神奈川県相模原市中央区上溝の亀ヶ池八幡宮にて、番田神代神楽を観る。
この地でいつから神楽が始まったのか定かではないが、だいたい江戸時代、天明年間の頃とされてゐるらしい。
ほぼ定刻の15時に、「寿式三番叟」がはじまる。
三番叟が登場し、一くさり舞ったあとに五人囃子が登場して、
三番叟の舞のお囃子を奏するといふ型が珍しい。
三番叟は鈴や扇を用ゐず、両袖を巻き上げたまま、
踊りに近 . . . 本文を読む
ほんとうに車体をガタガタと鳴らして走る相模鉄道の“特急”に乗り(速いわけではない、ただ停車駅が少ないといふだけの代物だ)、二俣川駅前の横浜市旭区民文化センターで、雷門助六の落語を聴く。
わたしが学生時代、初めて新宿の末廣亭に行った時に行われていたのが、当代助六の襲名披露興行であった。
わたしが行ったのは昼席で、襲名披露興行は夜席だったので、この時は九代目雷門助六の藝には接していない。
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町田市立国際版画美術館の企画展、「諷刺画って面白い?」を見る。
今はむかし、革命後の混沌としたフランスにおゐて、諷刺画専門紙に掲載されてゐた作品をメインに紹介。
政治家や官僚たちの、皮肉たっぷりな似顔絵の数々が傑作で、もとの顔を知らなくとも、本人たちの性格までが読み取れさうだ。
この企画展の狙ひである、
「諷刺画を芸術として鑑賞することは可能か?」
について . . . 本文を読む
伯備線で太平洋側から日本海側へと縦断して、山陰地方をめざす。
中間車からの改造とはいえ、とても115系とは思えないヒドイ面構えの車両に揺られつつ、
奥深ひ山中に鉄道を敷ひた古えの人々の労苦をしのぶこと約五時間、山陰本線の出雲市駅に降り立つ。
ここから一畑バスに乗り換えて約30分、
「平成の大遷宮」を済ませて間もない出雲大社(いづもおおやしろ)に参拝す。
そして前面に押し出 . . . 本文を読む
師匠へ挨拶のため、五年ぶりに大阪の四天王寺を訪ねる。
私が七年間暮らした大阪を離れて、もう十年以上が経とうとしてゐる。
“心が満たされてゐれば、物理的な不自由は不自由ではない”―
いま思ひ返せば、さういふ七年間であった。
師匠のもとで過ごした時間は、二年一ヶ月と短い。
しかし、それからは“心の支え”として、つねに師匠の存在はある。
芸事を教へるだけの存在が“師匠”ではない、と . . . 本文を読む