【読む政治】:首相発言を否定する2人のキーマン 政治改革「30年前の宿題」の真相
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【読む政治】:首相発言を否定する2人のキーマン 政治改革「30年前の宿題」の真相
政治改革の重要テーマとなる「企業・団体献金の禁止」を巡り、与野党は3月末までに結論を出す。禁止に否定的な石破茂首相(自民党総裁)は約30年前の「平成の政治改革」を振り返り、公費で政治資金をまかなうために導入された政党交付金は、企業・団体献金の禁止と「引き換えではなかった」と主張する。ただ、首相の認識は当時のキーマン2人と大きく食い違う。関係者の証言を検証した。
細川護熙氏へのインタビュー詳報も公開しています。原稿の末尾には動画がつきます。
「石破首相に納得いかない」 細川護熙氏が指摘する「一番の問題」
◆企業・団体献金「廃止」の合意はあったか
首相の発言が問題になったのは、2024年12月5日の衆院予算委員会だ。
立憲民主党の野田佳彦代表が質疑に臨み、1994年の政治改革関連法成立時、政党交付金を導入する代わりに、企業・団体献金を将来的に廃止する方向で与野党が合意したと主張。「30年前の宿題を片付けようじゃありませんか」と禁止に向けた法制化を呼び掛けた。
これに対し、首相は「政党助成金(交付金)を導入する代わりに、企業・団体献金は廃止の方向となった事実はない」と否定。
立憲の大西健介氏から改めて追及された際には、当時の議論を「今でもありありと覚えている」と話した上で「(政党に)公的助成が入ったので企業・団体献金はなくなるという意識を持ったものは、少なくとも自民党にはいなかった」と強調した。
◆5年後の「見直し」が意味するものは
94年の政治改革関連法は細川護熙(もりひろ)内閣で成立した。「国民1人あたり250円」に相当する公費が政党に支給される政党交付金を創設。同時に政治家個人への企業・団体献金が禁じられた。政党と、政党が指定する政治資金団体への献金については、付則に「5年後に見直しを行う」と明記された。
問題は、この「見直し」を「禁止」と解釈するかどうかだ。
5年後の99年、自民党の小渕恵三政権下で行われた法改正で企業・団体献金は全面禁止されなかった。政党本部だけでなく、政治家個人の「財布」と呼ばれる政党支部への献金も…、
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