迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

鐵道企画展の旅。

2022-10-31 19:18:00 | 鐵路
令和四年(2022年)十月は日本國に鐵道が開業して150年と云ふ節目にあたり、それに因んで東京圏の博物館や資料館などでは鐵道の特別展が企画されたので、起點の新橋より終點の橫濱に沿って、一見せばやと存じ候。旧新橋停車場 鐵道歴史展示室の企画展「新橋停車場、開業!」では、開業から七年後の明治十二年(1879年)に日本人初の機関士三名が、その十四年後の明治二十六年(1893年)には初の國産 . . . 本文を読む
コメント

カボチャノタタリ?

2022-10-31 10:58:00 | 浮世見聞記
夏に伸びきって視界を遮ってゐた堤の草もやうやく全て刈り取られ、青々とした残り香が冷たい空氣にいよいよ冴えて、今年を締めくくる冬がまうそこまで来てゐることを感じさせる、十月の晦日。十月の晦日と云へば、今では“ハロウィン”がすっかり定着し、假装した真正のバケモノどもがわざわざ街に集まって真正の亂痴氣騒ぎを見せつける。その度が過ぎた事例が、このたび朝鮮國の繁華街で發生した集團ドミノ倒し事件 . . . 本文を読む
コメント

“鷺流”狂言茂山家。

2022-10-30 09:30:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送で、大藏流茂山家の狂言「宗論」を聞く。浄土僧と法華僧が道連れとなり、挙げ句に宿屋で互ひにおのれの教義を主張し合ひ、念佛を叫(わめ)き合ひ、やがて氣がつけば和合してゐる──主張の違ひなど人間の勝手な解釈で、衣をつけてゐればしょせん同じ穴のムジナと皮肉った狂言だが、今回の放送はただギャーギャーうるさいばかりで、朝から癇に障るその調子にラジオの音量を下げる。誰にでも喜ばれる狂言であれ──“お豆 . . . 本文を読む
コメント

清秋清湖。

2022-10-29 20:18:00 | 浮世見聞記
甲州の山中湖へ行く。  「全國旅行支援」とやらで人出もあるかと思ったが、意外に閑散としてゐて、人ゴミ嫌ひにはまず安堵。  紅葉はまだごく一部、見頃は来週頃かもしれない。やうやく訪れた令和四年の秋の一日、せっかくの晴天を有効活用できて、氣分もやうやく澄みやかなりけるひとときを過ごす。 . . . 本文を読む
コメント

輪廻改正。

2022-10-28 21:45:00 | 鐵路
来る11月26日、京濱急行がダイヤ改正云々、23年前のダイヤ改正以降、朝夕のみの運転となってゐた“特急”を、日中にも運転云々。これは往年の復活と云ふより、現在は10分おき、毎時6本運転されている快特のうち3本を特急に格下げし、快特と特急が交互に停車驛へやって来る運行形態に改めると云ふもので、快特の名稱で . . . 本文を読む
コメント

新幹線に「最繁忙期」料金=指定席特急券、来年4月導入―JR東海など

2022-10-27 10:01:00 | 鐵路
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-221026X908?fm=dすなはち来年末の場合、12月27日──通常料金同  28日──繁忙期+¥200同 29日──最繁忙期+¥400同 30日── 同同 31日──繁忙期A . . . 本文を読む
コメント

西への時間旅行。

2022-10-26 23:06:00 | 浮世見聞記
神奈川縣橫濱市鶴見區の鶴見大學図書館にて、「出島と唐人屋敷─その景観と貿易─」展を觀る。キリスト教の流入を防ぐために鎖國した江戸時代、唐國と蘭國との唯一の貿易玄関口だった長崎は、寛永十三年(1636年)にもともとポルトガル人を収容するために築いた「出島」へ、寛永十八年(1641年)に平戸から蘭國商館が移転し、(※幕末に撮影された出島)元禄二年(1689年)には唐人が居留するための「唐 . . . 本文を読む
コメント

人柄のことだま。

2022-10-25 22:12:00 | 浮世見聞記
今日の私の最大の関心事は、國會における野田佳彦元首相の、安倍晋三元首相追悼演説にあり。あの何も決められなかった惡夢の旧民主党政權時代、唯一と云って良い“良識派”と思へた人らしい、真摯で、心にしみる追悼演説であったと思ふ。祖父が昭和の宰相だったと云ふだけの旧民主党初代首相、及び厚生相時代にちょこっとカオとナマエを賣っただけで、東日本大震災では見事に無能ぶりを曝け出した二代目首相、また自 . . . 本文を読む
コメント

和合奮舞!

2022-10-24 19:26:00 | 現代手猿樂
今年も神奈川縣主催のオンライン文化祭「バーチャル開放区」に参加、應募した現代手猿樂「駿河天人」の動画が、本日より公開される。https://www.youtube.com/channel/UCIYeEffvoK7iXq_IcQ02x2Q今回のお題は「ともに生きる」と云ふことで、天人と漁師、異世界に住む両者が羽衣を介して互ひの氣持ちを理解し通じ合ふひとときを描いた能「羽衣」より取材した . . . 本文を読む
コメント

純愛の秋風。

2022-10-23 10:14:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送で、觀世流「井筒」を聴く。死後もなほ在原業平を想ひ續ける女の究極の愛が、旧在原寺跡を舞臺にしっとりと展開される、世阿彌晩年の名作。 女が業平形見の冠直衣を身に付けてまで昔を想ひ、待ち續けるのは、生前に結局は業平を最後まで待つことが出来ず、折から言ひ寄ってきた他の男に身(からだ)を許してしまった後悔からとも考へることが、後シテが謠ふ「真弓槻弓(まゆみつきゆみ)年を經て……」に窺へる。心では . . . 本文を読む
コメント

貧民大移動……?

2022-10-22 20:37:00 | 浮世見聞記
今日あたりなど“街”は安賣旅行者たちでゴチャゴチャしてゐるだらうとお出かけは控え、一日を我が城で過ごし、讀書と考へ事とお浚ひと、それから散歩で過ごす。人災疫病禍元年には盛んに提唱されてゐた“不要不急”だの“おうち時間(ステイホーム)”だのは、意味合ひを多少変へて今でも結構使へるナ、と思ふ。物見櫓から浮世を眺めてゐると、いま流行りの“安賣旅行支援”、宿代がいきなりハネ上がってゐて、「 . . . 本文を読む
コメント

秋の二日目。

2022-10-21 22:55:00 | 浮世見聞記
都内の高臺から昼下がりの空を見上げて、今日も穏やかな時間のなかに生きてゐることを感謝する。自販機で缶コーヒーでも買わうとカバンを開けて、財布を忘れて来たことに氣が付き、しかしそのあと日が暮れて帰城するまで、財布の無いことがなんら支障にならず、けっきょくおカネなんてものは、持ってゐるから使ひたくなるだけのものなのだと思ふ。浮世では便乗値上げが大流行だが、私は對策としてただ出費を切り詰めるのではなく、 . . . 本文を読む
コメント

令和四年秋初日。

2022-10-20 22:20:00 | 浮世見聞記
實に今月四日以来と云ふ、朝からすっきりとした晴天の一日。日照時間も十時間以上云々、昼間は氣温が上がったが、カラリとしてゐたのでイヤな汗をかくこともなく、やっと秋らしくなったと嬉しくなる。柿もだいぶ色付いてきたやうであり、この季節の冷たい空氣を吸ふと頭も冴え冴えとして、さぁ何を始めやうかナ、と云ふ氣持ちにもなる。……が、人災疫病禍は終熄したわけではない。“招かざる客”な夷人觀光客ども . . . 本文を読む
コメント

ザ・ドリフターズ仲本工事さん死去、81歳急性硬膜下血腫交通事故で入院、回復せず

2022-10-20 05:40:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/nikkangeinou/entertainment/f-et-tp0-221019-202210190000025?fm=d19日22時22分、交通事故による急性硬膜下血腫のため、橫濱市内の病院で逝去云々、享年81。搬送後も意識が戻らなかった云々、その結果の悲報に、「やはり……」が私の正直な氣持ち . . . 本文を読む
コメント

そして明日の一里塚。

2022-10-19 21:35:00 | 現代手猿樂
今日はレンタルスタジオで、手猿樂師としての活動。いざやってみてから氣が付いたり、考へたり、自分で創ったものでありながら、確かな“意思”をもって私に迫ってくる、私の作品。  その日に向けて、その日のために準備を重ねて、それを當日に無事やりおほせると、安堵と共に寂しさを感じたりする。しかしそれが、次(あす)への第一歩となることを、私は知ってゐる。さう繰り返して、私はここまで歩んで来たのだ。そしてこれか . . . 本文を読む
コメント