矢来能楽堂で、金春流の「春日竜神」を観る。
入唐渡天を志す明恵上人に、やたら海外移籍をしたがるイマドキの若僧アスリートとを重ね合わせたら、とたんにリアリティーのある面白い曲に見えてきた。
ただ両者の決定的な違いは、明恵上人は万物から敬われるほど徳の高い人物であるのに対し、若僧アスリートの場合は、名前も実力も実績も、なにも無いこと。 . . . 本文を読む
ろう者俳優たちによる「手話狂言」を、今年も国立能楽堂へ観に行く。
今年はプロの若手狂言師が代役として舞台に立ち、ろう者俳優たちと手話で渡り合った。
伝統芸能家の新しい可能性に、奮い立つものを感じた素晴らしいひととき。
皇室方の臨席もあり、我が進む道はこれにあり、と改めて実感。 . . . 本文を読む
国立能楽堂で、金春流の「猩々」を観る。
“乱”の小書がつかない通常の型を観るのは、今回が初めて。
そして初めて、「中ノ舞」といかなるものかを教えられる。
今日のこの曲を観ずに中途退場した観客は、中ノ舞とは何かを生涯知らずに過ごすことになるだろう。
膝の上で謡本をひろげて、ただ字面を追って理解した気になっている者など、もうお話しにもならない。 . . . 本文を読む