東京国際フォーラムで、ミュージカル「オペラ座の怪人 ケン・ヒル版」を観る。
劇団四季による上演で日本でも有名になった、A・ロイド=ウェバー演出の“原版”ということで、興味津々に出かけた次第。
A・ロイド=ウェバー演出が、ファントムの“純愛”という明確な主題に貫かれているのに対し、こちらの原版はどういう方向で演出したいのか、散漫でよくわからない。
時おり差し込まれる「笑い」も、どこか白々しい。 . . . 本文を読む
国立能楽堂で、一年ぶりに金春流の「道成寺」を観る。
人は感情の昂りが頂点にまで達した時、言葉を失う-
“乱拍子”の圧した静けさに、わたしはいつもそれを感じる。
肝心なのは、その静けさの意味を、鐘供養に集った群集-すなわち見所に座す我々が、しかと理解しているかどうか。
“乱拍子”で音を立てられる人など、鐘供養の場には、いらない。
今回、能楽師たちが舞台から退場する際、拍手を控えた見 . . . 本文を読む