【主張②・11.25】:闇バイト事件対策 「#9110」活用しよう
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・11.25】:闇バイト事件対策 「#9110」活用しよう
闇バイトを実行犯とする強盗事件が相次いでいる。どこで誰が狙われるか分からず、不安が広がる。
地域で事件を予感させるような不審な動きに気づいたらどうするか。警察は住民が対処できるよう、緊急性のない110番とされる「#9110」への通報を促すべきだ。住民も協力したい。
警察相談専用電話#9110のイメージ写真
事件前には犯人グループによる下見などの予兆がある。被害地域から「訪問販売やリフォームなどの訪問営業があり、家族構成や資産状況を尋ねられた」などの証言が出ているのだ。
こうした証言は事件後に「そういえば」と出ることが多い。これを事前にキャッチできないか。普段とは異なる、犯罪予兆の恐れがある情報を迅速に通報してもらい、先回りして被害を予防し、捜査に生かしたい。
#9110は平成2年から稼働した都道府県警の総合相談電話だ。困り事や悩み事を受け付け、警察として相談に乗って専門窓口を紹介する。「急がない110番」とも呼ばれる。
警視庁には昨年、4万8681件の#9110があった。総務、警務部門が担当し、公共サービスの性格が強かったが、今後は防犯、捜査につなぐ機能を強化すべきではないか。
警視庁は生活安全部とホットラインで結び、#9110に犯罪予兆と推測される不審情報が寄せられると直ちに情報を共有する態勢である。闇バイト関連の不審者情報が増えており担当者の増員を検討してもいい。通話料の発信者負担も再考が必要ではないか。地方議会も含めて柔軟に考えるべき論点だ。
問題は認知度の低さだ。110番と異なり、#9110の存在が国民に知られているとは言い難い。政府も含め、様々(さまざま)に浸透させる努力が求められる。
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】 2024年11月25日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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