迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

はまあるき。

2013-03-28 20:27:42 | 浮世見聞記
横浜みなと博物館で、「横浜港観光名所紹介展」を見た。 目を惹いたのは、鎌倉の鶴岡八幡宮を石段下の参道より撮影した、「KAMAKURA 鎌倉」とタイトルの付いた一枚の古写真。 撮影年代は1890年(明治23年)頃で、当時は現在とは違って観光地色の無い、ごく質素なお社であったことが伝わってきた。 そして写っている人影もまばらであることから、当時はもっと静寂感に満ちた、美しい場所だったのだろう。 . . . 本文を読む
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まだたりぬうたいたりぬしまいたりぬ。

2013-03-23 21:15:06 | 浮世見聞記
それがし、「七騎落」と、「絃上」と、「羽衣」を謡い、 再び「安宅」を舞い仕る。 気合いが入り過ぎたか、途中で頭がクラッとなりそうだったけれど、最後までやり遂げてさむろう。 実感は、あとからジワジワと沸いてきて、そしてたまらなく泣けてくる。 或る故人いわく、 “とにかく、何度も稽古をするんだ” また或る人いわく、 “百回の練習より、一回の本番だ” どちらも、真理。 . . . 本文を読む
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ろうおくをさりてたずねんはなのこえ。

2013-03-22 21:02:11 | 浮世見聞記
いづれも美しく思い いづれも綺麗に感じて ほんとうは何を求めたいのか よくわかっていなかった気がする しかし 歩き続けているうちに ようやく焦点が定まってきたよ “はじめまして!” わたしはあなたのことを さがしていたようです . . . 本文を読む
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てつみちがゆく―東急・渋谷“地底”駅

2013-03-18 13:40:52 | 鐵路
狭いホームに低い天井。 こんなエリアだらけで、24時間レベルの大混雑を捌けるのでしょうか? そして地底から地上へは、いくつものクッションエリアを経なければ、到達できません。 さらに、意味不明の傾斜。 高齢者にやさしい配慮ですね! 同じ景色が延々と続いて、どこへ出るのか見当も付かない改札外の連絡通路。 そのために、外注の警備員をあちこちに立たせて、案内係をやらせています。 . . . 本文を読む
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こころいき。

2013-03-17 22:07:41 | 浮世見聞記
国立能楽堂で、「第一回 下掛宝生流 能の会」を観る。 脇方の流派が自主公演を企画するのは稀有なこと。 素謡「経政」、四十年ぶりの上演という秘曲「檀風」、いづれも、第一回を立ち上げた脇方能楽師たちの“おもい”が、熱く伝わってくる。 能を楽しむ視野がさらに広った好企画。 大成功だ。 . . . 本文を読む
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たいへいのゆめをさますなほととぎす。

2013-03-11 21:06:50 | 浮世見聞記
世の幸せは薄氷そのものである― そのことを人間に教えたのは 誰でもない 地球だ。 人間は、 我が身に関わりのないことには、どこまでも同情する。 そんな自分に酔って、 そんな自分に涙を流してみせる。 そしてそんな自分が、なによりも愛おしくてたまらないのだ。 だが忘れるな。 おのれも薄氷なのだということを。 . . . 本文を読む
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ひとはもうしゅうそのものなり。

2013-03-10 19:53:44 | 浮世見聞記
国立能楽堂で、金春流の「阿漕」を観る。 禁漁区での密漁が発覚して沖に沈められた漁師が、亡霊となって旅僧の前に現れて、救いを求める物語。 業の強さは心の弱さと表裏一体なのだということを、八人の地謡方が凄まじいまでの迫力で、観る者たちへ訴えかけてくる。 人間は、この世にいても、あの世にいても、常に救いを求めている。 そのような願いが、すでに我欲なのではないか―その声が謡いから聞こえた時、わ . . . 本文を読む
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はるをささやいて。

2013-03-08 22:14:23 | 浮世見聞記
今年も、河津桜に逢う。 春の予感。 心のときめき。 暖かくなったら、なにをしようかな。 . . . 本文を読む
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あいこうしゃからのあいさつ。

2013-03-07 21:10:16 | 浮世見聞記
東横線9000系も、いよいよ乗り納め。 あなたは間違いなく、東横線ブランドのイメージ向上に、貢献しました。 そして、東横線に乗る楽しみを、常に提供しつづけてくれました。 あなたの引退ほど、つらいものはありません。 しかし、東横線は他社線の侵入によって、ついに100%の東急純度を失おうとしています。 最後の純粋な東横線車両として、その使命を全うできるあなたは、間違いなく幸せ者です。 . . . 本文を読む
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きょうにいなかあり、いなかにきょうなし。

2013-03-05 17:15:22 | 浮世見聞記
今年も、梅の見頃がズレこんだようだ。 しかし、やっと咲いたという楽しみもある。 衆俗卑語に満ちた名所の花より、 ひとり静かに咲く花を、 わたしは愛おしくおもふ。 . . . 本文を読む
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ちさんちしょう。

2013-03-01 20:37:29 | 浮世見聞記
自家製卵でつくったケーキを出すカフェで、ロールケーキを食べてみた。 卵をふんだんに使っているから、色も、味も、深みがあった。 いかにも、たまご製品を食べたな、という感じ。 ゆでたまごが無料なのは、うれしかったな。 コーヒーもおいしかったし、また行こ。 . . . 本文を読む
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