東京タワーのレッドイベントスペースで開催されてゐる「不屈の政治家 安倍晋三写真展」へ、やうやく出かける時間を得る。産經新聞社のカメラマンが撮り續けた、故人安倍晋三元首相の報道冩真より150點を厳選した追想冩真展で、さういふものを選んだにせよ、引き締まった顔、にこやかな顔のすべてが「嘘」の無い表情に満ちてゐて、一國の代表であり續ける“器”とはかういふものかと、その一枚一枚に魅入る。(※ . . . 本文を読む
六年前の夏に會ったきりだったまだまだ若い親類が、その翌年に亡くなってゐたことを、それから五年が經った現在(いま)、初めて知る。このやうな事柄は、不特定多數が覧(み)るのであらうブログに書くべきことではないのかもしれない。しかし、いつでも手軽に記録を見返すことが出来るこの文明の利器に、今日11月30日が命日であることを、私自身のために明記しておく。氣持ちがまだ落ち着かぬうちに記してゐるので、文章はお . . . 本文を読む
今秋も開催された神奈川縣主催のオンライン文化祭「バーチャル開放区」が、今回は應募締め切りを今月三十日まで延長するとのお知らせを頂いたので、ならばまう一作と「那須与一」を應募し、公開さるる。https://www.youtube.com/channel/UCIYeEffvoK7iXq_IcQ02x2Q平家方の掲げた皆紅の扇を、源氏方の那須與一宗高が見事に射落とし、その手柄を源平双方で褒 . . . 本文を読む
八十歳を過ぎてなほも現役で學究を續けてゐる人生の大先輩いはく、「その事柄でどんなに辛いことがあっても、辞めてはいけないよ。なぜならば、いまの踏ん張りがあなたの未来への財産となるからです」──さうだな、と思ふ。辞めたら、負け。なんと言ひ訳しやうが、そのヒトの負け。道そのものは、真っ直ぐしかない。曲がるのは、道ではなく、その人の根性(こころ)。薺(なずな)は誰に踏まれても平氣で、今日もその場所で生きて . . . 本文を読む
ラジオ放送で、金剛流の「采女」を聴く。采女(うねめ)とは今は昔、ミカドの身辺世話係の女官として朝廷に差し出された地方豪族の娘たちのことで、ほかにも宮中の宴席では場の雰囲氣を壊さないやう、何かと目端を利かせる役目も負ってゐた云々。この曲では、ミカドの寵愛が他へ移ったことを苦に猿澤池へ身を投げた一人の采女の靈が、南都を訪れた旅僧に救ひを求める悲話として扱はれる。カノジョの哀れな最期を知ったミカドが現場 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyoto_np/region/kyoto_np-20221126172717?fm=d東夷(あずまえびす)の二十歳非正規雇用者、今年の9月2日の午前1:00頃、終電後の阪急京都線「長岡天神驛」構内へ、十九歳男と共謀して改札口から侵入、試運転の列車を“盗撮”云々──前にも云ったことだが . . . 本文を読む
朝陽に映える菊を見て、今日一日の無事を確信し、支那に生まれて米國で育ち、日本では栽培されてゐないと云ふ異邦ムラサキシキブ、“カリカルパ・ボディニエリ”に初めて逢ひ、センリョウの實に新たな年の訪れも近いことを思ふ。花と云ふ純粋にその綺麗さを愛でる生き物がなかったら、この星は相當に乾いた物体であったはずだ。 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/asahi/nation/ASQCR5Q3FQCPUTIL01K?fm=d忘年忘月忘日、忘高級住宅街を通ってゐる時、「なぜ同じニンゲンなのに、こんな豪邸に住めるヒトがゐるのでせうか?」私は同行の先輩に、さう訊ねた。「……ワルイことしてるからだよ」先輩は事も無げに、さう答へた。その意味を . . . 本文を読む
今日だけ雨と云ふイヤミな一日、午前中にサクッと手猿樂師の活動をして、昼からは樂しみにしてゐた「ひるのいこい」の放送七十年記念番組を聴く。昭和二十七年、第一次産業に従事する人々の情報交換を目的に放送が開始され、現在では全國津々浦々の人々からの季節のお便りと、なかなか個性的な樂曲とを織り込んだ“いこい”のラジオ番組として、私を含めた多くの愛聴者を誇る。このたび公開された半世紀近く昔の録音を聴くと、農業 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-221122X820?fm=d感染者に服用させたところ、オミクロン株に特有の咳や發熱などの症状が従来より二十四時間短縮され、七日ほどで改善の兆候が見られた云々、しかし妊婦には不適当云々。間違ひなく人工と思しきかの病菌に打ち勝つための研究が、“藥”云ふ形でやうやくまた . . . 本文を読む
朝露をおいた菊。道端の菊と逢ふことが、私の今の流行り。この花には、そんな氣持ちにさせる靈藥の効が備はってゐるのだらう。昔の人がその植物を藥かどうかをいかにして見分けたか──その原點を、なんとなく見た氣がする。 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/maidonanews/business/maidonanews-14771755?fm=d確かに、現在(いま)の文庫本は「お高いナ……」と思ふ。簡易な製本でそのぶん廉価、と云ふのが文庫本の長所のハズで、私が學生の頃は新刊物でも千円札一枚で三冊は買へたのが、いまや一冊すらアヤシイ。時代は変はったとつ . . . 本文を読む
ラジオ放送で、觀世流「恋重荷」を聴く。示した荷物を持ち上げてみせたら一目惚れしたと云ふ女御(貴人女性)をまう一度見せてやらう、との言葉を真に受けて、實は巌を包んだそれを持ち上げやうとして叶はず憤死する、庭師老人の悲戀譚。その後老人は亡霊となって女御の前に現れ、散々になじった挙げ句に彼女の守護神になると誓ふ──この結末が私にはどうも好きになれない曲だが、これを戀したゆゑの尻腰の無さと捉 . . . 本文を読む
金春流前宗家がシテをつとめる能「箙」を、第64回鎌倉薪能の無料動画配信で樂しむ。https://www.youtube.com/@user-ov1do4hz3f収録當日は雨模様で、前シテのときに本降りな音が入ってゐるが、余人の追随を許さぬ確固たる藝で魅せ、今秋には旭日双光章を受章した名手の前にはそれも囃子のひとつとなりぬ。最近は舞臺公演を動画配信で觀る機會が増え、また私自身も動画配信を利用する機會 . . . 本文を読む
天氣も良いことであり、今日は目的を持たずに外へ出て、とりあへず淺草寺あたりへ行ってみる。淺草寺あたりで外國人觀光客たちがマスクもしないでウロウロしてゐた、と忘日に忘人が云ってゐたが、私が訪れた時はさういふヒトはごく僅か、ほとんどが“郷に入ったら云々”で、めいめいに觀光を樂しんでゐるやうに見えた。現實は他人(ヒト)の咄ではなく、自分の耳目で接した光景のなかにあり。疫病のお客サマになるもならぬも、結局 . . . 本文を読む