迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

かがみにはうつらない。

2012-01-18 23:38:30 | 浮世見聞記
人の稽古を見ていると

自分の姿が

見えてくる。




見聞は、

自ら広めるべきもの。


機会は、

自分でつくるもの。


この足は、

そのためにある。


何もしなければ、

何も無い。




見て、

聞いて、

自らの手で触れて。


話しは、

それから。













ラジオのニュースで、伊勢神宮の斎宮跡とされる場所から“いろはうた”の書かれた土器が出土した、と伝えていた。

おそらく、斎宮に仕える女官が文字の稽古のために書いたものであろう、とのこと。

気になったのはニュースの内容よりも、DJが「女官」を“じょかん”と読み上げたこと。

私は、“にょかん”と教わっている。

“じょかん”?

そう読むことも出来ようが、しかし聞いたこともない。

職業柄、こういう事はとても気になるので、辞書をひいてみた。

「女官」

たしかに、“じょかん”でも載っていた。

しかし。

『ただしくは、にょかん』

DJは敢えてそう読んだのか、或いは知らずにか。

いづれにせよ、正しくない読みであったことに違いはない。



我々の先祖が受け継いできた日本語を受け継いでいないことは、自分の国の伝統的文化に理解が無いことくらい、恥ずかしいことだ。



ひと頃問題になった“ら抜き言葉”の話題になった時、或る若い女形役者が、

「聞く側に言っていることが伝われば、そんなものどうだっていいんじゃない?」

と言い放って話題を締めたのを聞いて、伝統文化に携わる資格なし、と内心大いに憤慨した事を、思い出す。
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1 コメント

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市川猿之助 (ししまる)
2012-01-20 22:28:38
もう20年以上経つだろうか。
地方ラジオ局の女性アナウンサーが
「市川猿之助」という名前を
「いちかわ さるのすけ」と読んだ。

お咎めはなかったのか、
世間の人も分からなかったのか、
未だにアナウンサーをしている。

可笑しいよね。
ビートルズ(古い?)や
プレスリーは知っているのに
日本の歌舞伎役者の名前を読めないで、
公共の電波にのる仕事をしてるんだから。
笑っちゃうよ!

日本人が
一番日本語を知らないのかも。



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