驛の窓口で、特急券を買ふ。係員は、若い男性だった。発行した特急券を差し出すその手の爪は、不自然な艶を放ってゐた。気持ち悪い──と思った。その土地の歴史文化を守った若い男性の議員が、驛前で活動をしてゐた。目が合ふと、彼は手を差し出した。交はしたその手は、はっきりと堅かった。男の手だ──私は頼もしく思った。 . . . 本文を読む
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プロフィール
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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