路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【伏魔殿・兵庫県庁の闇①】:パワハラ知事に「死をもって」抗議した、渡瀬康英・西播磨県民局長

2024-11-17 07:05:10 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【伏魔殿・兵庫県庁の闇①】:パワハラ知事に「死をもって」抗議した、渡瀬康英・西播磨県民局長 ■実は3人目の死者まで出ていた、想像を絶する組織と隠蔽工作

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【伏魔殿・兵庫県庁の闇①】:パワハラ知事に「死をもって」抗議した、渡瀬康英・西播磨県民局長 ■実は3人目の死者まで出ていた、想像を絶する組織と隠蔽工作

 7月15日、「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について」(令和6年3月12日現在)と題された文書を公開し、県から一方的に「嘘八百」「事実無根」「誹謗中傷」に当たるとされ、定年直前に解職ののち、停職3か月の懲戒処分とされた、故・渡瀬康英・兵庫県西播磨県民局長が「死をもって抗議する」と、召喚されていた「百条委員会」に提出する証拠、証言の音声データなどをすべて整えた末、自ら生命を絶っていたとの報道がありました。

 兵庫県知事によるパワハラはその実態が明らかになるにつれ、目と耳を覆いたくなる(Gerd AltmannによるPixabayからの画像)

 筆者は渡瀬氏と同世代であり、また長年にわたって「無謬原則」建て前の組織で不当な現実を目にしてきた一個人としても、本件は他人事とは思われません。

 本来なら「59年目のパリ祭:加藤登紀子の安田講堂」という別稿を準備していましたが、急遽予定を変えて、本件に関して報道から漏れていること、また報道が全く理解しない本質的なポイントを補いたいと思います。

 ◆冤罪追い込みそのものが「知事パワハラ」

 今年4月2日、鹿児島県警の不正告発も行われたネットメディアHunter上に、渡瀬康英兵庫県西播磨県民局長(告発当時)が発信した抗議文書の実物が、個人情報を黒塗りした形で公開されました。<iframe width="1" height="1" frameborder="0"></iframe><iframe id="google_ads_iframe_/6213853/pc_inread_0" tabindex="0" title="3rd party ad content" name="google_ads_iframe_/6213853/pc_inread_0" width="1" height="1" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" aria-label="Advertisement" data-load-complete="true" data-google-container-id="b"></iframe>

 これに先立って3月27日、3月末で定年退職予定だった渡瀬氏の告発を、調査もなしに「嘘八百」と断じて解任、5月には「停職3か月」とする旨の記者会見を、斎藤元彦・兵庫県知事は行いました。

 この事実自体が「パワハラ」であり「嫌がらせの見せしめ」であり、さらに言えば公務員職権の濫用そのものであることを見落としてはいけません。

 7月19日に予定されている百条委員会では、仮に斎藤知事がこれに先立って(労組に加え自民党まで辞任要求を突き付けているので)辞職したとしても「元知事の犯罪容疑」で徹底した調査を継続する必要があります。

 渡瀬氏の生命が失われているのですから・・・。

「渡瀬氏死亡で百条委員会を開く意味がなくなった」などという意見も出ているようですがとんでもないことです。

 渡瀬氏は文字通り、命がけの「ダイイング・メッセージ」を残しており、これらがすべて白日のもと百条委員会で披露される必要があるのは、仮に斎藤氏が「元・知事」になっても、一切変わりません。

 なぜなら、「降格」された渡瀬「元」局長は4月に入って県の公益通報窓口に、同一の内容を送付しましたが、斎藤知事以下の兵庫県は「公益通報者保護法」を正面から破っているのです。

 5月7日、客観的な第三者による調査委員会ではなく、知事・副知事主導の内部調査で「知事のパワハラ行為などの告発内容を『核心的な部分が事実でない』と否定する調査結果を公表。

「被告発者主導の調査」の「結果」、「告発文」は 誹謗中傷に当たるとして渡瀬氏に停職3か月の懲戒処分が下されます。

 これはあまりに一方的だということで、第三者委員会よりも強い調査権限を持つ「百条委員会」の設置が自民党からも提案がありました。

 そして、百条委員会が設置されたこの期に及んで片山副知事は、自身の辞職を条件に「百条委員会」回避を自民党県議団に依頼して蹴られた経緯なども明らかになり、救いようのない腐敗状況となっていました。

 いま白日のもとでプロセスがすべて報道されている「渡瀬局長の定年前降格」「第三者委員会の不設置」「被告発者の知事・副知事主導による県の調査」「それに基づく事実無根、誹謗中傷」「停職3か月の処分」、そしてそれらを知事自らが「定例記者会見」で発言、発表し、公益通報者である渡瀬康英氏を追い込み、最終的に「覚悟の自刃」にまで追い込んでいった経緯。

 これらすべてが、知事主導の「パワーハラスメント」ないし「公務員の権限濫用」「公益通報者保護法違反」そのものです。

 辞職した「片山副知事」を含め、仮に斎藤氏が知事の職を辞しても、百条委員会の調査は貫徹、処断すべきする必要があります。

 また、その過程で刑事司法の対象となる行為が明らかになれば、厳正な措置が講じられるべきでしょう。

 というのも、決して罰せられることのない道徳的な罪科も、周辺無数に累々と横たわっているのですから。

 ◆最初の犠牲者、五百旗頭眞教授の急逝

 渡瀬局長が3月12日付で公表した「不法行為等」の冒頭を見て、私は今回の記事を書くを決意しました。

 残念なことに、私が確認した限り、大手から個人に至るまで、およそ既報のすべてのメディアが、冒頭に「五百旗眞眞先生ご逝去に至る経緯」の意味を全く理解せず、ピント外れな論評に終始しているのを見、愕然としました。

 五百旗頭眞さんには生前、お世話になり、また個人的なことですが、お孫さんに教養学部で数学を教えたこともあり、筋の通った、背筋の伸びた学究として敬愛申し上げておりました。

 そんなこともあり、大変に驚いたのです。 

 3月6日ご逝去の前日、5日に斎藤知事の命を受けた片山副知事が訪問、副理事長を務めていた(これまた私がよく存じ上げる)御厨貴氏(東京大学名誉教授、政治学)、河田恵昭氏(京都大学名誉教授、土木工学)お2人の「解任」を一方的に告げに来たそうです。

 来年は阪神淡路大震災30年に当たり、まさに「機構の役割・使命を果たす事実を問う最後の大きな契機であると言っても過言ではない」(渡瀬氏告発文書、以下同)ところ、この「解任」人事。

 「これはまさに五百旗頭先生と井戸前知事に対する嫌がらせ以外の何物でもありません」

 「あまりに突然の県からの通告に、先生はその時点では聞き置くにとどめ、片山氏にはお引き取り願ったそうですが、帰宅されてからも、斎藤知事のあまりの理不尽な仕打ちに憤慨され、夜も眠れなかったそうです」

 「翌日、機構に出勤されてからも、周囲の職員に同様の胸の内を明かされ、その日の午後に機構の理事長室で倒れられ、急性大動脈解離で急逝されました」(渡瀬氏)

 渡瀬氏は「激高などの情動的ストレスがトリガーとなること」もあり「斎藤知事、その命を受けた片山副知事が何の配慮もなく行った五百旗頭先生への仕打ち」を、冒頭に告発しているのですが、既存メディアからユーチューブの類まで、その意味をさっぱり理解していない。

 よろしいでしょうか、これは「(県という)組織の中で、いじめや嫌がらせによってストレスを亢進させられ」「身体を病む状況を誘引され」「結果的に人命が失われる」ことになった。

 渡瀬局長から、県内でリアルタイムで発生した「いじめ死」の告発そのものです。なぜそれが分からないのでしょうか。

 「これは刑事的立証は困難でしょう・・・」などと、したり顔で解説するものも目にしましたが、そんなことは百も承知です。

 私は過去30数年、同様のことで高血圧になった人、体調を壊して職を離れた人、はなはだしい例では命を失った例まで、両手で足りないケースが思い当たります。

 そして、それら一つとして「刑事的に立件」はできていません。

 「刑事で立件できなければ、何をしてもいい」「いじめも嫌がらせもし放題」というのであれば、反社会勢力、暴力団の嫌がらせと、何の変わりがあるでしょう? 

 少なくとも、そういうことは、選挙で選ばれる公職はもとより、私企業でも大学など教育機関でも、本来決してあるべきではないはずです。

 渡瀬さんは3月6日、五百旗頭先生の急逝を知り、それが引き金になって3月12日までに、当該の告発文を準備された様子が察せられます。

 ついに死人にまで出てしまった。

 五百旗頭先生は1981年神戸大学法学部教授に就任しておられます。渡瀬さんの経歴は公表されていませんが、もし大学に進んでおられれば1982年入学の学年ですから、ティーンの頃から五百旗頭先生をご存じだったのかもしれません。

 いままで我慢に我慢を重ねてきたけれど、ことここに至って堪忍袋の緒が切れた。そしてこの告発。 

 ところが、この告発後、プロ野球優勝パレード案件で課長職がうつ病から自殺という最低の経過をたどり、さらに渡瀬さん自身まで、同じように一方的な理不尽で「降格」「懲戒」の嫌がらせを受けることになった。

 こんなことが慣例化したら、幾多の後輩公務員が同じ憂き目に遭う「前例」とされてしまう。自分が一身を呈して、この悪弊をストップさせれば、それは防止できるかもしれない・・・。

 そういった、渡瀬さんの思考の経緯が1歳違いの私には察せられ、言語道断としか言いようがありません。

 ◆渡瀬局長「上司の矜持」

 上記の直前、2月に公開された渡瀬局長の県内コラム「最終回」の末尾に「上に立つものの矜持(できているというわけではないですよ、もちろん)」という、関西人らしいユーモアを添えられた箇条書きがありました。

 そのまま引用しますと、

  1 手柄は譲り、責任は取る
  2 仕事に厳しく、人に優しく
  3 好き嫌いで人を選別するな
  4 人を育てる視点を失うな
  5 信用しない人は信用されない
  6 任せたら、待つ
  7 過去の自分と部下を比較するな
  8 来る者を拒まず、去る者追わず(頼られたら応え、軽視されても怒るな)
  9 考え過ぎない(心配事の80%は起こらない。起きてしまう20%のうち80%は解決可能。つまり、全体の4%が本当に問題)

 という、県庁に限らず、およそあらゆる組織で有効な「至言」が記されていました。爪の垢を煎じて飲んだ方がよい組織がいくつも思い浮かびます。 

 いまとなっては、これらがすべて反語だったことが明らかですので、品位ある故人の意に反するかもしれませんが、兵庫県庁では 知事以下率先して

  1 手柄を自分のものにし、責任は取らない
  2 仕事にいい加減で、人にあたる
  3 好き嫌いで人を選別する
  4 人を育てる視点がない。人をつぶしている
  5 人を信用しないので信用されない
  6 任せられず、待てない。ヒステリックに催促で怒鳴るなどする
  7 過去の自分を持ち上げ、部下と比較して圧力をかける
  8 来る者を拒絶しつつ、去る者を追い、頼られても応えず、軽視されると激高する
  9 小さなことを考え過ぎ(心配事の80%は起こらない。起きてしまう20%のうち80%は解決可能。つまり、全体の4%が本当に問題で)本質的な4%の難問には手もつけない

 県政の現状を告発し「死をもって抗議」されたことが察せられます。

 東京都でも、職員が大量に辞職していることなどが報じられており、すでに機能不全に陥っている役所は、決して兵庫県だけではないことが懸念されます。 

 渡瀬さんの「覚悟の自刃」が、兵庫を皮切りに日本全体を覆う、異常な暗雲の払拭に通じることを願って本稿を急遽用意しました。

 渡瀬さんはコラム最後に、このように書き残しています。

 「最後に。人を大切にすること、義を通すこと、誠実であることを、一人の人間としてずっと心に持ち続けて欲しいです」

 「そして義を通そうとして挫けることがあっても、理不尽な現実の壁に跳ね返されても、諦めないでくださいね。『いつかきっと』と心に念じじながら」

 「素晴らしい人にたくさん出会えますように。県民の皆さんの心に残る仕事に出会えますように。長らくのご愛読、ありがとうございました。おせわになりました。おわり」

 心から、故人のご冥福をお祈りします。

 (お詫び)この記事のタイトルで当初、渡瀬康英・西播磨県民局長のお名前に間違いがありました。心からお詫び申し上げます。

■相談窓口
・こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
 ※受付時間は都道府県によって異なります
・あなたのいばしょ チャット相談(https://talkme.jp/)
 ※24時間365日 誰でも無料・匿名
・厚生労働省HPに自殺対策相談窓口一覧があります(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_info.html)

 元稿:JBPress 主要ニュース 政治・社会 【話題・地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事によるパワハラ疑惑・担当:伊東乾】  2024年07月16日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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