【東京五輪】:くまモンを聖火ランナーに県推薦…「人」でなくNO
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東京五輪】:くまモンを聖火ランナーに県推薦…「人」でなくNO
熊本県が、東京オリンピック(五輪)聖火リレーの自治体推薦枠を利用し、県の営業部長兼しあわせ部長を務める「くまモン」の参加を大会組織委員会に打診していたことが14日、分かった。ただ、聖火ランナーの対象は「全ての人」だったため、組織委員会は県に対し、人ではないくまモンは要件を満たさない旨、6月までに伝えた。

カンヌ映画祭で開催された「くまモン・デー」で、踊りまくるくまモン(2015年5月19日撮影)

カンヌ映画祭で開催された「くまモン・デー」で踊りすぎ、倒れて人工呼吸を受けるくまモン(2015年5月19日撮影)
◇ ◇ ◇
愛くるしいキャラクターで熊本県のシンボルとなり、世界へと活躍の場を広げたくまモンだったが、東京五輪聖火ランナーとして熊本の町を走ることはかなわなかった。組織委員会公式サイトが掲げる「全ての人」という応募対象が、大きな“壁”となった。
選定の基本的な考え方として<1>地域で活躍する人<2>地域再生に多大な貢献をした人<3>新たな地域ブランド構築に貢献した人などがある。九州新幹線全線開業の1年前の10年にデビューしたくまモンは、16年に熊本地震が発生すると復興、再生の希望の星となった。関連商品の年間売り上げも18年に過去最高の1505億円に上るなど新たなブランドにもなった。ただ基本応募要件にある、走行を希望する各都道府県に縁がある方という要件も満たしている。残念ながら「全ての人」という大前提を、人でもクマでもないくまモンは満たすことが出来なかった。
くまモンは得意の「くまモン体操」を国内外で披露し、激しいダンスを見せるなど運動神経は高そうだ。ただ応募要件には、1名あたりの走行距離が約200メートルで自らの意思で火を安全に運ぶことができる方というものもあり、聖火を手に転倒した場合の危険性も考慮されたようだ。組織委は「特例は認められない」と、県に対して6月までに要件に満たないと伝えた。
聖火リレーは来年3月26日に福島県を出発し、熊本県は5月6、7日を予定している。同県の関係者は、聖火ランナーとは違う形で、くまモンが五輪を応援する手法を検討しているという。
◆くまモンが参加した世界的なイベント
生みの親の放送作家・小山薫堂氏がプロデュースした主演PR映画「くまもとで、まってる。」が11年に国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル アジア」で観光映像大賞を受賞し、世界に活躍の場を広げた。12年はF1上海グランプリでステージを行い、13年にはフランス・パリで「ジャパンエキスポ」に初参加。15年にはフランスのカンヌ映画祭で、小山氏が監督、脚本を務めた主演短編映画「ふるさとで、ずっと。」を初公開。今年11月に熊本で開催された女子ハンドボール世界選手権では「くまモンハンド部」キャプテンとして盛り上げた。
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・東京2020 五輪・パラリンピック】 2019年12月14日 20:21:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。