路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【兵庫県知事選】:斎藤氏の “生誕祭” に500人以上集まって熱狂も…市長からは前代未聞の嫌われぶり

2024-11-17 12:55:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

兵庫県知事選】:斎藤氏の “生誕祭” に500人以上集まって熱狂も…市長からは前代未聞の嫌われぶり

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県知事選】:斎藤氏の “生誕祭” に500人以上集まって熱狂も…市長からは前代未聞の嫌われぶり

 11月17日、投開票日を迎えた兵庫県知事選。前職の斎藤元彦候補のパワハラ・おねだり騒動から始まった騒動が、思いもよらない推移を見せている。一時は全国から批判が殺到した斎藤氏だが、7人が立候補したこの選挙で、勢いを増している。<button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">誕生日に支持者らにもみくちゃにされる斎藤氏(写真・馬詰雅浩)</button>

誕生日に支持者らにもみくちゃにされる斎藤氏(写真・馬詰雅浩)(SmartFLASH)

 ■ 【画像あり】反・斎藤派が掲げる “笑撃” プラカード  

 奇しくも、投開票日を目前にした15日は、斎藤氏の誕生日。この日は全国から支援者が兵庫を訪れ、“生誕祭” を祝った。500人以上の聴衆が集まり、道を埋め尽くす人だかりだった。

 「19時から姫路駅前で斎藤氏の演説がおこなわれました。ただ、聴衆はその2時間ほど前から多数並んで待機していました。まるでテーマパークでパレードを待つ人だかりのようでしたよ。  

 演説が始まると歓声が多くあがりました。斎藤氏は『今日で47歳になりました。選挙中なので祝っている場合ではないですが、新たな気持ちで頑張っていきます』と語っていましたね。 

 一方、兵庫県民の深刻な “分断” の様子も見られました。斎藤氏の演説中には、反対派がプラカードを持ち、街宣車の下でアピールしていたのです。これには斎藤氏の陣営がガードして、小競り合いに。聴衆からも、『やめろ!』『帰れ!』と怒号が飛び交っていました」(現地記者)  

 最後には “斎藤コール” で締めくくられたこの日の演説。支持者の熱狂ぶりが垣間見える一幕だったが、実際に斎藤氏は大善戦しているという。

 「元尼崎市長の稲村和美氏との事実上の一騎打ちとなっていますが、終盤になり、『斎藤氏が稲村氏に追いついた』とする報道も出てきています。  

 これに対し、兵庫県内の現職市長らが動きました。県内29市のうち22市の市長が稲村氏を支持するという異例の表明をおこなったのです。  

 14日に開かれた会見では、7人の市長が出席し『(斎藤氏が起こした騒動で)県政は混乱し、知事選においても(他の候補者への)誹謗中傷がおこなわれている』と稲村氏支持の背景を説明。『これ以上の混乱は市町の街づくりを大きく阻害し、県民を不幸にする』とまで糾弾しました」(同)  

 斎藤氏の今回の選挙戦のスローガンは「兵庫の躍動を止めない!」。だが、躍動が進みだすのはなかなか厳しい状況にありそうだ。

 【関連記事】

 元稿:光文社 主要出版物 FLASH SmartFLASH 社会【話題・兵庫県知事選・斎藤知事によるパワハラ疑惑】  2024年11月17日  12:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳・11.09】:自民幹事長・森山と「ズブズブ」安住予算委員長

2024-11-17 07:40:00 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【政界地獄耳・11.09】::自民幹事長・森山と「ズブズブ」安住予算委員長

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・11.09】::自民幹事長・森山と「ズブズブ」安住予算委員長

 ★衆院予算委員長といえば、首相を含むすべての閣僚が出席する与野党が意見を戦わす国会の一番の議論の委員会といえ、テレビ中継も入る。その議事内容、審議の差配はすべて予算委員長が取り仕切る。予算委員長の権限は大きく、17の常任委員長の筆頭に数えられ、議会ではその上には議運委員長、衆院議長と院内では一目置かれる存在だ。最近の自民党はほかの常任委員長は閣僚経験のない者が就くが、予算委員長には閣僚経験者が据えられていた。つまりそれなりに重要ポストなのだ。

 ★今回、自民党は17ある常任委員長のうち7つのポストを野党側に譲り渡した。報道では予算委員長のポストをしぶしぶ野党に渡したとか、勝ち取った予算委員長のポストなどとはしゃいでいるが、それが立憲民主党元国対委員長・安住淳だと知れば、国対を経験した者なら誰もがニヤニヤするはずだ。自民党幹事長・森山裕は国対委員長時代の立憲の相手は安住。野党の国対に言わせれば「2人はズブズブ」(野党国対の1人)と言われるほど蜜月で、それは森山が国対を離れ選対委員長、総務会長になっても続き、森山の後任の国対委員長が誰になっても2人が国対を動かしていたといわれる。その2人が幹事長予算委員長なら予算委員会スムーズにいくと両党国対関係者は思ったはずだ。

 ★それだけではない。元財務相経験者の安住がこれから始まる本予算の審議や、予算委員会を主戦場とする野党が攻勢を強める政治カネでの追及自民党寄り議事期待できると自民党考えるはずだ。「来年の参院選まで国会審議でも与野党の攻防は続くが、国民生活に支障をきたす予算は立憲も早期にまとめて参院選の準備に入りたいはず。安住にすれば森山との関係、財務省との関係から自民党委員長遜色なく扱える」(自民党幹部)。別の自民党議員が言う。「なんだかんだ時間稼ぎして国民民主党103万円など税制改正邪魔をしてつぶすことまであるかもしれない。なかなか興味深い人事だ」(自民党中堅議員)と安住人事波乱を呼ぶはずだ。(K)※敬称略 

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません4。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年11月09日  07:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【伏魔殿・兵庫県庁の闇⑥】:斎藤兵庫県知事は典型的な帝国軍人、名著『失敗の本質』が示唆する人物像

2024-11-17 07:06:00 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【伏魔殿・兵庫県庁の闇⑥】:斎藤兵庫県知事は典型的な帝国軍人、名著『失敗の本質』が示唆する人物像 ■「決められない」「やめられない」元彦型大本営が広島・長崎を招いた

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【伏魔殿・兵庫県庁の闇⑥】:斎藤兵庫県知事は典型的な帝国軍人、名著『失敗の本質』が示唆する人物像 ■「決められない」「やめられない」元彦型大本営が広島・長崎を招いた 

 斎藤元彦・兵庫県知事:(3年前の兵庫知事選の折)「がんばれよ」と言っていただいていましたので(涙目)、そこは大変申し訳ないと(軽くしゃくりあげる)・・・。

 こういう状況になったということは申し訳ないな、という思いで(泣きながら)・・・自分自身に対して悔しい思いです。

涙は亡くなった人に対して流してほしい(StockSnapによるPixabayからの画像)

 ここまで醜い「大人が泣く風景」は、なかなか目にしないものと思います。

 自分の行いが何らかの要因になって最低2人、実際には3人以上亡くなっており、精神の平衡を崩して苦しんでいる県職員も相当数に上るという。

 今や、この人の存在自体が県政にとって「災害レベル」という状態になっている斎藤知事は、「自分」のことで大の大人が人前で泣く失態を見せている。 

 「自分自身に対して悔しい」など、臆面もなく幼稚でエゴイスティックな涙顔を公衆の面前に晒すのは、いい年をした人間がやることではありません。

 同時に、これとよく似ていたであろう、「大の大人の幼稚な涙」として、子供の頃に親から聞いた話を思い出しました。

 終戦直後に士官や予備役など「帝国軍人」が流したという涙。

 「陛下に申し訳ない」と、いい年をした大人が泣きながら、目の前で彼の責任によって奪われた命などに、およそ顧慮のなかったオッサンたちの話を想起せざるを得ませんでした。

 私自身も生まれる前ですので、目撃はしていないのですが、いったいどんな具合だったのでしょう。続きは、

 ◆「陛下に申し訳ない」のメンタリティ

 ■こちらはJBpress Premium会員(有料会員)限定のコンテンツです。有料会員登録(月額 550円[税込]、最初の月は無料)をしてお読みください。

 元稿:JBPress 主要ニュース 政治・社会 【話題・地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事によるパワハラ疑惑・担当:伊東乾】  2024年09月18日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【伏魔殿・兵庫県庁の闇⑤】:斎藤・兵庫県知事の家族に、公務でもらった蟹を食べる「資格」はあるのか?

2024-11-17 07:05:50 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【伏魔殿・兵庫県庁の闇⑤】:斎藤・兵庫県知事の家族に、公務でもらった蟹を食べる「資格」はあるのか? ■知事答弁に如実に表れているアウシュヴィッツの「関心領域」 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【伏魔殿・兵庫県庁の闇⑤】:斎藤・兵庫県知事の家族に、公務でもらった蟹を食べる「資格」はあるのか? ■知事答弁に如実に表れているアウシュヴィッツの「関心領域」 

 「あのぉ、道義的責任というものが何かということが分からないので、あのぉ、明確にコメントできませんけれど・・・」

 いくつか出た、斎藤兵庫県知事のとんでも発言の中でも、「維新の会」を含むすべての兵庫県議会会派が「この人はムリだ」と認めたほとんど歴史的と言ってよい「異常な発言」を引用しました。

bolin YiによるPixabayからの画像

 これはさすがに、正常な状況ではない。

 県議会議員86人全員が名前を揃えた「辞職要求」の申し入れという、憲政史上、前代未聞の状態に達しており、事態はとっくに「パワハラ」だ「おねだり」だというレベルを超えています。 

 それまで斎藤氏の肩を持っていた「維新」の大阪府知事すら「議会が開かれる以前での『辞職』と出直し選挙の申し入れ」で肩を叩き、それにも斎藤氏は「断った」という。

 ここまで不始末を犯した人間が自分で辞めれば、まだ傷は浅いけれど、これが「不信任決議案」など出してしまうと両刃の剣になります。

 可決された場合、単に知事が失職すればそれでいいのですが、知事が開き直って議会を解散すれば、「百条委員会」も仕切り直さねばなりません。 全議員が失職し、選挙をやり直さねばならない。

 選挙費用が16億円だというような試算も報じられていますが、維新にとっては政党存続の危機に直面しつつあります。

 現在の兵庫県議会でこそ「維新の会」は第2勢力、トップの自民党(37人)に次ぐ21人の議員数ですが、その内訳は15人が昨年の前回選挙で当選したばかりの1年生議員、当選2回が2人、3回が1人、4回が1人、5回が2人で合計21人。

 維新旋風の追い風があればこその数字で、現状は逆風の極にあるといってよく、仮に選挙になれば大幅に議席数を減らす可能性が高い。

 ここでまともに大人の計算ができれば、知事が折れ、支持母体の勢力21人を温存して今後を乗り切るのが、良くも悪しくも普通の政治。

 ところが「斎藤元彦」はちょっと違った。吉村大阪府知事の「肩たたき」に対して「自分はまだ政治家になって3年しか経過していない」としてこれを拒否。

 すでに何人もの人の命を奪っておきながら「まだこれから」と発言するのも、相当なものですが「自分の道は自分で決める」に至っては、開いた口がふさがりません。

 どうか「出直し選挙」などになっても、決して出馬などしないようにお願いしたい。

 当選するわけがない以上に、街頭演説などすれば狙撃の可能性があり、作らなくてもよい犯罪者を生み出しかねない。

 ところが、「7月以降『がんばれ』の声の方が高まっている」という、ものすごい発言まで飛び出しました。そんなものは身内だけでしょう。

 すでに後援会代表幹事であったアシックスの尾山基前会長が辞任し、後援会も空中分解と報ぜられ、全県議が「辞職要求」でも「続投の意向」。

 どこかのネジが外れています。

 この人が編成する予算で、来たる年度、1年間振り回される県民や職員もたまったものではありません。

 そもそも「斎藤元彦」的存在は決して単体の特例、怪奇現象ではなく、こういうのが出てくる「素地」があるのは、前回稿でも記した通りです。

 その構造要因から、再発防止を考えてみましょう。、続きは、

 ◆知事の子に蟹を食べる資格があるか?

 ■こちらはJBpress Premium会員(有料会員)限定のコンテンツです。 有料会員登録(月額 550円[税込]、最初の月は無料)をしてお読みください。

 元稿:JBPress 主要ニュース 政治・社会 【話題・地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事によるパワハラ疑惑・担当:伊東乾】  2024年09月13日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【伏魔殿・兵庫県庁の闇④】:「斎藤知事」を生み出した「東大合格型ガリ勉学習」の罪と罰

2024-11-17 07:05:40 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【伏魔殿・兵庫県庁の闇④】:「斎藤知事」を生み出した「東大合格型ガリ勉学習」の罪と罰 ■「低EQ」人材がダメにしてきた国・県・官僚機構

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【伏魔殿・兵庫県庁の闇④】:「斎藤知事」を生み出した「東大合格型ガリ勉学習」の罪と罰 ■「低EQ」人材がダメにしてきた国・県・官僚機構 

 去る8月30日、そして9月6日に開かれた兵庫県議会「百条委員会」での斎藤元彦兵庫県知事の、責任逃れが唯一の目的となった見苦しい証言、発言の数々。すでにメディアでも大いに取り上げられ、ご存じの方も多いと思います。

 東京大学を卒業して国家公務員上級職として仕事人生をスタートさせるのは、成功物語の雛形のようにも思えるのだが・・・(写真は神戸、cplz99atcsnilykによるPixabayからの画像)

 議員はもとより各会派の政治家、県民、国民全般から総すかんの状態であるのは、不信任決議案が提案される見通しが報じられているところからも明らかと思います。

 有権者の観点からすれば、あのように救いようのない発言を公の場でしてしまえば、県民の支持をすべて、未来永劫にわたって失うことは明らかです。

 ところが、当の本人は弁護士と入念に打ち合わせ、責任さえ逃れられれば構わないと思考停止している様子が見て取れます。 

 これはいったいどういうことなのでしょうか?

 一つの答えは超「低EQ」症状です。そういう心理になっている。

 EQとは「心の知能指数」とも呼ばれる指標で、対人関係、対人能力を良好に発展させる基礎能力が著しく欠如している、あるいは極めて低い、もしくはそれらに顧慮しなくてもよい、という割り切りが、どこかでできてしまっている。

 「低EQ」人材の一大産地は「東大」、私自身も40年来所属している「東京大学」で、とりわけ東大内、あるいはそこから役所系の現場に進んだ人間に「ある種のこと」が発生すると、割り方容易に「低EQ」化する症例が見られます。

 その原因の一つを、ここではあえて「東大合格型学習」への過剰適応と見なして、今回は検討してみたいと思います。

 現実の東京大学では、そういう19世紀からの困った遺制を何とか克服しようと、教官事務官みなで努力していることも、最初に記しておきます。続きは、

 ◆人間として最低な「答弁ごまかし」

 元稿:JBPress 主要ニュース 政治・社会 【話題・地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事によるパワハラ疑惑・担当:伊東乾】  2024年09月08日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【伏魔殿・兵庫県庁の闇③】:関与してない発言連発の斎藤知事は、兵庫県が生んだアイヒマンか

2024-11-17 07:05:30 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【伏魔殿・兵庫県庁の闇③】:関与してない発言連発の斎藤知事は、兵庫県が生んだアイヒマンか ■死人の口に異議あり、渡瀬局長「エイプリルフール」証言の真実

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【伏魔殿・兵庫県庁の闇③】:関与してない発言連発の斎藤知事は、兵庫県が生んだアイヒマンか ■死人の口に異議あり、渡瀬局長「エイプリルフール」証言の真実 

 8月11日付の赤穂新聞は、「阪神オリックス優勝パレ―ド問題」で、兵庫県の片山副知事(当時)と斎藤知事が昨年12月の補正予算に関して信用金庫向けのへの補助金を突如として4億円に増額していた公文書一式を入手、詳細に報じています

 そして、まさにこれと同一の内容を今年3月12日、自決された渡瀬康英・西播磨県民局長(享年60)は告発文書に詳述。

 斎藤知事の関与していない発言はナチス・ドイツのアドルフ・アイヒマンの発言を彷彿させる(1950年撮影、写真:ALBUM/アフロ)

 これを入手した「片山安孝副知事」「斎藤元彦知事」ら県首脳は、頭ごなしに「嘘八百」と決めつけ、真実を報道機関に通報したまさに「公益通報」そのものである渡瀬氏の行動を「居酒屋の噂話」と貶め、懲戒処分を適用、百条委員会が設置されると関係者がさらなる圧力を加え、ついには「死をもって抗議する」と自殺にまで追い詰めた、言語道断の所業が公文書によっても証拠づけられたことになります。

 さて、前回連載では連休前でもあり、8月7日の「兵庫県知事定例記者会見」に出典を限定して詳述するようにしたのは、百条委員会の議論を正当なものとするべく、論理の構造を明確化したかったからです。 

 3月20日、斎藤知事は当該告発文書を目にし、「放置しておくと、多方面に著しい不利益が及ぼされる内容であると認識」したという。

 そりゃそうでしょう。自分たちの仕出かした悪事が、隠れもなく記されているのだから。

 そして、この都合の悪い「告発」を「公益通報」扱いしないための強弁として、斎藤知事は8月7日の会見で次のように述べてしまった。

 「3月25日の午後に元県民局長が、資料にもありますが、一人で噂話を集めて、当該文書を作成・配布したことを認めたということです。この2点について、片山元副知事等から報告を受けたということになっています」

 ところが、そのような事情聴取が行われた事実も、そのときの調書なども何一つ出てこない。当然です。そんな聴取はなかったのだから。

 斎藤知事とそのブレーンは「死人に口なし」と思ったのかもしれませんが、自決した渡瀬局長は、3月27日の斎藤「嘘八百」記者会見の嘘に、4月1日時点で逐一反論を加えています。

 「死者の証言」が、はっきりとエイプリルフールの日付で残されています(本記事の最終ページにその内容を記載)。

 以下、この渡瀬「エイプリルフール証言」の要点をまとめ、百条委員会で明らかにされるべき点を明確化しておきたいと思います。続きは、

 ◆「斎藤詭弁」への完膚なき論破」

 ■こちらはJBpress Premium会員(有料会員)限定のコンテンツです。有料会員登録(月額 550円[税込]、最初の月は無料)をしてお読みください。

 元稿:JBPress 主要ニュース 政治・社会 【話題・地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事によるパワハラ疑惑・担当:伊東乾】  2024年08月13日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【伏魔殿・兵庫県庁の闇②】:人命よりも不正の隠蔽が優先する県庁、斎藤知事の辞職ではもうすまない

2024-11-17 07:05:20 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【伏魔殿・兵庫県庁の闇②】:人命よりも不正の隠蔽が優先する県庁、斎藤知事の辞職ではもうすまない ■「公務」で不法行為を強要された職員群像、無念の自決

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【伏魔殿・兵庫県庁の闇②】:人命よりも不正の隠蔽が優先する県庁、斎藤知事の辞職ではもうすまない ■「公務」で不法行為を強要された職員群像、無念の自決

 7月23日、兵庫県庁で、4月20日に逝去されながら、3か月以上も「生死不明」となっていた総務課長職の「訃報」が、ようやく庁内のイントラネットに掲載されたとの報道がありました。

 それを追うように知事もその事実を認めたようです。

 写真は神戸港(backy3723によるPixabayからの画像)

 「H総務課長」と報じられるこの方は、渡瀬康英局長の「告発文」中「6 優勝パレードの陰で」として、

 阪神・オリックス優勝のパレードを担当した(県民生活局・総務)課長はこの一連の不正行為と大阪府との難しい調整に精神が持たず、うつ病を発症し、現在、病気休暇中。しかし、上司の●●●は何処吹く風のマイペースで知事の機嫌取りに勤しんでいる。 

 と抗議があった方(享年53)。

 うつ病で休職中であるので、人事の異動があるなら「総務部付」などとなるのが通常であるにもかかわらず、なぜか4月1日付で休職のまま県の外郭団体出向に異動。

 そして出向先に勤務することなく4月20日に自ら命を絶たれ、その事実を県が一貫して認めようとしなかった、という異常な事態です。

 この「生死不明」の時期、実際には亡くなっていることが明らかなので、県庁内で弔慰金や、遺児への育英募金を集めようとしたところ、「やめろ」という圧力まで県幹部からかけられたとも報じられており、兵庫県はもう、滅茶苦茶としか言いようがありません。

 実際には自ら命を絶った後、3か月にもわたって県が「死亡の事実」そのものを「認めず」(?)労務災害から退職金まで、様々な出納が滞る・・・?。

 こんなことが21世紀の日本の官公庁で許されるはずがありません。しかし、そういうことが現実に起きていた。なぜか?

 端的に言えば、自殺したH課長は「県内企業への便宜供与」の見返りに「キックバック協賛金集め」という不法行為を、公務として図らずも担当させられたからです。

 勤続30年来、まじめに、瑕疵のないように勤め上げてきた公務員が、上からの指示で不法行為を強要され、自責の念や、トカゲのしっぽ切りで自分だけ悪者にされ、刑事被告人に貶められるなどしたら・・・。

 家族、子供にも肩身の狭い思いをさせなければならない、といった状況にメンタルを追い込まれれば・・・。

 かつて「森友学園」への国有地売却をめぐって、財務省の公文書改竄を上司に強要されて自死した、近畿財務局の赤木俊夫氏(享年54)のケースと、ほとんど同一の構造であることがよく分かります。

 兵庫県で現在発生している問題は「パワハラ」などという生易しいものではなく、組織ぐるみの不正行為と、その隠蔽にまつわる不当な人事や処分であって、パワーハラスメントは末端の末端、しっぽの先程度の問題に過ぎません。、続きは、

 ※:こちらはJBpress Premium会員(有料会員)限定のコンテンツです。
有料会員登録(月額 550円[税込]、最初の月は無料)をしてお読みください。

 元稿:JBPress 主要ニュース 政治・社会 【話題・地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事によるパワハラ疑惑・担当:伊東乾】  2024年07月26日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【伏魔殿・兵庫県庁の闇①】:パワハラ知事に「死をもって」抗議した、渡瀬康英・西播磨県民局長

2024-11-17 07:05:10 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【伏魔殿・兵庫県庁の闇①】:パワハラ知事に「死をもって」抗議した、渡瀬康英・西播磨県民局長 ■実は3人目の死者まで出ていた、想像を絶する組織と隠蔽工作

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【伏魔殿・兵庫県庁の闇①】:パワハラ知事に「死をもって」抗議した、渡瀬康英・西播磨県民局長 ■実は3人目の死者まで出ていた、想像を絶する組織と隠蔽工作

 7月15日、「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について」(令和6年3月12日現在)と題された文書を公開し、県から一方的に「嘘八百」「事実無根」「誹謗中傷」に当たるとされ、定年直前に解職ののち、停職3か月の懲戒処分とされた、故・渡瀬康英・兵庫県西播磨県民局長が「死をもって抗議する」と、召喚されていた「百条委員会」に提出する証拠、証言の音声データなどをすべて整えた末、自ら生命を絶っていたとの報道がありました。

 兵庫県知事によるパワハラはその実態が明らかになるにつれ、目と耳を覆いたくなる(Gerd AltmannによるPixabayからの画像)

 筆者は渡瀬氏と同世代であり、また長年にわたって「無謬原則」建て前の組織で不当な現実を目にしてきた一個人としても、本件は他人事とは思われません。

 本来なら「59年目のパリ祭:加藤登紀子の安田講堂」という別稿を準備していましたが、急遽予定を変えて、本件に関して報道から漏れていること、また報道が全く理解しない本質的なポイントを補いたいと思います。

 ◆冤罪追い込みそのものが「知事パワハラ」

 今年4月2日、鹿児島県警の不正告発も行われたネットメディアHunter上に、渡瀬康英兵庫県西播磨県民局長(告発当時)が発信した抗議文書の実物が、個人情報を黒塗りした形で公開されました。<iframe width="1" height="1" frameborder="0"></iframe><iframe id="google_ads_iframe_/6213853/pc_inread_0" tabindex="0" title="3rd party ad content" name="google_ads_iframe_/6213853/pc_inread_0" width="1" height="1" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" aria-label="Advertisement" data-load-complete="true" data-google-container-id="b"></iframe>

 これに先立って3月27日、3月末で定年退職予定だった渡瀬氏の告発を、調査もなしに「嘘八百」と断じて解任、5月には「停職3か月」とする旨の記者会見を、斎藤元彦・兵庫県知事は行いました。

 この事実自体が「パワハラ」であり「嫌がらせの見せしめ」であり、さらに言えば公務員職権の濫用そのものであることを見落としてはいけません。

 7月19日に予定されている百条委員会では、仮に斎藤知事がこれに先立って(労組に加え自民党まで辞任要求を突き付けているので)辞職したとしても「元知事の犯罪容疑」で徹底した調査を継続する必要があります。

 渡瀬氏の生命が失われているのですから・・・。

「渡瀬氏死亡で百条委員会を開く意味がなくなった」などという意見も出ているようですがとんでもないことです。

 渡瀬氏は文字通り、命がけの「ダイイング・メッセージ」を残しており、これらがすべて白日のもと百条委員会で披露される必要があるのは、仮に斎藤氏が「元・知事」になっても、一切変わりません。

 なぜなら、「降格」された渡瀬「元」局長は4月に入って県の公益通報窓口に、同一の内容を送付しましたが、斎藤知事以下の兵庫県は「公益通報者保護法」を正面から破っているのです。

 5月7日、客観的な第三者による調査委員会ではなく、知事・副知事主導の内部調査で「知事のパワハラ行為などの告発内容を『核心的な部分が事実でない』と否定する調査結果を公表。

「被告発者主導の調査」の「結果」、「告発文」は 誹謗中傷に当たるとして渡瀬氏に停職3か月の懲戒処分が下されます。

 これはあまりに一方的だということで、第三者委員会よりも強い調査権限を持つ「百条委員会」の設置が自民党からも提案がありました。

 そして、百条委員会が設置されたこの期に及んで片山副知事は、自身の辞職を条件に「百条委員会」回避を自民党県議団に依頼して蹴られた経緯なども明らかになり、救いようのない腐敗状況となっていました。

 いま白日のもとでプロセスがすべて報道されている「渡瀬局長の定年前降格」「第三者委員会の不設置」「被告発者の知事・副知事主導による県の調査」「それに基づく事実無根、誹謗中傷」「停職3か月の処分」、そしてそれらを知事自らが「定例記者会見」で発言、発表し、公益通報者である渡瀬康英氏を追い込み、最終的に「覚悟の自刃」にまで追い込んでいった経緯。

 これらすべてが、知事主導の「パワーハラスメント」ないし「公務員の権限濫用」「公益通報者保護法違反」そのものです。

 辞職した「片山副知事」を含め、仮に斎藤氏が知事の職を辞しても、百条委員会の調査は貫徹、処断すべきする必要があります。

 また、その過程で刑事司法の対象となる行為が明らかになれば、厳正な措置が講じられるべきでしょう。

 というのも、決して罰せられることのない道徳的な罪科も、周辺無数に累々と横たわっているのですから。

 ◆最初の犠牲者、五百旗頭眞教授の急逝

 渡瀬局長が3月12日付で公表した「不法行為等」の冒頭を見て、私は今回の記事を書くを決意しました。

 残念なことに、私が確認した限り、大手から個人に至るまで、およそ既報のすべてのメディアが、冒頭に「五百旗眞眞先生ご逝去に至る経緯」の意味を全く理解せず、ピント外れな論評に終始しているのを見、愕然としました。

 五百旗頭眞さんには生前、お世話になり、また個人的なことですが、お孫さんに教養学部で数学を教えたこともあり、筋の通った、背筋の伸びた学究として敬愛申し上げておりました。

 そんなこともあり、大変に驚いたのです。 

 3月6日ご逝去の前日、5日に斎藤知事の命を受けた片山副知事が訪問、副理事長を務めていた(これまた私がよく存じ上げる)御厨貴氏(東京大学名誉教授、政治学)、河田恵昭氏(京都大学名誉教授、土木工学)お2人の「解任」を一方的に告げに来たそうです。

 来年は阪神淡路大震災30年に当たり、まさに「機構の役割・使命を果たす事実を問う最後の大きな契機であると言っても過言ではない」(渡瀬氏告発文書、以下同)ところ、この「解任」人事。

 「これはまさに五百旗頭先生と井戸前知事に対する嫌がらせ以外の何物でもありません」

 「あまりに突然の県からの通告に、先生はその時点では聞き置くにとどめ、片山氏にはお引き取り願ったそうですが、帰宅されてからも、斎藤知事のあまりの理不尽な仕打ちに憤慨され、夜も眠れなかったそうです」

 「翌日、機構に出勤されてからも、周囲の職員に同様の胸の内を明かされ、その日の午後に機構の理事長室で倒れられ、急性大動脈解離で急逝されました」(渡瀬氏)

 渡瀬氏は「激高などの情動的ストレスがトリガーとなること」もあり「斎藤知事、その命を受けた片山副知事が何の配慮もなく行った五百旗頭先生への仕打ち」を、冒頭に告発しているのですが、既存メディアからユーチューブの類まで、その意味をさっぱり理解していない。

 よろしいでしょうか、これは「(県という)組織の中で、いじめや嫌がらせによってストレスを亢進させられ」「身体を病む状況を誘引され」「結果的に人命が失われる」ことになった。

 渡瀬局長から、県内でリアルタイムで発生した「いじめ死」の告発そのものです。なぜそれが分からないのでしょうか。

 「これは刑事的立証は困難でしょう・・・」などと、したり顔で解説するものも目にしましたが、そんなことは百も承知です。

 私は過去30数年、同様のことで高血圧になった人、体調を壊して職を離れた人、はなはだしい例では命を失った例まで、両手で足りないケースが思い当たります。

 そして、それら一つとして「刑事的に立件」はできていません。

 「刑事で立件できなければ、何をしてもいい」「いじめも嫌がらせもし放題」というのであれば、反社会勢力、暴力団の嫌がらせと、何の変わりがあるでしょう? 

 少なくとも、そういうことは、選挙で選ばれる公職はもとより、私企業でも大学など教育機関でも、本来決してあるべきではないはずです。

 渡瀬さんは3月6日、五百旗頭先生の急逝を知り、それが引き金になって3月12日までに、当該の告発文を準備された様子が察せられます。

 ついに死人にまで出てしまった。

 五百旗頭先生は1981年神戸大学法学部教授に就任しておられます。渡瀬さんの経歴は公表されていませんが、もし大学に進んでおられれば1982年入学の学年ですから、ティーンの頃から五百旗頭先生をご存じだったのかもしれません。

 いままで我慢に我慢を重ねてきたけれど、ことここに至って堪忍袋の緒が切れた。そしてこの告発。 

 ところが、この告発後、プロ野球優勝パレード案件で課長職がうつ病から自殺という最低の経過をたどり、さらに渡瀬さん自身まで、同じように一方的な理不尽で「降格」「懲戒」の嫌がらせを受けることになった。

 こんなことが慣例化したら、幾多の後輩公務員が同じ憂き目に遭う「前例」とされてしまう。自分が一身を呈して、この悪弊をストップさせれば、それは防止できるかもしれない・・・。

 そういった、渡瀬さんの思考の経緯が1歳違いの私には察せられ、言語道断としか言いようがありません。

 ◆渡瀬局長「上司の矜持」

 上記の直前、2月に公開された渡瀬局長の県内コラム「最終回」の末尾に「上に立つものの矜持(できているというわけではないですよ、もちろん)」という、関西人らしいユーモアを添えられた箇条書きがありました。

 そのまま引用しますと、

  1 手柄は譲り、責任は取る
  2 仕事に厳しく、人に優しく
  3 好き嫌いで人を選別するな
  4 人を育てる視点を失うな
  5 信用しない人は信用されない
  6 任せたら、待つ
  7 過去の自分と部下を比較するな
  8 来る者を拒まず、去る者追わず(頼られたら応え、軽視されても怒るな)
  9 考え過ぎない(心配事の80%は起こらない。起きてしまう20%のうち80%は解決可能。つまり、全体の4%が本当に問題)

 という、県庁に限らず、およそあらゆる組織で有効な「至言」が記されていました。爪の垢を煎じて飲んだ方がよい組織がいくつも思い浮かびます。 

 いまとなっては、これらがすべて反語だったことが明らかですので、品位ある故人の意に反するかもしれませんが、兵庫県庁では 知事以下率先して

  1 手柄を自分のものにし、責任は取らない
  2 仕事にいい加減で、人にあたる
  3 好き嫌いで人を選別する
  4 人を育てる視点がない。人をつぶしている
  5 人を信用しないので信用されない
  6 任せられず、待てない。ヒステリックに催促で怒鳴るなどする
  7 過去の自分を持ち上げ、部下と比較して圧力をかける
  8 来る者を拒絶しつつ、去る者を追い、頼られても応えず、軽視されると激高する
  9 小さなことを考え過ぎ(心配事の80%は起こらない。起きてしまう20%のうち80%は解決可能。つまり、全体の4%が本当に問題で)本質的な4%の難問には手もつけない

 県政の現状を告発し「死をもって抗議」されたことが察せられます。

 東京都でも、職員が大量に辞職していることなどが報じられており、すでに機能不全に陥っている役所は、決して兵庫県だけではないことが懸念されます。 

 渡瀬さんの「覚悟の自刃」が、兵庫を皮切りに日本全体を覆う、異常な暗雲の払拭に通じることを願って本稿を急遽用意しました。

 渡瀬さんはコラム最後に、このように書き残しています。

 「最後に。人を大切にすること、義を通すこと、誠実であることを、一人の人間としてずっと心に持ち続けて欲しいです」

 「そして義を通そうとして挫けることがあっても、理不尽な現実の壁に跳ね返されても、諦めないでくださいね。『いつかきっと』と心に念じじながら」

 「素晴らしい人にたくさん出会えますように。県民の皆さんの心に残る仕事に出会えますように。長らくのご愛読、ありがとうございました。おせわになりました。おわり」

 心から、故人のご冥福をお祈りします。

 (お詫び)この記事のタイトルで当初、渡瀬康英・西播磨県民局長のお名前に間違いがありました。心からお詫び申し上げます。

■相談窓口
・こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
 ※受付時間は都道府県によって異なります
・あなたのいばしょ チャット相談(https://talkme.jp/)
 ※24時間365日 誰でも無料・匿名
・厚生労働省HPに自殺対策相談窓口一覧があります(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_info.html)

 元稿:JBPress 主要ニュース 政治・社会 【話題・地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事によるパワハラ疑惑・担当:伊東乾】  2024年07月16日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説・11.16】:少数与党時代 熟議で政策の合意点探れ

2024-11-17 07:00:20 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・11.16】:少数与党時代 熟議で政策の合意点探れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.16】:少数与党時代 熟議で政策の合意点探れ 

 与野党間の議論を通じて一致点を見いだす。そんな民主主義の原点ともいうべき政治の在り方を構築できるかどうかの分岐点にある。

 衆院選の結果を受け、国会は「自民1強体制」から様変わりした。衆院に17ある常任委員長のうち7が野党に配分され、野党第1党の立憲民主党が国会論戦をリードする予算委員長のポストを握った。

 少数与党となった自民、公明両党は国民民主党との政策協議を通じ、多数派を形成したい意向だ。だが、他の野党からも幅広く意見を聞き、政策の合意点を探る謙虚な姿勢が求められる。

 与野党の間では、年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」の見直しが主要テーマに浮上する。国民民主党が非課税枠の178万円への引き上げを求めているからだ。

 ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」の凍結解除とともに、臨時国会で政府の経済対策の裏付けとなる補正予算案に賛成する事実上の条件となっている。臨時国会は28日召集の予定で、「自公国」の枠組みによる政策責任者の協議が始まっている。

 「手取りを増やす」を掲げた国民民主党の議席伸長を見れば引き上げは必要だろう。主張通り改めれば税収は76千億円減る。地方分は半分超の4兆円と見込まれ、影響は大きい。勤務先企業の規模などに応じ社会保険料がかかる「106万円の壁」と「130万円の壁」もある。

 これらの課題をどう乗り越えるのか。仮に自公国の合意案で押し切るようであれば政権維持や人気取りのための密室協議に過ぎない。有権者の理解は得られず、石破政権は行き詰まるはずだ。

 野党の見識と力量も問われよう。立憲民主党は「130万円の壁」に焦点を絞り、保険料負担に伴う収入減を給付金で埋める制度を設ける法案を衆院に提出した。この対案には、国会改革を進める狙いもありそうだ。

 これまで法案や予算案は与党が事前審査し、国会に提出して審議日程さえこなせば、ほぼ原案通り可決、成立できた。野党の提出法案はたなざらしのままだった。国会を経ることなく内閣で使途を決める予備費の乱用も同様だ。第2次安倍政権以降は顕著で、国会審議の空洞化を招いた。

 今後は政府、野党双方の法案を審議し、合意形成に向けて議論を重ねる「熟議」と「プロセスの可視化」の国会運営が求められる。税制や社会保障制度などを巡っては委員会や本会議に舞台を限らないケースがあろう。その場合も議論の結果を逐次、説明する必要がある。

 実現可能性や持続可能性も重要な論点になる。合意形成の主役は実は野党なのかもしれない。法案や予算案に幅広い民意を反映させる立法府の使命を取り戻すべきだ。

 石破茂首相は、第2次石破内閣発足を受けた記者会見で、少数与党に関して「ある意味で、こういう状況は民主主義にとって望ましいことかもしれない」と述べた。その言葉を忘れてはならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月16日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【兵庫県知事のパワハラ疑惑】:「再選したら絶望」おねだり斎藤元彦知事の“退職金と出直し選挙費”、アンチと応援団の場外乱闘

2024-11-17 06:52:40 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県知事のパワハラ疑惑】:「再選したら絶望」おねだり斎藤元彦知事の“退職金と出直し選挙費”、アンチと応援団の場外乱闘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県知事のパワハラ疑惑】:「再選したら絶望」おねだり斎藤元彦知事の“退職金と出直し選挙費”、アンチと応援団の場外乱闘

  9月27日、自民党総裁選や大谷翔平の所属するロサンゼルス・ドジャースの地区優勝、NHK連続テレビ小説『虎に翼』の最終回など、数々のニュースが飛び交うなか、渦中の人物が“最後の日”を迎えた。

 ◆《再選したら絶望するわ》

 「兵庫県の斎藤元彦知事です。かねてからパワハラや“おねだり”問題で世間から厳しい追及を受け、19日には県議会にて不信任決議案が全会一致で可決されていました。辞職か、県議会の解散かどちらを選ぶのか注目が集まりましたが、26日に斎藤知事が表明したのは“失職”の意向。いわゆる、出直し選挙の道を選んだのです。

<button class="article-image-height-wrapper expandable article-image-height-wrapper-new" data-customhandled="true" data-t="{"></button>

兵庫県の斎藤元彦県知事、「俺は知事だぞ!」とばかりにアピールか(本人のインスタグラムより)© 週刊女性PRIME

 30日以降は副知事が職務を代行するため、27日は斎藤知事にとって最後の登庁日でした。3年前の就任時には大きな拍手をもって迎えられましたが、今回は見送る職員の姿はほとんどなく花束の贈呈もなし。その様子は、斎藤知事が置かれている立場を如実に表しているようでしたね」(全国紙記者)

 出直し選挙は11月の中旬ごろを予定されているとのこと。斎藤知事は、

 「ベストを尽くして自分流でできることをやる。大変な選挙になるだろう」

 と、記者会見で選挙への決意を語っていたが、ネット上の彼に対する声は厳しい。

 《再選したら絶望するわ》

 《どんだけ図々しいんだろ》

 《鋼のメンタルお化け》

 《心臓に毛が生えてるとはこの人のことだよね》

 などと、斎藤知事の一連の言動について、怒りを通り越して呆れたという人も少なくない。そして、《面白半分で投票しちゃだめよー》と呼びかける声も見受けられる。

 この失職に伴い、斎藤知事の懐に入る退職金は約1500万円と言われている。さらに知事選には約18億円の費用がかかるという報道も。

 ◆《貴方は間違っていません》

 しかし、その一方で斎藤知事を応援する動きがあるのも事実。

 「失職を表明した後、自身のXにてお詫びと選挙への決意を綴った投稿には、15万件を超える“いいね”がついていました。コメント欄には9000件を超える声が寄せられており、かなりの数の応援コメントも見当たります。支持の理由として主に挙げられているのは知事としての実績。この3年間の“斎藤県政”に感謝している人も少なくなく、応援団がつくられる勢いです」(スポーツ紙記者、以下同)

 実際、寄せられたコメントを見てみると、

 《自分はテレビもネットも色々見た上で斎藤知事

 がクロだと思わなかったので応援することにしました》

 《兵庫県民です。全力で齋藤さんを応援します!貴方は間違っていません》

 《県民の為に働かず職務放棄している議員共に負けて欲しくないです》

 《県政に興味ない人や県外の人間、

 知事を罵倒するのいい加減にして》

 などと、熱烈に支持を表明する言葉が並んでいる。こうしたコメントに対し、反論する意見もあり、すでに“場外乱闘”の様相を呈している。

 この失職に伴い、斎藤知事の懐に入る退職金は約1600万円と言われている。さらに知事選には約18億円の費用がかかるという報道も。

 出直し選挙まで残り1か月強。果たして、この間に世間の論調が大きく変わることはあるのか。兵庫県、さらには斎藤元彦氏個人から目が離せない。

 元稿:光文社 主要出版物 女性自身 社会 【話題・地方自治・兵庫県・職員へのパワハラ疑惑や告発文書への対応を問題視され、議会から全会一致で不信任を突き付けられた斎藤知事】  2024年09月29日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【混迷・兵庫県知事失職㊦】:候補者乱立で「斎藤再選」の可能性も、思惑入り乱れる出直し知事選

2024-11-17 06:52:30 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【混迷・兵庫県知事失職㊦】:候補者乱立で「斎藤再選」の可能性も、思惑入り乱れる出直し知事選

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【混迷・兵庫県知事失職㊦】:候補者乱立で「斎藤再選」の可能性も、思惑入り乱れる出直し知事選 

 「こういう状況になったことは…申し訳ないなという思いで…あの、自分自身に対して悔しい思いです」

 兵庫県議会の自民党会派などによる辞職申し入れを翌日に控えた9月11日の午後、定例記者会見に臨んだ兵庫県知事の斎藤元彦(46)は開始から約1時間後、突然声を詰まらせ、涙ぐんだ。

会見中に涙ぐんだ斎藤元彦兵庫県知事=9月11日、兵庫県庁(彦野公太朗撮影)

 令和3年の前回知事選で自民と日本維新の会の推薦を得て初当選を果たした斎藤に対し、維新はすでに会見の2日前、辞職要求と出直し知事選の実施を申し入れていた。

 自民を含む全86県議から退場を迫られる事態にあって、斎藤は3年前に自身に出馬を要請した自民県議3人の実名を挙げ「先生方には心から感謝している」と述べた。

 これを聞いた維新県議は、ほくそ笑んだ。「自民と知事。維新の名前は出ないほうがいいねん」

 3年前の知事選で斎藤は松井一郎(60)や吉村洋文(49)ら当時の維新幹部の応援を受けた。就任後に知事報酬の削減など「身を切る改革」や将来世代の支援を進める一方、重要政策を根回しなく発信する姿勢は、揶揄(やゆ)を込めて「維新知事」と評された。

 当の維新側も、国政と地方の選挙で党勢を拡大している間は、それに乗った。「維新県議団は知事与党」。告発文書問題発覚後の今年4月に至っても、県組織「兵庫維新の会」代表で参院議員の片山大介(57)は、そう言ってはばからなかった。

 しかし文書問題で告発者を特定して処分した斎藤の対応に批判が集まる中、県議会調査特別委員会(百条委員会)の設置に維新県議21人全員が反対し「斎藤擁護派」のイメージが拡散すると、一気に守勢に立たされた。 

 本拠地・大阪の選挙で敗北が相次ぎ、党内から「文書問題の対応が後手に回った影響だ」との批判が噴出。調査優先の方針を転換し、他会派に先駆けて辞職を要求したのも、斎藤擁護派のイメージを払拭する思惑があったからにほかならない。

 一方の自民。もとをただせば、3年前の知事選は一枚岩でなかった。維新が独自候補を擁立すれば、自民候補と目されていた当時の副知事では勝てないとの見方が一部で強まり、斎藤を支持する県議11人が会派を離脱して擁立に走った。維新勢力の県内への伸長を警戒した国会議員が同調し、斎藤の党本部推薦を決めた経緯がある。

 昨年4月、自民は会派を統一したが、しこりは残る。百条委設置の採決では足並みがそろわず1人が反対。不信任決議案の提出にあたっては、最大会派として主導する動きはみられず、立憲民主党議員らでつくる第4会派「ひょうご県民連合」に引っ張られる形になった。

 全会一致の不信任決議も斎藤に辞職を決断させるに至らず、主導権を握られた形で出直し選に突入する自民は独自候補擁立を模索する一方、他党との相乗りの可能性も否定していない。ベテラン県議は「こんな短期間で決める候補でいいのか。準備不足だ」と憤る。 

 維新は独自候補を擁立する方針。県民連合は政党色を出さずに候補者を支援する考えで自民、公明に連携を呼びかける。県民連合の県議は「今回は資質、人物の問題。県民に責任を持てる知事を誕生させる」と息巻く。

 3年前と構図は一変するものの、各党の思惑が複雑に絡む点は出直し選も同じ。ただ情勢は流 動的で、候補者が乱立すれば「『斎藤再選』の可能性も否めない」とある県議は危機感を募らせる。

 県政の刷新を掲げる斎藤が知事就任後3年余りで講じた政策の評価も定まらない中、有権者は、斎藤県政継続の是非について判断を迫られる。選挙によって県民の負託を得た知事は現下の混迷に終止符を打てるのか。答えはまだ見えない。(敬称略)

                  ◇

 ■連載は喜田あゆみ、地主明世、倉持亮、木津悠介が担当しました。

 【混迷ー兵庫県知事失職】

 県政史上初めて不信任を決議され、失職することになった斎藤知事。県政は刷新されたのか、はたまた停滞を招いたのか。3年の軌跡をたどり、今後の展望を探る。

 元稿:産経新聞社 主要ニュース 政治 【話題・地方自治・兵庫県・職員へのパワハラ疑惑や告発文書への対応を問題視され、議会から全会一致で不信任を突き付けられた斎藤知事】  2024年09月29日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【混迷・兵庫県知事失職㊥】:「噓八百」会見直後、斎藤知事側近は県警本部に走った

2024-11-17 06:52:20 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【混迷・兵庫県知事失職㊥】:「噓八百」会見直後、斎藤知事側近は県警本部に走った

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【混迷・兵庫県知事失職㊥】:「噓八百」会見直後、斎藤知事側近は県警本部に走った 

 3月27日夕、神戸市中央区の兵庫県庁からほど近い県警本部庁舎に県幹部の姿があった。県警の担当者と向き合ったのは、総務部長(当時)の小橋浩一(ひろかず)(60)や県民生活部長(同)の井ノ本知明(ちあき)(57)ら3人。「名誉毀損(きそん)で告訴や被害届を出せないか、知事から相談してこいと言われまして…」。県西播磨県民局長(同)の男性(60)が作成した告発文書をみせ、こう切り出した3人の表情には困惑が浮かんでいた。

会見する兵庫県の斎藤元彦知事=26日午後、神戸市中央区(渡辺大樹撮影)

 この直前、兵庫県知事の斎藤元彦(46)は記者会見で怒りをあらわにしていた。「業務時間中に噓八百含めて、文書を作って流す行為は公務員として失格だ」。斎藤は男性をこき下ろし、文書は誹謗(ひぼう)中傷に当たるとして「被害届や告訴なども含めて法的手続きを進めている」と宣言した。

 だが、文書はその斎藤自身のパワハラ疑惑などを告発したもの。公益性があり、立件は難しいとの県警側の感触を得ると、以降、斎藤が自ら告訴に言及することはなくなった。

 3年前、知事就任にあたって「ボトムアップ」を掲げた斎藤。就任時には職員に向け「失敗を恐れないで。失敗したら私が責任を取る」とメッセージを送った。ある中堅職員はこの言葉に期待を抱いたが、ほどなく失望に変わったという。

 就任直後、斎藤が設置したのは、知事の肝煎り政策を進める「新県政推進室」。トップの室長には、後に県警本部に走ることになる小橋が就き、井ノ本も室次長に名を連ねた。

 同じく室次長となった現産業労働部長の原田剛治(こうじ)(56)、9月に副知事として招かれた片山安孝(64)を含めた4人は、総務省キャリアだった斎藤の宮城県庁勤務時代に、東日本大震災の復興支援で宮城に派遣されるなどしていて知己を得た間柄だ。

斎藤元彦知事と側近幹部を巡る主な動き 

 次第に県政の重要事項は、斎藤とこの4人の間で決められるようになった、と職員や県議らは口をそろえる。小橋、井ノ本、原田は昇進を重ね、県庁内の枢要なポストを占めていく。斎藤と4人の蜜月ぶりは、宮城県名物をもじって「牛タン倶楽部」と呼ばれた。

 「就任時には部局に任せますと言っていたが、結局はトップダウンだった」。斎藤に近い県議は、その運営手法をこう評する。象徴として挙げるのは、斎藤が自身の功績としてアピールする県庁舎の建て替えだ。

 県庁舎は前知事、井戸敏三(79)の時代に建て替えを含めた再整備が決まった。だが、斎藤は就任4カ月後の令和3年12月に凍結を表明。井戸の時代から事業費が約1千億円に上振れしており、「県民の理解を得られない」とした。

 大規模な支出を伴う事業は止めたが、その後がなかなか決まらない。庁舎の一部は耐震性の問題で解体する必要があり、現状維持の選択肢はない。5年3月、ようやく斎藤が打ち出したのはテレワークの推進により職員の出勤率を4割とし、庁舎をコンパクト化する案だった。

 「みんな絶句した。冗談かと思った」。職員の一人が振り返る。県庁は大規模災害時に司令塔の役割が求められる。阪神大震災を経験した職員にとって、斎藤のプランは寝耳に水だった。

 「事業を凍結するのは正しい判断だったと思う。ただ、いきなり4割出勤といえば混乱を招く。丁寧さが必要だった」。県議はこう指摘した。

 「徹底的に調べてくれ」。今年3月21日、告発文書を入手した斎藤は知事室に牛タン倶楽部の4人を招き、こう指示したという。

 人事の硬直化、根回しやコミュニケーションの不足…。斎藤県政のゆがみは、冷静さと客観性を欠いた「告発者捜し」として表出し、不信任の大きな要因となった。(敬称略) 

 元稿:産経新聞社 主要ニュース 政治 【話題・地方自治・兵庫県・職員へのパワハラ疑惑や告発文書への対応を問題視され、議会から全会一致で不信任を突き付けられた斎藤知事】  2024年09月28日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【混迷・兵庫県知事失職㊤】:不信任直後に相次ぎテレビ出演、出直し選への布石と知られざる斎藤知事誕生秘話

2024-11-17 06:52:10 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【混迷・兵庫県知事失職㊤】:不信任直後に相次ぎテレビ出演、出直し選への布石と知られざる斎藤知事誕生秘話

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【混迷・兵庫県知事失職㊤】:不信任直後に相次ぎテレビ出演、出直し選への布石と知られざる斎藤知事誕生秘話 

 職員へのパワハラ疑惑や告発文書への対応を問題視され、議会から全会一致で不信任を突き付けられた兵庫県知事、斎藤元彦(46)は26日、失職の上で出直し選に臨むと表明した。

 前日、メディアの囲み取材が終わった後、高校生から「辞めないで」と激励の手紙を託されたという。「マスコミの皆さんの批判はものすごいが、負けないで屈しないで、とエールを届けてくれた」。目を潤ませて「改革・刷新の継続」を出馬理由に掲げた斎藤。現在の難局は、守旧派の巻き返しと言わんばかりだった。

 これまで防戦一方だった斎藤の動きは不信任決議の翌日からにわかに活発化する。NHKをはじめテレビ各局に相次ぎ出演。インタビュアーとの一対一、ノーカットが条件だったという。文書問題について従来の主張を繰り返す一方、「改革を続けたい思いはある」と強調した。出直し選への布石-。ある県議は、斎藤のテレビ行脚にその意図を感じたという。

 「本当に知事が職を辞するべきことなのかというのが正直なところ」。一連の問題に対する斎藤の〝本音〟に知事職への強いこだわりがのぞく。その執着の源はどこにあるのだろうか。

 斎藤元彦は神戸市須磨区出身。名前は地元の有力者だった母方の祖父が付けた。兵庫県知事を昭和37年から2期務め、祖父と親交のあった金井元彦にあやかった。

 愛媛県内の中高一貫校に進み、1年の浪人を経て東大に進学。卒業後の平成14年に総務省に入った。地方自治を所管する同省の官僚は潜在的な知事候補。祖父からはこう激励されたという。「いずれは兵庫に戻り、知事になれ」

 県選出の自民党国会議員の元秘書が斎藤と初めて会ったのは10年近く前のこと。斎藤はこの頃からたびたび事務所に顔を出すようになった。党内の情勢、次の総裁選…。「自民は今こうなってるんだよと、私から教えてあげることが多かった。今思えば、野心みたいなものがあったんだろう」。総務省での20年のキャリアのうち地方出向が半分以上。本省勤務の少なさが斎藤の知事志向に拍車をかけた、との指摘もある。

 ◆自民と維新からの推薦 離れ業か時流か

 前回知事選(令和3年7月)からさかのぼること1年前、自民のベテラン県議、内藤兵衛(ひょうえ)(66)と石川憲幸(のりゆき)(69)は地元選出の参院議員、末松信介(68)から斎藤を紹介された。神戸市内のホテルで斎藤と歓談した2人はすぐに好感を持った。

 この頃、自民は知事選の候補者選定で迷走していた。日本中が新型コロナウイルス禍に揺れる中、日本維新の会共同代表で大阪府知事の吉村洋文(49)ら「物言う知事」たちのリーダーシップがひときわ脚光を浴びていた時期。一方、兵庫県政で5期目の終盤に差し掛かっていた井戸敏三(79)は公用車を最高級車「センチュリー」に切り替えたことが悪い意味で注目を集めていた。 

 兵庫では現職知事が副知事を後継とする「禅譲方式」が約60年間続いていた。井戸の引退が確実視される中、慣例では自民の次期候補は副知事だった金沢和夫(68)になるはずだった。

 だが独自候補擁立を模索する維新の動向が、この既定路線に動揺を生じさせた。「センチュリー批判」のただなかにあった井戸の禅譲候補では「維新に勝てない」という危機感があった。

 そんな情勢のもと、内藤や石川は県議団の若手に斎藤を引き合わせ、県政に関する勉強会を開いた。いわゆる「ハコもの行政」を否定し「無形の価値。僕はそれでいい」と語る斎藤に、「会うたびに引き込まれた」と内藤は振り返る。県連が金沢支援で固まる中、内藤らは令和3年3月、当時、大阪府財政課長だった斎藤に出馬を要請するに至る。

 そんな自民の分裂に乗じたのが、当時の維新代表、松井一郎(60)だった。「自民の一部会派が支援するなら、勝てる」と自民に先んじて党推薦を出した。これに自民の党本部が反応し、最後は国会議員らの主導で斎藤の推薦を決定した。 

 斎藤は結果的に、「不倶戴天」の敵同士であるはずの自民、維新の両党から推薦を得るという離れ業をやってのけた。「とにかく井戸さんがダメで、若い候補なら勝てた。斎藤の実力というより、時流に見事にはまった」と当時を知る自民の地方議員が指摘する。

 「とにかく知事になれと祖父からずっと言われてきたんだろう。総務官僚からそのための道を進み、それだけが目標だった」

 辞職の汚名は刻めない-。斎藤が文書問題でどれだけ非難されようと決して辞職しなかったのも「元彦」の名前ゆえと、議員は語った。(文中敬称略)

                 ◇

 県政史上初めて不信任を決議され、失職することになった斎藤知事。県政は刷新されたのか、はたまた停滞を招いたのか。3年の軌跡をたどり、今後の展望を探る。

■「県政にとって重い判断」兵庫・斎藤元彦知事、自動失職し出直し選出馬を正式表明

■【混迷・兵庫県知事失職㊥】「噓八百」会見直後、斎藤知事側近は県警本部に走った

 元稿:産経新聞社 主要ニュース 政治 【話題・地方自治・兵庫県・職員へのパワハラ疑惑や告発文書への対応を問題視され、議会から全会一致で不信任を突き付けられた斎藤知事】  2024年09月27日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【兵庫県知事のパワハラ疑惑】:斎藤元彦知事が「不信任」つきつけられた一部始終…支援してきた維新の県議はそれでも「未練」を語った

2024-11-17 06:52:00 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

兵庫県知事のパワハラ疑惑】:斎藤元彦知事が「不信任」つきつけられた一部始終…支援してきた維新の県議はそれでも「未練」を語った

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県知事のパワハラ疑惑】:斎藤元彦知事が「不信任」つきつけられた一部始終…支援してきた維新の県議はそれでも「未練」を語った

 斎藤元彦兵庫県知事の疑惑を巡る告発文書問題は19日、県議会の全会一致で知事の不信任決議案が可決される事態となった。告発発覚から約半年。県議会の調査特別委員会(百条委員会)が行われる中、告発した職員は死亡。知事は今後の対応を明言せず、県政は停滞と混乱を極めている。緊迫の一日を追った。(山田祐一郎、森本智之)

◆自民党県議が不信任決議案を読み上げ

兵庫県議会の本会議で不信任決議案の提案説明を聞く斎藤元彦知事(右)

兵庫県議会の本会議で不信任決議案の提案説明を聞く斎藤元彦知事(右)

 「県民の信頼を損ない、県職員を動揺させ、議会を巻き込み、県政に長期にわたる深刻な停滞と混乱をもたらしたことに対する政治的責任は免れない」
 19日に兵庫県公館で行われた県議会本会議。最大会派の戸井田祐輔県議(自民党)が読み上げる不信任決議案の文言を、斎藤元彦知事は真っすぐ前を見据えて聞いた。投票は記名式。86人の議員が壇上の投票箱に次々と賛成の白票を投じていったが、知事の表情は硬いまま。午後5時35分、浜田知昭議長が「可決されました」と宣言すると、議場からは拍手が湧いた。斎藤知事は、議長や県職員に何度も頭を下げて退場した。

◆「改めるべき点をしっかりと受け止め、日々の仕事に生かす」

 斎藤知事の疑惑を指摘する3月の告発文書を発端とした今回の問題。百条委が実施した県職員アンケートでは4割がパワハラを見聞きしたと答えた。告発文書を「うそ八百」と知事に会見でなじられた上、5月に懲戒処分を受けた元西播磨県民局長が7月に死亡し、公益通報者保護の姿勢に欠ける知事や県の対応に、批判が高まった。
兵庫県議会に出された補正予算案の提案理由説明で一連の問題について「ご心配をおかけしたことをおわびする」と述べた斎藤元彦知事

兵庫県議会に出された補正予算案の提案理由説明で一連の問題について「ご心配をおかけしたことをおわびする」と述べた斎藤元彦知事

 この日、県議会の議場に用意された120席の傍聴席は、メディア関係者や一般傍聴者で埋まった。斎藤知事は午前11時すぎ、一礼をして議場に入り、補正予算案の提案理由説明で登壇。「多くの県民の方々にご心配をおかけしたことを、改めて心よりおわび申し上げる。反省すべき点、改めるべき点をしっかりと受け止め、日々の仕事に生かす」と詰めかけた県民らに頭を下げた。

◆維新県議は不信任の賛成討論なのに「知事の実績」を強調

 午後3時15分すぎ、補正予算案などを可決後に自民党から動議が出され、不信任決議案を提出。各会派の代表と無所属議員2人による賛成討論が行われたが、会派によって追及のトーンは異なった。
 立憲民主党県議らでつくるひょうご県民連合の迎山志保県議は「死亡した告発者を追い込んだのは究極のパワハラ」「知事が『道義的責任が何か分からない』と発言したことに多くの県民があぜんとした」と非難。一方で斎藤知事を選挙で推薦した第2会派、維新の会の徳安淳子県議は斎藤知事の実績を強調した上で「議会を解散すれば、積み上げた実績が帳消しになる」「知事と思いを共有できないことが大変残念だ」と未練をにじませた。
兵庫県議会の本会議終了後に取材に応じる斎藤元彦知事

兵庫県議会の本会議終了後に取材に応じる斎藤元彦知事

 斎藤知事は8月30日と9月6日に百条委の証人尋問に出席。一部行為を認めたが、パワハラとは認めず、文書についても公益通報には当たらないと自らの正当性を強調した。県議会の全会派と無所属の全86議員が辞職を求めても応じなかった。
 そして全会一致での不信任決議。知事は10日以内に辞職するか議会を解散しなければ失職する。本会議終了後、報道陣の取材に応じた斎藤知事は「いまの状況を招いたのは、私に責任がある。結果責任を感じている」としつつ、今後の対応について明言を避けた。

 ◆県民の思いは…「知事を推薦した政党の責任も大きい」

 兵庫県政の停滞はさらに長引きそうだ。この日傍聴に訪れた西宮市の自営業吉村平さん(84)は「百条委を通して知事が自身の非を認めず、内部告発や職員が亡くなったことに対する正直な思いを聞けなかったのが残念だ」と話す。
一般傍聴人や報道機関が多く訪れた19日の兵庫県議会本会議

一般傍聴人や報道機関が多く訪れた19日の兵庫県議会本会議

 神戸市中央区の主婦(71)は「異論を排除するだけで自身の責任を認めない」と批判。県議会にも「もっと早く対応できたはずだ。裏には政治家同士のいろいろな思惑があったのでは」と不信の目を向ける。
 同市灘区の無職男性(74)は「斎藤知事の(職にとどまる)対応は、法律上認められている」としつつも「やらなくてもよい選挙をすることになった。負担は県民にのしかかる」と県政の停滞を危ぶむ。さらに、初当選した知事の人柄までは選挙で分からなかったとして、「このような結果になったのは、知事を推薦した政党の責任も大きい」と指摘した。傍聴した中には「1日も長く職にとどまって、多くの退職金を得たいのだろう」と切り捨てる男性もいた。

◆苦情の電話鳴り止まず 県職員は「疲弊している」

 県人事課によると、辞職、失職にかかわらず知事には退職金が支払われる。在職期間で金額は変わるが、9月29日までに辞めるとその額は1561万7700円。ひと月延びるごとに42万円増える。一方、辞職でも議会解散でも選挙は確実となり、県選挙管理委員会によると、直近の実績値で知事選は18億円、県議選は16億円。議会を解散した上、知事が辞職する「ダブル選挙」も制度上はあり得る。
知事のパワハラ疑惑などを巡る告発文書問題で揺れる兵庫県庁

知事のパワハラ疑惑などを巡る告発文書問題で揺れる兵庫県庁

 ただ県政にも影響が出ている。問題の発覚後、斎藤知事側近とされた幹部が県政混乱の引責や、体調不良などを理由に相次いで辞職。県広報広聴課に寄せられた電話は問題が発覚した3月下旬から9月18日までに5620件に達した。大半が知事への苦情といい、1日に200件を超えたことも。同課の担当者は「朝から晩まで常に電話が鳴っている状態。他部から応援職員をもらっているが、疲弊している」と漏らす。

◆知事の不信任は5例目 選択肢の一つ「解散」は前例なし

 総務省によると、戦後把握している都道府県知事の不信任決議案可決は今回で5例目だが、知事が議会を解散した事例はない。2002年の田中康夫長野県知事のように可決された後、10日以内に辞職も解散もせず、地方自治法の規定により失職し、出直し知事選で再選を果たした例もある。
不信任案を可決された田中康夫・長野県知事=2002年7月5日、長野市で

不信任案を可決された田中康夫・長野県知事=2002年7月5日、長野市で

 なぜ議会の解散権は行使されてこなかったのか。
 中央大の佐々木信夫名誉教授(行政学)は「解散しても新議会で首長支持派が過半数を獲得できなければ、再び不信任決議をされて失職する可能性が高いからだ」と解説。全議員が今回の不信任案に賛同した斎藤知事も同様の状況が見込まれ、「事態を収束するには自ら辞職するのが常識的な選択だ」と促した。
 二元代表制の両輪として議会と首長には相互にチェックしあう権限が与えられているが、知事は多くを過ちと認めず、選挙の行方も見通せないのが現状だ。

 ◆「当初、県議会側も告発文書を軽視した」

 元神戸新聞記者でノンフィクションライターの松本創氏は「問題当初、県議会側も告発文書を軽視したきらいは否めない。『誹謗(ひぼう)中傷』と扱った県当局と同様に深刻に受け止めなかった。中でも自民と維新が知事の責任を問うことに躊躇(ちゅうちょ)したのは大きい。特に維新は百条委でも露骨に知事を擁護する質疑をする議員がいるなど、ギリギリまで非常に擁護的だった」と話す。
不信任決議案の可決を受けて「結果責任を感じている」と述べた斎藤元彦知事

不信任決議案の可決を受けて「結果責任を感じている」と述べた斎藤元彦知事

 3年前の知事選で相乗りで斎藤氏を推したのが自民と維新だった。「不信任決議となれば『製造物責任』を問われる。だから誰も知事の首に鈴を付けられなかった。知事が議会解散を選べば、大阪・関西万博などで逆風の維新は厳しい選挙になる。恐れた面もあっただろう」とし、追及が遅れた議会の責任も「当然ある」と批判した。

 ◆デスクメモ

 「知事と議会は車の両輪」。東京都庁を担当した当時、知事与党の都議から再三聞いた言葉だ。不祥事を起こした知事や幹部には百条委や不信任案の行使を示し、冷淡に引きずり降ろすこともあった。斎藤県政の幕引きを求める維新や自民の県議も擁立し支えてきた責任を負っている。(恭)
 

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会【疑惑・地方自治・兵庫県・知事によるパワハラ疑惑】  2024年09月20日  12:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説・11.16】:伝統的酒造り 文化遺産を復権の弾みに

2024-11-17 06:03:40 | 【国連・ユネスコ・世界遺産・世界有形無形文化遺産・記念物遺跡会議

【社説・11.16】:伝統的酒造り 文化遺産を復権の弾みに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.16】:伝統的酒造り 文化遺産を復権の弾みに 

 日本酒や焼酎の知名度が世界的に高まれば、消費の拡大や担い手確保が期待できる。伝統文化である酒造りの技をさらに磨き、九州など生産地の活性化につなげたい。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関は日本酒や本格焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録するよう勧告した。12月のユネスコ政府間委員会で正式決定する見通しだ。

 伝統的酒造りはカビの一種であるこうじ菌を使い、蒸したコメなどの原料を発酵させる。日本古来の製造技術で、複数の発酵を同じ容器の中で同時に進める工程は世界でも珍しい。

 各地の風土や気候に合わせて、杜氏(とうじ)たちが手作業で洗練させ、継承してきた。

 勧告は伝統的酒造りの知識と技術が「個人、地域、国の三つのレベルで伝承されている」と評価した。

 祭事や婚礼といった日本の社会文化的行事に酒が不可欠であることや、酒造りが地域の結束に貢献していることなどが、登録に必要な基準を満たすと判断した。的確な捉え方である。

 日本酒や焼酎などの国内市場は、高齢化や消費者の嗜好(しこう)の変化で縮小している。

 国税庁によると、2022年度の日本酒を含む清酒の出荷量は40万7千キロリットルで、約50年前の4分の1に減少した。泡盛を含む本格焼酎(単式蒸留焼酎)は39万3千キロリットルで、焼酎人気が続いていた07年度と比べ3割減っている。

 こうした中で蔵元が期待を寄せるのが海外市場だ。清酒の輸出は近年急増しており、輸出額は12年の約89億円から23年は約411億円に伸びている。

 13年に「和食」が無形文化遺産に登録され、海外で和食人気が高まったことも追い風となった。

 ウイスキーなど洋酒を含む日本産酒類の23年の輸出額は1344億円で、世界の酒類市場の0・1%程度に過ぎない。伸びしろは大きい。

 日本を訪れる外国人観光客が日本酒や焼酎を味わう機会が増えており、国内消費も幅が広がりそうだ。和食に限らず、さまざまな食に合った酒を勧めるなどPRに工夫を凝らす必要がある。関係者の努力に期待したい。

 酒類に対し、関税や輸入規制などのハードルを設けている国が少なくない。関税や規制の緩和、輸入手続きの簡素化などには政府の働きかけが欠かせない。

 優れた酒造りを担うのは、高い技能と経験を持つ杜氏や蔵人と呼ばれる職人だ。有志でつくる日本酒造杜氏組合連合会に所属する杜氏は、1965年に3683人を数えたが、22年は約5分の1の712人まで減った。

 九州の生産地にとっても悩みの種だ。無形文化遺産登録は、身近な酒造りの価値を多くの人が認識するきっかけになる。ぜひ後継者の育成に弾みをつけたい。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする