迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

不帰令和四年。

2022-12-31 19:43:00 | 浮世見聞記
令和四年最後の朝、窓を開けると向こふに鳥が木の實を啄む姿が映る。鳥たちに年を越すといった感覺はないだらうが、四季を越すといった感覺は、あの木の實を目印に体得してゐることだらう。令和四年最後の散歩で、令和四年最後の夕日を眺めながら、今年は何を得られたのか、結局よくわからないまま新しい年になるのだな、思ふ。手猿樂師としては、春にやうやく活動の再開が叶ひ、秋にも大いに發表の機會を得られて、それはそれで有 . . . 本文を読む
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五年をめざして。

2022-12-30 10:34:00 | 鐵路
昭和2年(1927年)12月30日、東洋初の“地下鐵道”が日本の上野~淺草間に開業して、今日で九十五年となる。創業者の早川德次は大學卒業後、後藤新平と出會ったことをきっかけに鐵道で身を立てることを決意、新橋驛では自ら改札業務に携はるなど、大學出としては異例の現場での下積みを通して最前線の空氣を肌で知り、やがて海外視察で訪れた英國ロンドンでこれからの東京の交通は地下鐵道し . . . 本文を読む
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手土産往来。

2022-12-29 18:23:00 | 浮世見聞記
新幹線の驛を覗いてみると、なるほど帰省客で大賑はひだった。本日分の指定席は全車賣切云々、狙ふは自由席券。土産物屋街では日頃お得意の行列を作り、その外れではトウキョウ銘菓をいくつも荷物のなかへ押し込んでゐる人がゐた。時間とカネと勞力を消耗することは、普段の行樂と大差ない。「行動制限のない」年末帰省、しかしそれは、「感染危機のない」のとは違ふ。驛におけるヒトの流れ──“人流”なんてコトバなど今は大昔& . . . 本文を読む
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笑門来法。

2022-12-28 18:30:00 | 浮世見聞記
買ひ物へ行く途中に立ち寄った古社では、新しい年を迎へる準備がすでに整ってゐた。もふいくつ寝ると──そんな期待だけは忘れたくないものだ。忙しいのは、おのれの繁榮もしくは不器用のどちらかだ。    笑顔でゐると、“陽”の情報が脳へ傅達されて精神も安定云々。明るい表情でゐることは、ちゃんと理に叶ってゐるわけである。そして不調な時にやってはならないのが、「ヤケ酒」「ふて寝」「物に當たり散らす . . . 本文を読む
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緩冬騒走。

2022-12-27 20:55:00 | 浮世見聞記
今年の師走は何かと走らなくてよくなった、となると、途端に近所の道を歩くのもゆっくりになる。いろいろな種類がある道々の赤い實も、この時期には眩しく映る。町は靜かなやうでゐて、何となく氣忙しい。みんな、いまになって焦ってゐるな……。たぶん、来年の自分の姿。すでに冬休みらしい小児どもが、やけにウロウロしてゐる。町がなんとなくウルサイのは、これか──ふだんそこに無いはずのものが有ることで、そこはもふ自分の . . . 本文を読む
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はしらぬ師走。

2022-12-26 23:37:00 | 浮世見聞記
朝のうちに予定が大幅に変はり、のんびりとした年越しになりさうだと思ったとたん、眠氣に襲はれる。ふと目を覺ますと夕方、今日と云ふ戻らぬ時間の使ひ方を間違へたと思ったが、もふ後の祭り。……まぁよい。また寝てやる。 . . . 本文を読む
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創造する想像。

2022-12-25 20:53:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送で、觀世流銕仙會の「鵺」を聴く。「平家物語」から取材した世阿彌の自信作で、夜な夜な近衞天皇を苦しめて驕った氣でゐたモノノケ──鵺に下った天罰と、その鵺を仕留めて文武両道の譽に浴した源頼政の、勝者と敗者の明暗の妙を、觀世銕之丞一派ならではの重厚かつ迫力ある謠で樂しむ。私は以前にこの能を水道橋の能樂堂で觀たとき、鵺は本當はミカドに直接訴へたいことがあって御所でその機會を窺ってゐたが、モノノケ . . . 本文を読む
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安倍氏銃撃の山上徹也容疑者、殺人罪で起訴へ…精神鑑定で刑事責任能力ありと判断

2022-12-24 09:42:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20221223-567-OYT1T50472?fm=d(・殺人犯 ・安倍元首相)この男だけは、極刑に処して然るべし。手製の銃を何度も試射し、安倍元首相の遊説先を付け狙ふなど、はっきりとした殺意を持ってゐた . . . 本文を読む
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JR東が巡回駅員の胸元にカメラ装着、導入する駅は「安全上の理由」で非公表

2022-12-23 20:51:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/yomiuri/business/20221223-567-OYT1T50082?fm=d驛務員や乗務員を理不尽な受傷から護るためにも、かうした装置の導入は必要と賛成しつつ、電車ひとつ満足に、普通に利用することも出来ない迷惑分子がそれだけ増へてゐる現實に、技術の進化はニンゲンの退化の代償なのかとも思 . . . 本文を読む
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そろそろ納め初め。

2022-12-22 21:55:00 | 浮世見聞記
週間予報が外れて今日は朝からしっかりとした雨、昼頃までしぶとく降り續けてやうやく力尽きる。これで令和四年の降り納めとしていただきたいものだ。今週末あたりからは再び大寒波が襲来云々、雪國では再び交通麻痺が予想され、偽政者代表は降雪地域への「不要不急」な外出は控えるやう要請云々。夏と冬、わが國は度を過ぎた氣象に見舞はれるのが通例となってしまった感あり。ほどほどのところで推移するからこそ、四季は美しいの . . . 本文を読む
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政府、受診料6円値上げへ従来保険証だけ、来春から

2022-12-21 08:50:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyodo_nor/politics/kyodo_nor-2022122001001462?fm=d便乗値上げの惡風は、つひに醫療にも及ぶと云ふことか。“特例として”来年四月から十二月までの期間限定で、六圓の値下げならぬ値上げを強行、但しマイナンバーカードについてはお構ひなし──ポイントとやらの付加 . . . 本文を読む
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冷氣朗色。

2022-12-20 23:30:00 | 浮世見聞記
人を待つ間に、街路樹のモミジバフウ(紅葉葉風)を見上げる。陽をうけて紅く、黄色く、暖かな色を放ち、空氣の冷たさをしばし忘れさせる。やがて陽が翳りはじめ、冷たさばかりがそこに殘らうとする頃、やうやく相手が現れた。さっさと帰らう。今日は師匠の誕生日にあたる。なにかお祝ひになるもの見つけて、はや帰らん。 . . . 本文を読む
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心鏡破煩!

2022-12-19 18:43:00 | 浮世見聞記
長らくの懸案が思ひがけず、しかしやうやく一つの決着を見て、そのことを地元の古刹へ傅へに行く。佛の庭は煩悩を置いて来る場所と聞く。まだまだ予斷は許されぬが、結局は我が心をどれだけ鏡の如く磨けるか、である。一點の曇りもなければ、なァに恐れることはありゃしねェ。私にはここに、拠り所があることを知ってゐるのだ。まだまだ若かった親類の冩真を飾る冩真立ての、やうやく氣に入ったものが手に入る。冩真を入れたら、冩 . . . 本文を読む
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薄氷騰々。

2022-12-19 11:20:00 | 浮世見聞記
昨晩は外の底冷えが、閉め切ってゐるはずの部屋にもそのまま持ち込まれ、暖房の風がよく當る場所へと我が身を捩らせる。今朝には道の一部が凍結してゐて、前を行く出勤を急いでゐる人がよろけてゐるのを見る。 他人(ひと)の姿は我が身の教訓、私の生活に急ぎはなし、凍結箇所は上から踏むやうにして──大昔に新潟在の遠縁からさう教はった記憶あり──、ゆっくり進む。私が“急ぐ”としたら、電車での移動くらゐだらうか。どう . . . 本文を読む
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「今年の人」に安倍晋三元首相漢字は「乱」毎日新聞世論調査

2022-12-18 21:42:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20221218k0000m040167000c?fm=d聞き取り對象が602人とはチト少ない氣はするが、安倍晋三元首相が一位に選ばれたことは大いに賛成である。まるでバカの一つ覺えな諸物価高騰が留まるところを知らぬ現今、それ以前に食料品の消費税は8& . . . 本文を読む
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