年までに、海へ流入したプラスチックの総重量が魚を上回るという試算もある。

 プラごみが漂着する島しょ国では、漁業や観光に影響が広がっている。海洋生物や鳥が餌と間違って食べたり、体に絡まったりして死ぬ事例は少なくない。

 直径5ミリ以下のマイクロプラスチックは人体からも検出され、健康に影響する恐れが指摘されている。

 軽くて丈夫で、安価なプラスチックは日常生活に欠かせない。すぐに使うことをやめられなくても、過剰包装の見直しなどで消費量を減らすことはできる。私たちの身近なところからプラごみの削減に取り組みたい。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月22日  06:00:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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