ついでにお話しすると、「品川」とは目黒川の古名で、もともと“砂川”と云っていたのが訛ったものだとか。
その品川、品川駅のある場所がそうではないことは、地図を見れば明らか。
品川駅があるのは港区の高輪、厳密に言えば港区港南一丁目と二丁目。
本当の「品川」は、品川駅の南方、ちょうど港区と品川区との境界線にあたる、JR線と京浜急行線とが立体交差する「八ッ山橋」より南、
現住所は品川区北品川二 . . . 本文を読む
この季節の晴天の朝、目黒川に架かる旧海岸通の「昭和橋」(東京都品川区東品川1-38)の上から西を眺めると、京浜急行線「新馬場駅」越しに真っ直ぐ、富士山を拝むことが出来ます。
この日は生憎とガスがかかり気味で、やや鮮明さに欠けましたが、空気が澄んでいる日はもっとハッキリと見られます。
ちょうど目黒川の上に位置しているので、この川を遡れば富士山の麓に行けるのではないか…と、そんな錯覚も楽しめるこの . . . 本文を読む
澤登翠さんが活弁士をつとめる「第630回無声映画鑑賞会」を観に、門前仲町の門仲天井ホールへ。
今回は『新春ニコニコ大会 世界三大喜劇王競演!』と題して、バスター・キートン、ハロルド・ロイド、チャールズ・チャップリンの作品を一挙上映と云う、クラシックフィルムファンには堪らない企画。
澤登門下に入って間もないと云う“若手”活弁士による「ルンペン人生の初恋」の後、まずは片岡一郎さんの活弁で、「豪勇 . . . 本文を読む
上方漫才の喜味こいしさんが今日午後、肺ガンのため83歳で亡くなられたとのこと。
先年亡くなられたお兄様の夢路いとしさんとコンビを組んだ「いとしこいし」のしゃべくり漫才には、大阪時代に関西ローカル局のお笑い番組を通してよく接し、親しんでいました。
お二人ともいつもジャケットを羽織ったラフなスタイルで一本のマイクの前に立ち、イマドキのお笑い芸人モドキの如く、いかにもウケ狙いの見え透いたギャグ . . . 本文を読む
銕仙会能楽研修所の「銕仙会 青山能」の2部に出掛けました。
「頼政」を観ていて目に留まったのが、後シテが手にしている“修羅扇”。
あの荒波に沈む日輪が、「敗者とはいかなるものか」、観る者へ象徴的に語りかけてくるではありませんか!
夕日でありながら輝いて見えたのは、決して私の気のせいではありますまい。
「エンターテイナーは、観る人の気持ち(おもい)を決して裏切ってはならない」-そのことを改 . . . 本文を読む
芳村伊四郎さんの長唄を聴きに、国立劇場の邦楽公演「邦楽鑑賞会」の一日目、“長唄の会”へ。
伊四郎さんは三曲目の「蓬莱」に出演。
わずか10分の曲ながら、私を学生の時から魅了して止まないあのよく通るやや太めの唄声を聴いた途端、
「ああ、今日の幸せはここにあり…!」
“睡眠は長さではない、深さだ”と、いつか誰かのエッセイで読んだことがありますが、幸せについても同じことが言えるのではないでしょ . . . 本文を読む
三遊亭小圓朝さんの落語を聴きに、今年最初の「両国寄席」へ。
今回はマクラからたっぷりお酒尽くしで、噺も「親子酒」。
小圓朝さんでこの噺を聴くのは今宵で二度目ですが、良い芸は何度聴いても良いもの、特に禁酒を破ってヘベレケになったお爺さんの、
「おい婆さん、肴(ツマミ)出してくれ…。そう、ツマミ、ツマミ出してくれってぇんだよ。…なに?オイ、俺をツマミ出せってぇんじゃねぇやい」
のところが大好き . . . 本文を読む
今年最初の能を観に、観世能楽堂の「梅若研能会 一月公演」へ。
初春の公演なので、幕開けはやはり「翁」。
地謡と囃子方は烏帽子素襖の正装姿、幕末・明治の古写真に見るような、武張っていないシナっとした感じで、歩く時なども特に装束を意識していない(ように見える)こなしが、古態をけっこうよく伝えているようで面白く思いました。
“能にして能にあらず”と云われるこの儀式性の強い曲、当然歌舞伎にも移されて . . . 本文を読む
Alice Nine初の日本武道館ライヴ、 “TOKYO GALAXY”に行きました。
かつて私に、世界はとても広いと云うことを教えてくれた(ひっくり返して言えば、「自分の居る世界がいかに狭いか」を教えてくれた)このビジュアル系ロックバンドが、ミュージシャンなら誰もが憧れると云う日本武道館のステージに、今宵ついにデビュー。
ステップアップした瞬間を、多くのファン達と共に目撃。
ステージと . . . 本文を読む