【政界地獄耳】:維新勉強会 その目的は?/06.12
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:維新勉強会 その目的は?/06.12
★国民民主党・前原誠司と日本維新の会幹事長・馬場伸幸ら維新所属議員が立ち上げた勉強会「新しい国のかたち(分権2・0)協議会」の準備会合が8日に開かれた。会合には12人の国会議員が集まった。馬場は「地方は権限と財源という武器がない中で、新型コロナウイルスの感染拡大と闘ってきた。11月の大阪都構想を実現することで、改革の波を全国に広げていきたい」とあいさつしたが、目的がよくわからない。
★もしあるとするならば、野党の中に居場所のない議員たちを維新に吸収する程度の目的に加えて、いわゆる野党共闘や、共産との共闘をよしとしない勢力の糾合ではないのだろうか。まさに4年前に都知事・小池百合子と前原が仕掛け、腰砕けに終わった希望の党の夢再びということだろう。そしてその背景には連合右派である民間労組の再団結を目指す旧民社党の再結成があるのではなかろうか。
★だが、日本維新の会は「既得権の打破」を強くうたい、自民党を含む、そしてそれにつながる業界団体や、野党を支える労働組合、官僚システムを批判し、公務員を「身分から職業にせよ」としている。また、それらに含まれない人たちを支援する政治を目標に掲げる。労組を否定してきた維新が、その政策を変えるのか、組織率の低くなった労働組合がその役割を放棄するのか。今後の大不況や雇用に不安のある中、それがコロナ禍後をにらむ「新しい国のかたち」なのだろうか。
★それとも、大阪市の官公労をやり玉に挙げて人気をあげてきた維新の政策は公務員の官公労はダメだが、民間労組はいいという政策の新たなフェーズに入るのか。関西を選挙区に持つ国民民主党の議員の参加者が目立つが、次の選挙では維新人気にあやかる方が得策か。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2020年06月12日 09:28:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。