dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sponichi/entertainment/sponichi-spngoo-20220930-0234?fm=d八月に復帰したばかりなだけに、この訃報には驚きました。今月三十日、死因は肺癌とのことですが、あの時すでに危なかったのではありますまいか。「笑点」の解答者ではない、落語家(はなしか)として . . . 本文を読む
いつもの道にセイタカアワダチソウや、ムラサキシキブが色づき始めて、未練がましい昼間の殘暑もさう長くはないと信じる。今月分の電氣料金はほぼ例年通りでホッとしつつ、先月のあの狂ったやうな高額には思ひ返しても身震ひす。しかし、今冬はまだまだ油斷できない不穏な知らせが、既に浮世には漂ってゐる。地方の電力會社はすでに料金の値上げを官に申請しており、明日からの十月には食品系で再び便乗値上げの波が . . . 本文を読む
東京都目黒區中目黒から恵比寿方面へと抜ける急坂を、「別所坂」となむ云ひける。老若男女あへぎあへぎ登って、〆は階段。やはり難所はかうでなくてはならぬ。その向かひ側には庚申塔群が、息つく通行人たちを静かに見守り續ける。かつて坂の上からは富士山が望めたさうだが、それも現在(いま)では昔語り。日々の見通しが立たないとすれば、それは自分でさうしてゐるにすぎないと、坂上に立って、振り返って、思ふ。 . . . 本文を読む
昨秋に亡くなった十代目柳家小三治が得意にしてゐたと云ふ、「小言念佛」の収録されたCDが手に入る。「小言念佛」は、かつて故人四代目三遊亭小圓朝師が三鷹で定期的に行なってゐた独演會で初めて聴いて好きになった噺で、その後三代目三遊亭金馬や上方の三代目桂文我──上方では「所帯念佛」──の口演を古い録音で耳にしてゐるが、やはり初めて聴いた小圓朝師の口演のはうが好きだ。ところが、このたび手に入れた小三治の録音 . . . 本文を読む
故人安倍晋三元首相へ、十萬圓の給付金と食料品の消費税率を8%に据ゑ置いてくれたことへの御礼を、東京都千代田區九段の日本武道館──国葬會場付近にて念じ、合掌する。献花もするべきなのだらうが、昼の時點で行列が四谷にまで至るなど、どこまで續いてどこまで膨らむのかわからず、私が捧げたかったのは花ではなく、弔意と敬意と謝意だったので、行列に加はることは止めにする。そもそも私に、何事におゐても“ . . . 本文を読む
JR代々木驛の山手線外回りホーム澁谷寄りに、205系が描かれた乗車目標案内を見つける。かつて山手線を205系が走ってゐたことを傳へる、貴重な生き証人。現在では危険意識の無いマヌケによるホーム上での事故が蔓延してゐる影響でホームドアの設置が進み、ホーム對面下などの乗車目標案内もかつての意味を失ひつつあるが、時代から見落とされ、取り残されたかのやうなかうした昔日を發見するのも、また樂しいものだ。國鐵末 . . . 本文を読む
ラジオで寶生流「女郎花」の再放送を聴く。夫の足が遠退いたのを愛の終焉と思ひ込み、思ひ詰めて、自ら命を絶った妻──そしてその後を追った夫──これぞ通ひ婚の悲劇。愛と不審は表裏一体、紙一重。信じたいのに信じられない、愛の試練。それを乗り越えた先にあるのは、おそらくは「諦め」。……他人(ひと)を信じるより自分を信じたはうが手っ取り早い。私はさう信じて生きる。 . . . 本文を読む
飲料各メーカーが自販機でココアを賣り出すと、今年も冬支度が始まったのだなぁと、季節の移ろいにしみじみする。が、どの缶ココアも水っぽくてコクが無くて、一度買ったら再びは食指が動かない。ところが、ふだん新作をあまり發表しないGEORGIAが今回めずらしく新發賣したココア風味の缶コーヒーは、GODIVAとの提携に恥じないコク感のあるお味で、賣価180圓と強氣ながらすでに數回購入す。今はまだ“つめた . . . 本文を読む
花柳流の舞踊「黒塚」を觀たくて、國立劇場公演「舞踊名作集 Ⅰ」に出かける。先月に相模原薪能で寶生流宗家の「黒塚」を觀たので、その歌舞伎舞踊版も觀ておかうと思ひ立ったもの。本當ならば昭和十四年に初演した二代目市川猿之助の舞臺を肌身で知ってゐる孫の三代目猿之助──敢へて“二代目猿翁”とは云はない──で觀たい舞踊劇だが、(※二代目猿之助の前シテ 老女岩手)いまや身体的に無理であり、かと云ってやることが悉 . . . 本文を読む
神奈川縣橫濱市西區の紅葉坂上に、九月一日に新築された縣立図書館を訪ねてみる。同じ紅葉坂上にそれまであった縣立図書館は“収蔵館”に、また設計者である前川國男氏の記念館として整備中云々、新館は廢校後に長らく放置されてゐた専門學校跡地を利用して建てられたものだが、面積が旧館の半分ほどゆゑ手狭感は否めず、やけに小綺麗で小洒落た内装はなにやら氣取った雰囲氣で、それがどうも鼻について好きになれな . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyodo_nor/politics/kyodo_nor-2022092101000503?fm=d世界的大流行(パンデミック)そのものの終熄は、まうあり得ないのではないか、と云ふ氣がする。もっとも、おのれのなかで勝手に“終熄した”ことにしてゐる、もしくはしたがってゐるヒトなら、私のまわりにもゐる。 . . . 本文を読む
臺風十四號は今朝には東北地方を橫斷すれど、東京圏は相変わらず雨が斷續的に降り、強風は昨日からさほどひどくは感じなかったが、隣町の空き地にある「建設予定地」の立看板が、折れてひっくり返ってゐた。しばらくすれば、どうせ小金持ち程度の棲み家となるツマラナイ戸建てか集合住宅が出来る土地だらう。さう思って眺めると、ひっくり返ったそれがひどくマヌケなものに映った。臺風は過ぎても“一過”とはならぬらしい今週の天 . . . 本文を読む
相當に強烈と云ふ臺風十四號が、九州から山陰へと通過してゐる影響で、東京地方も午前中に強雨を斷續的に叩きつけられ、湿度の高さと相俟っていささか辟易す。ところが昼過ぎになると俄かに陽が差し込み、やうやくホッとすれど、臺風被害に遭った地方の情報を見るにつけ、東京とて下水の噴出で街が水浸しになるのだから、しょせんこのクニに逃げ場などない。なんであれ、まずは癪に触るこの天候不順から脱したいものだ。 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/tbs/entertainment/tbs-155442?fm=d今月十五日に心不全で死去云々。生の高座に接したことはなく、TVの寄席中繼でチラッと、のちに録音で二席聞いた印象では、端正なれど面白味に欠ける噺っぷり。それよりむしろ、これでつひに六代目三遊亭圓生の直弟子はすべてゐなくなったのだな、と思 . . . 本文を読む
ラジオ放送で、金剛流の「江口」を聴く。古へに摂津國江口を訪れた西行法師と當地の遊女が和歌をやりとりした足跡を導入部に、苦界のつとめもやがて“諦め”となることでそれが悟りとなり、やがて遊女は普賢菩薩へと昇華する──普賢菩薩は人間に試練を與へることで極樂浄土への道を示す佛さま、と聞いたことがある。 この曲では、遊女のつとめが與へられた“試練”であり、さうした我が身の境遇への“あきらめ”が、すなはち“さ . . . 本文を読む