神奈川県川崎市多摩区の明治大学平和教育登戸研究所資料館──旧登戸研究所“九研”にて、「少女が残した登戸研究所の記録」展を観る。第二次大戦中に“秘密戦”の研究が行はれてゐた登戸研究所は、敗戦後に全ての資料を焼却、または破壊して痕跡を絶ったが、昭和十六年から十九年にかけて登戸研究所の第二科でタイピストとして勤務してゐた十代の少女が、「雑書綴」としてその書類の一部を生涯密かに、そして大切に保管してゐた─ . . . 本文を読む
日が暮れてから、買ひ物に出かける。特賣でもないのに、即席麺が完賣に近い状態になってゐる。さうしたものはもとより食さぬ性質(たち)ゆゑ、なんら影響はないものの、不穏を胸に、まう一軒を試しに覗ひてみる。ここでは、九州におけるチリ紙騒動が、見事に傳播してゐた。私は身震ひしさうになった。何者かが奇怪な情報をばら撒き、大勢がたちまちそれに“感染”して、この有様。支那肺病に勝る猛威ならん!目に見 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20200226-567-OYT1T50210?fm=d支那肺病による影響は、確実に私の身辺にも及んでいます。来月に現代手猿樂をもって参加する予定だった催しが、實行委員會から中止に決まったと連絡が入りました。やはり来たか……、とは思ひましたが、ガッカリなどはしており . . . 本文を読む
驛の窓口で、特急券を買ふ。係員は、若い男性だった。発行した特急券を差し出すその手の爪は、不自然な艶を放ってゐた。気持ち悪い──と思った。その土地の歴史文化を守った若い男性の議員が、驛前で活動をしてゐた。目が合ふと、彼は手を差し出した。交はしたその手は、はっきりと堅かった。男の手だ──私は頼もしく思った。 . . . 本文を読む
浮世はどふしても支那肺病の話題尽し。連日「〇〇で〇人、陽性反応」──そんなネタばかりで、いささか食傷気味になってきた。心身を消耗させないことが、いちばんの予防だ。そんな浮世の騒動とは全く無縁に、河津桜は今日も満開。私もあのやうでなくてはと、いささか反省す。 . . . 本文を読む
私にはまったく関係のない三連休の初日、春一番の吹くなか所用あって新宿驛を通る。JR券賣機前の小田急デパート入口付近。小田急線改札口からJR線改札口へのコンコース。昼食時間帯の、小田急デパートのレストラン街。いづれも人出は少ない。──いつも同じことを話すやうだが、今日の事實の一片を、後日のためここに記録しておくものである。茶番大運動會の関連イベントの挨拶で、元首相が「私はマスクをしない」と発言したと . . . 本文を読む
白々しい“應援(?)”文句。實際に働く現場の最前線に立ったことのない人種が、パソコンのキーを叩ひていかにもそれらしく作ったやうな、そんなウソ臭さを感じる、わたしは。「ひたむきに働い」てゐる人は、むしろ今夏を迷惑に思ってゐるよ。都市機能が通常通りに機能しないだらうと、いまからお國が宣ってゐるのだから。奇病騒動を理由とする東京マラソンの一般参加枠の消滅、それに絡んだ参加費云々──これそ、 . . . 本文を読む
かつて一軒の二階屋が建ってゐた土地に、二軒の住宅を組み立ててゐる。ほぼ完成したペッタンコな片方を眺めて、「これぞ現代の新築事情だな……」と感じ入る。これでは『邸(いえ)に住む』と云ふより、『隙間に住む』と云ったはうが當ってゐる……。 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyodo_nor/world/kyodo_nor-2020021801001697?fm=dあーぁ始まった始まった、だわ。まったく往年の“米騒動”状態。人間って進歩しないのねぇ。ウィルスのはうが、よっぽど毎年進化してゐるわよ。防護服を着てゐたって感染するんだから、マスクなんてもはや気休めにもならな . . . 本文を読む
東京都港区の芝公園に建つ、「こども平和塔」。昭和二十九年八月十五日、當時の全國小中學校児童生徒の有志が、永遠の平和を願ひ建てた、と案内にある。塔の足許は、舞台のやうになってゐる。かういふのを見ると、私などはたまらない。ちょっと立って、聲を出してみたくなる。……いや、實際にやったが。 . . . 本文を読む
用事を済ませた帰り道、日が翳らぬうちと梅林へ急ぐ。思った通り、いまが見頃を迎へける。さりながら、昼頃から吹き出した強ひ風に、せっかくの花がはらはらと舞ひ給ふ。今日あたりがちょうど盛りやもしれぬ。あゝ、『花に嵐』なり。目先のことばかりに囚はれてゐると、必ず見過ごすのが花の四季。花は四季の一里塚。花にふと足を留め、いまを知るくらゐの気持ちが心になければ、ただ速ひだけの一年で、人生そのものを送ってしまふ . . . 本文を読む
命に関はる“事件”ゆゑ、つひ支那肺病ネタばかりになってしまふが、それでは色気もなかりせば、ここでは雨模様のなかで見かけた日本の四季を、載せておかん。かつて、近所の古い平屋のお庭に、なかなか見事な枝垂れ白梅があったが、建て替への際に伐採され、今は昔となりにける。時を経て汚く朽ちるものばかりを造るために、時を経て神さびるものを棄てる現代人。しかし、その失はれるものを記録しておく文明を造ったのも、現代人 . . . 本文を読む