【金口木舌・12.10】:名護にこだわった作詞家
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.10】:名護にこだわった作詞家
名護市の初代バスターミナルは1970年代まで、現在の大西バス停付近(同市港1丁目)にあった。バス移動が当たり前の時代。交通の中心地には多くの人が行き交った
▼近くで69年に開店したのが「祖慶時計眼鏡店」。朝5時から営業し、修理の依頼で離島から訪れる人も多かった。店主の祖慶実政さん(84)は、バスを待つ客とのおしゃべりによく付き合った
▼伊是名や伊平屋から来る人たちとの会話は楽しかった。そこから歌詞が生まれ、曲が付けられた。「ガサガサおんど」「ハチャーガマクーグンボークンダ」として発表されている
▼時計の修理の傍ら「そけいとき」の名で作詞活動をしてきた。故・普久原恒勇さんと「豊年音頭」など名曲を作った。生まれ育った名護にこだわり、実際に見た光景を情緒的な詞に落とし込めていった
▼「詞と曲は両輪。作詞を続けられて幸せだった」と話す。作曲に比べ作詞家が取り上げられることは少ない。ただ、祖慶さんが紡いできた歌詞は沖縄文化の中で確かに息づく。作品の演奏会が22日に名護市民会館で開かれる。光る言葉の数々は多くの人を魅了するだろう。
元稿:琉球新報社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年12月10日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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