【金口木舌・11.16】:共助の大切さ 北部豪雨から1週間
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・11.16】:共助の大切さ 北部豪雨から1週間
北部地域を車で回った。泥水が乾き、土ぼこりが舞う。過酷な環境の中で懸命な作業を続ける作業員、ボランティアの姿。自宅に戻れない住民もいる。頭が下がる思いがした
▼甚大な被害を及ぼした北部豪雨から1週間を迎えた。橋の欄干に突き刺さる流木、畑の土砂崩れ。どこを取材しても被害の大きさに驚かされる。台風も近づいている。「次の雨が怖い」と語る農家の言葉に切迫感が漂った
▼「国頭村制施行百周年記念誌」によると、1826年の大雨で七つの集落で洪水が起こった。自然災害と隣り合わせの歴史。今回、被害の大きかった比地地区では、過去にも大雨による比地川の氾濫が度々起きていた
▼家屋の多くが浸水したが、雨中の助け合いで奇跡的に犠牲者はゼロ。住民の1人は「氾濫の歴史を年配の方から聞いていた。幼い頃からの経験が体に染み付いているかも」と話す。地域の声かけ、つながりが命を守った
▼安価で食事を提供した地域の飲食店。県内各地から人的、物的な支援が被災地へと届けられた。温かな支援は被災者を大きく勇気づけただろう。災害への備え、共助の大切さに気付かされた。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年11月16日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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