迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ささやき。

2011-10-16 00:22:16 | 浮世見聞記
坂を上った先の風景に、私は戸惑った。

私は、未来に生きているのか?

それとも、現在に?

いづれにせよ、過去に生きていないことだけは、確かだ。


答えなど、ありはしない?

“あるものか。

あれはね、

その時に、

自身で

つくるものさ”


アイツは私の耳もとにやって来て、そう囁く。

そして、

嘲笑ひながら、

何も見えない前へと、

走って行く。



私は微笑んで、

確かに何も見えない前を見て、

また、

歩き出す。



私は、とっくにわかっている。

決して見つからないアイツを、

追いかけ、

さまよっている、

ただそれだけなのだ。



それが、

答えだ。
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1 コメント

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深いです (紫陽花)
2011-10-18 20:50:59
過去に生きていないことだけは、確かなのに
なぜ人は過去を恋慕うのでせう・・・
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