迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

まずは今日を聴く。

2020-04-30 17:09:00 | 浮世見聞記
午前中に隣町の古刹を訪ね、この騒動の最中に型が出来上ったばかりの一曲を、軽く試演する。これはいつ初演出来るだらうか……、とか、そんなことは考へない。その日が来るも来ないも、おのれ次第。それが、本當の特効薬。初夏の訪れに合はせて、甘酒も衣替へ。ちょっと塩気を感じてホッとして、時世に翻弄される木の葉に過ぎなゐおのれを知る。……また人々が道を彷徨ひはじめたぞや。なれば、城に戻らん。 . . . 本文を読む
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悲報でも喜報でもなし。

2020-04-28 23:36:06 | 浮世見聞記
来夏に延期とした茶番大運動會、もしその時になっても開催が困難な場合は、いよいよ中止になると、海外では報じられてゐる云々。すでに協賛企業が五社も手を引ひてゐるのである。それが當り前であり、ここまで来ると驚きも喜びもない。むしろ遅きに失したと感じるくらゐなものだ。もともと現実的でなゐ話しであり、開催地決定直後からの不祥事の數々も、それに拍車をかけていたのだ。運動屋たちは今だに開催を信じ . . . 本文を読む
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あなたへの宿題。

2020-04-28 19:27:00 | 浮世見聞記
昨年は枝拂ひのために花をつけなかった近所の藤が、今年は數筋が蘇って見頃を迎へる。藤はその逞しさから、古へより生命カの象徴とされてきた。あくまで“手猿楽樂師”として生きるために、自分も気持ちを逞しうしなければ──この支那疫病騒動は、間違ひなく“転換期”だ。その機会を、どのやうにとらへて生き抜くか?──藤の花房に、私は令和二年後半の宿題を見る。 . . . 本文を読む
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外出自粛「籠城じゃ」熊本城のポスター話題

2020-04-28 13:15:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyodo_nor/life/kyodo_nor-2020042801001321?fm=dたしかに、心にスッと入って来る呼びかけですね。『籠城』──なるほど、本腰入れて敵と戦ふぞ! といふ気持ちになります、私は。なおも外を徘徊する奴ばらは討ち死にじゃ!、と。萬民への呼び . . . 本文を読む
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伸び緩みたる浮世かな。

2020-04-27 20:24:00 | 浮世見聞記
四月も今週で終はらんとす。肝心なところで押しが弱い為政者のために、支那疫病騒動は長期化ならぬ、緩慢化の様相を呈す。その一方で、人の生死はいよいよ峻別を極め、やがて今年は「理不尽」が話題語となるだらう。私はただ、自ら興した手猿樂のためだけに、いまを生きる。誰のためでもない、自分のための命だからの。 . . . 本文を読む
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古謠に未来(あす)を聴く。

2020-04-26 19:16:00 | 浮世見聞記
創作の資料として、昔の名人上手の謠をいくつか収めたCDを手に入れる。そのうちの一曲、能樂忘流派の各派閥當主が一堂に會した素謠は、シテ、ワキ、ツレと、それぞれが一人で謠ふところは良さを感じられるが、地謠(合唱)になると音に統一性が無くなり、それぞれがそれぞれに謠ってゐるやうに聞こゑる。藝能家とはいはゆる個人事業主、組織のなかでは我を張り合ふが宿命と、その古ひ音源は傅へてゐる。だからこそ、私は組織と絶 . . . 本文を読む
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古書は“買ふ”にあらず“出逢ふ”なり。

2020-04-24 15:45:00 | 浮世見聞記
注文した本が、續々と手許に届く。その全てが古本で、先方に不手際が無い限り、確實に手に入るこの文明には何かとお世話になってゐるクチだが、やはり古書の醍醐味は散々探し歩ひて草臥れて、その果てに思ひもよらぬところで思ひもよらぬ廉価で出逢ふ──これに尽きるよなぁ……、と為政者の偏った休業強制により樂しみのひとつを取り上げられた今日、その思ひを再認識する。また、「今日はちょっと覗くだけ……」のつもりで出かけ . . . 本文を読む
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保菌といふ抗菌。

2020-04-23 17:45:00 | 浮世見聞記
「うがひ」、「手洗ひ」、「アルコール消毒」の三点を小まめにやってゐても、支那疫病はその目を縫って感染云々。殺菌除菌のやり過ぎは体の免疫力をも弱めるから、却って感染しやすくなるのではないか?現代人は清潔が大好きな結果、免疫力が低下してアレルギー体質だらけになってしまったのと同じ理屈で。キャップのツバからお手製の透明ビニールを垂らして電車に乗って来る、見るからに不健全さうな痩男に、医療用 . . . 本文を読む
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浄化作用!?

2020-04-22 16:40:00 | 浮世見聞記
支那疫病の世界的感染によって人の動きと産業が抑制された結果、世界中の大気が浄化傾向にあるとの調査結果、ありける。平常時ではニンゲンに解決出来ない難題が、皮肉にも異常時に疫病が“正”へと解決する──忌ま忌ましいことだが、これが事實にて候。さういふ意味では、首都圏鐵道も“元凶”がほとんど除かれた結果、運転見合はせや遅延が明らかに減少した。なにより一番の効果は、街中からムダな異國人旅行團が駆逐されたこと . . . 本文を読む
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サビの無い歌。

2020-04-21 23:03:00 | 浮世見聞記
支那疫病感染者の増減につひて医療関係者曰く、『ここ一、二週間が岐(わか)れ目でせう』……この台詞、私はーヶ月以上も前からずっと聞かされてゐる気がする。いったい、いつがヤマ場なのだらう!?これを以てしても、支那疫病対策がとっくにお手上げ状態になってゐることは明らかだ。「『感染者を一人確認』と発表されたら、實際には十人だと思へ」──とは騒動の初期に聞ひたことだが、あながちデタラメでもない気がする。補償 . . . 本文を読む
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特効薬の在処(ありか)?

2020-04-21 14:42:00 | 浮世見聞記
今や中止も同然な茶番大運動會の、負担金を巡る噂あり。この御時世に、まだアレにこだわってゐるのがいたのか!──真偽はさておき、驚き入って候。もし本當に三千億圓も負担するなら、その分は休業強制させてゐる職種の補償に充てたら、と強く思ふ。為政者がこの体たらくでは、「一層の自粛」など、ますます誰も聞くわけがない。支那疫病の長期慢性化は、これで決まったやうなもの . . . 本文を読む
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人間に笑ふ。

2020-04-20 18:51:00 | 浮世見聞記
悲壮感を演出して不安ばかりを煽り、顰めっ面で嘆息してみせる報道屋の横で、街へ出勤せざるを得ない人々に「まだやってるんですねぇ……」などと呆れた聲を発する“評論家”なる老風見鶏──賞味期限の短いキワモノどもがその無能ぶりを曝け出して憚らぬ愚物番組──挙げ句に身内から支那疫病感染者を出す──“娯楽の王様 ”がそんなお粗末ぶりでは、なるほどみんな外へも出たくなるわな、と苦笑ばかりなその情報媒体のひとつで . . . 本文を読む
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大入叶!

2020-04-19 18:43:00 | 浮世見聞記
澄んだ空の向ふに映える白富士。町内に例年通り訪れる年中行事。浮世の景色は変はらねど、変わったはニンゲンの生活。忌ま忌ましきは支那疫病かな。なれば気分も変へやうと、再び隣町の古刹へ出かける。鐘楼を包む竹林のもとに腰をおろし、風に躍る笹に耳を澄ますうち、ここでひとつ手猿樂の稽古をしやうと、俄かに思ひ立つ。鞄にいつも入れてゐる夏扇を手にとり、「能樂師は、扇さへあればいつでもどこでも舞える」──金春流前宗 . . . 本文を読む
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引退豊ノ島の妻「娘が引くくらい泣いた」/一問一答

2020-04-18 23:49:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/nikkansports/sports/f-bt-tp1-200418-202004180000302?fm=d豊ノ島の引退を聞ゐた時は「やはり……」と思ひましたが、年寄「井筒」と云ふ良ゐ名を襲名したとのことで、お疲れ様と言ふより、「おめでとう御座ひます」と申し上げます。写真を拝見いたしますと、すっ . . . 本文を読む
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日はなにかを照らし出す。

2020-04-18 19:45:00 | 浮世見聞記
絶望的な荒天が、昼過ぎから一変して晴れとなる。ほな心の換気をしまひょか、と夕方から散歩に出る。同じことを考へて出て来たらしい人がチラホラ。青年は殆どがジョギングなのを、「ワシには出来ん技じゃ……」と、面白く眺める。住宅地を通ると夕餉の支度の香り。表通りにある回転寿司店のなかは、そこそこの賑はひ。……私は、何かにひどく瞞されてゐるやうな気がしてきた。 . . . 本文を読む
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