迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

那覇・首里城で火災、消火活動中正殿と北殿は全焼か

2019-10-31 08:42:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/asahi/nation/ASMB01BRBMBZTIPE03N?fm=d水難のつぎは火難なのか──日本國が、琉球王國の象徴が見舞はれた災難に、暗然たる気持ちで十月最後の朝が始まる。数年前に神奈川県内で、国立劇場が育てた若手たちによる組踊公演を観て感動して以来、いつか必ず沖縄県を旅行し、首里城も訪れ . . . 本文を読む
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ペリー来航の賜物。

2019-10-30 23:23:27 | 浮世見聞記
横浜美術館の「絵でたどる ペリー来航」展を観る。関連したコレクション展も観るつもりだったが、入場券賣場の行列に興醒めし、観覧無料でしかも空いてゐるこちらだけを訪れるに留むる。嘉永七年(1854年)に横濱村へ上陸したペリーの随行画家、ヴィルヘルム•ハイネなどが記録した日本國の写生画から、前年の嘉永六年(1853年)六月六日に琉球國を訪問した際の繪に、しばし足をとめる。(※無料配布の冊子より)当日は猛 . . . 本文を読む
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これからの冬仕度。

2019-10-29 17:05:00 | 浮世見聞記
自販機が順次“つめた~い”から“あたたか~い”に切り替はり、これからいよいよ寒ひ季節になるのだと云ふ実感を強くする。希少さゆゑに有り難がってゐる“KING”にも“あたたか~い”が登場したので、どれどれと購入す。温かさで苦味が明確になり、昔のままの「冬の味」をここに思ひ出す。さて今年の冬は──さう考へやうとして、當たり前が當たり前でなくなりつつある現今を知る . . . 本文を読む
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八千草薫さん、すい臓がんのため死去88歳“日本の理想の女性”

2019-10-28 18:08:05 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sanspo/entertainment/sanspo-geo1910280020?fm=d八千草薫さんが、今月二十四日の午前に膵臓癌で亡くなったことを知る。この宝塚出身の大女優の名に接すると、必ず彼女のファンだった師匠のことを思ひ出す。やはり元宝塚女優を姉に持つ師匠は、まう二十年も前になるが、人と . . . 本文を読む
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価値相應。

2019-10-27 16:58:00 | 浮世見聞記
隣り町のリサイクルショップへ、貰ひ物の服と靴を出してみる。大きな袋いっぱいに詰めたものが、総額¥220也!複数の上着がまとめて“一点”となってゐるところに、商売人魂があるやうだ。應対に出た店員は、あくまで気さくで、感じが良い。お客がわめく買取金額の不満を躱すための、鎧なのだらう。そもそも自分にとって価値の無くなった物を出すのだから、これくらゐが相應なのではないかA . . . 本文を読む
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現世を面白く思ふ法。

2019-10-26 20:09:00 | 浮世見聞記
「東西迷(どちはぐれ)」といふ珍しい狂言を観たくて、横浜能楽堂の「第七回 東次郎 家伝十ニ番」公演に出かける。江戸時代初期の大藏流家元•大藏虎明が遺した台本をもとに、当代の山本東次郎が創意工夫を加えて平成十八年に復曲した一人舞台の狂言。高額なお布施が手に入る大法會と、檀家から御馳走が振る舞はれる常斎と予定が被ってしまひ、さてどちらに行くべきかと大ひに迷ってゐるうちに時を逸し、結局どちらにもありつけ . . . 本文を読む
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今年の流行り言葉。

2019-10-23 18:40:00 | 浮世見聞記
都内では、先日の性悪台風によって被害を受けた家屋の復旧作業が、まだまだ行はれてゐる。学校では、浸水して運び出された用具や什器の運び込みが、やうやく始まったところもある。指揮する教師の、「消毒の済んだものから順々に……」といふ言葉が、私には重く聞こえる。東日本大震災のとき、誰が言ひ出したものやら、『絆』などといふ言葉が大流行し、実際には被害のなかった輩が、その言葉の響きに、勝手に酔ひしれてゐた。まう . . . 本文を読む
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ニッポン徘徊──東海道61 品川宿→江戸日本橋

2019-10-23 07:26:00 | 旧東海道
京側から南品川、北品川、徒歩新宿(かちしんじゅく)と三つの区域から成る品川宿は、大勢の飯盛り女で大繁盛した宿場で、吉原の“北夷”に対して“南蛮”と云われたほどでした。江戸の町人が女郎買のために品川宿までよく足を運んでいたことは落語などからも窺え、実際に昭和三十年代までは“赤線”としてその面影が濃厚に残っていたようです。しかし現在では昔ながらの道幅に沿って普通の商店や住宅が軒を連ね、毎年秋口に行なわ . . . 本文を読む
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ニッポン徘徊──東海道60 六郷の渡し→品川宿

2019-10-22 07:57:00 | 旧東海道
六郷橋の下り車線側を渡り、そのまま下へおりて国道の側道から裏道へと続いているのが旧道、六郷神社脇にあたる東六郷3-12-17あたりで、国道15号線に合流します。その六郷神社の境内には、さきほど渡った六郷橋が木橋だった明治期の親柱が保存されており、傍らの案内板には橋が洪水でたびたび流出した歴史が記されています。ここから蒲田を経て大森まで、現道はほぼまっすぐに続きますが、これは元和九年(1623年)に . . . 本文を読む
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てつみちがゆく──「下山事件」の事実

2019-10-21 23:47:00 | 鐵路
東京都足立区西綾瀬1-2付近、JR常磐線のガード脇にある「下山国鉄総裁追憶碑」を訪ねる。昭和二十四年七月五日午前、日本橋三越から失踪した国鉄の初代総裁•下山定則が翌六日に常磐線の北千住~綾瀬間の下り線路上で轢断死体となって発見された事件は、現在も真相が濃い謎に包まれてゐる。少し調べただけでも、それぞれがそれぞれの考へを主張してゐてまさに議論百出、むしろこれ . . . 本文を読む
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ニッポン徘徊──東海道59 川崎宿

2019-10-21 07:28:00 | 旧東海道
せまい道幅のわりに車の通行量の多い旧市場村を過ぎると、八丁畷という文字通りの直線道となり、途中で京浜急行線の線路で分断されていますが、その向こうにつづく縄手を日進町、小川町と経て、かつて小土呂橋が架かっていた新川通りとの交差点を過ぎると、神奈川宿から二里半(9.8Km)の川崎宿に到着。明治時代以降、工業都市として大発展と大変貌を遂げた川崎ですが、江戸時代に宿場がおかれた当初は貧窮した寂しい宿場町だ . . . 本文を読む
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銀幕は遠いあの日を覗く窓。

2019-10-20 22:56:00 | 浮世見聞記
池袋の新文芸坐で上映中のリバイバル企画、『昭和の刑事(デカ)が見た風景』を観に出かける。今は昔、銀幕に映りたいなどと云ふおそろしくバカげたことを本気で望んでゐた私は、「映画といふものは“観る”ものであって“出る”ものではない」との事実を、おぞましき実例を以て思ひ知らされ失望してからは見向きもしなくなり、かつてはそれこそ日参の勢ひで通ってゐた新文芸坐からも足が遠退くやうになった。それが十年近くぶりに . . . 本文を読む
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ニッポン徘徊──東海道58 旧生麦村→旧市場村

2019-10-20 06:52:00 | 旧東海道
鶴見区に入ると間もなく首都高速道路の高架下に入って貨物線のガードを潜り、ビール工場の前で旧道は右に分かれます。首都高速道路の高架線に低く蓋をされて、白昼でも薄暗いこの場所の手前右手には、文久二年(1862年)八月二十一日に発生した“生麦事件”の遭難碑があります。(※石碑の建立は明治十六年)作家の吉村昭は小説「生麦事件」のなかで、この事件こそが近代日本の幕開けだったと主張していますが、この界隈の沿岸 . . . 本文を読む
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静岡・三保松原「塩害」拡大の恐れ世界遺産の構成資産

2019-10-20 06:47:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20191019k0000m040132000c?fm=d謡曲「羽衣」の舞台であり、また自作「駿河天人」の舞台であり、数百年にわたる景勝地の、現在(いま)に至ってのこの事態は、もはやただ事ではないと思ふ。 現状の三保の松原を世界遺産にしたことも私には . . . 本文を読む
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松旭斎天勝の遺産再び、そして……。

2019-10-19 22:12:00 | 浮世見聞記
昨年に続いて、今年も東海道かわさき宿交流館で「和妻・水芸」の公演を観る。前回なかなか印象的だったKYOKOさんが水藝の太夫をつとめるらしかったので特に樂しみにしてゐたが、出来ればあのキレキレなダンスを織り交ぜた西洋マジックを今年も見たかったナ、と思ふ。前半に見せた和妻ではノリがどこか西洋マジック風で、かうしたところに修業した“学校”が仄見えるやうだ。水藝では、昨年に太夫をつとめた葉月美香さんが今回 . . . 本文を読む
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