九月最終日のもう一つの関心事は、今日が投票日の沖縄県知事選挙。
どこかの党の総裁選なる出来レースとは違ひ、まったく結果が予測できなかっただけに、どうなるかと気になってゐたが、故翁長知事の指名した“後継者”が、当選を確実にしたとのこと。
この“後継者”が、どこまで後継者としての責務を果たせるか、これまた全く予測できない。
しかし確かなのは、
沖縄県の問題は、
即ち日本國全体の問題でも . . . 本文を読む
今年度も神奈川県立青少年センターへ、「かながわこども民俗芸能フェスティバル」を観に行く。
今回参加した四団体のうち、箱根町の「箱根延年の舞」と横浜市鶴見区の「鶴見の田祭り」は、一度絶えたものを近年に復活させたもの。
「箱根延年の舞」は指導者に猿楽師が関わってゐるためか、囃子も舞もかなり猿楽寄りで、途絶へる以前はもっとさうではない雰囲気だったはずだ。
「鶴見の田祭り」は二年前に現地の鶴見 . . . 本文を読む
東急線蒲田駅の券売機付近で、7700系の前面を象った模型を見つける。
7700系が岐阜県のローカル鉄道に売り飛ばされるに当たり、そのサヨナラを籠めて作ったもののやうだ。
名車7000系の車体はそのまままにモーターと台車を付け替へ、“7700系”として目蒲線と池上線に再登場した時は、車体とVVVF音とのギャップに、少なからず衝撃を受けたものだ。
目蒲線──敢へて目黒線とも、東急多摩川線と . . . 本文を読む
東京都世田谷区には、農村風景が広がってゐた時代の名残りである古い家屋が、まだ僅かに残ってゐたりする。
今日見かけたこの廃屋も、その一つだらう。
眺めてゐて、なぜか横溝正史の「病院坂の首縊りの家」を思ひ出す。
小説より、むしろ市川崑監督の映画版のはうかもしれない。
若き日の桜田淳子が演じた山内小雪/法眼由香利がふっと現れさうな、妖幻なたたずまい。
それは、この世に生まれたことそのものが罪で . . . 本文を読む
文化の日に再演する「日傘娘」の稽古を始める。
神奈川県三浦市の民俗芸能「菊名飴屋踊り」の“子守”から想を得、“狂言踊り”として初演したのが、今年の二月。
それから半年以上も無沙汰にしてゐたが、幸ひ身体(からだ)はしっかりと、型を憶えてゐてくれた。
今度は“現代手猿楽”で統一して上演するが、持ち時間の都合で一部を省略せねばならず、また型も一部変へなければならない。
が、稽古扇を手にした . . . 本文を読む
東京都豊島区の南池袋公園に特設された能舞台で、18:30より「日本の芸能 三番叟 中世から江戸へ」公演を観る。
壱千圓と弐千圓といふ、良心的な入場料とあってか会場は大入り、若年層や親子連れの姿も多く、開演前に小さな息子へ、
「能舞台はめったに見られないのだから、よく観て憶えておくのよ」
と、囁いてゐる母親もいたりして、頼もしいやうな気持ちになる。
番組は、初めが野村万蔵の「三番叟 . . . 本文を読む
横浜駅東口地下の新都市プラザ広場で開催された『横浜ダンスパラダイス』にて、現代手猿楽「駿河天人」を舞ふ。
今回はダンスイベントながらオールジャンルの参加が可能といふことで、なれば純然たる日本の傳統藝能をもって混ぜてもらおやないか──
と、意気込んで応募し、実行委員会の寛大なる選考により、今日を迎へる。
ただ、控へ室から会場までの距離がおそろしく長く、とても面(おもて)を掛けて向かふことは . . . 本文を読む
朝のラジオ番組にて曰く、
『メディアの語源はミディアム──“中間”。
國民は、そのメディアを通して、社会を見てゐる』
つまり、マスメディアが操作したものを、我々は情報として見てゐる。
除かれた情報は、
そこに真実が含まれてゐたとしても、
知らされなければ、
また知らなければ、
我々は永遠に、
知らないままだ。
先日に原鉄道模型博物館で見た「東急電鉄展」におゐて、解説が五 . . . 本文を読む
東京都目黒区中目黒で、デロリアンの実車に出逢ふ。
デロリアン──いふまでもなく、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でタイムマシンに使用されたクルマである。
タイムマシン版デロリアンなら、私は過去に二度、実際に見てゐる。
一度目は東京駅大丸で、“パートⅢ”の公開を記念したイベントにおゐてで、この時はパートⅢの舞台となった西部時代仕様、1950年代のタイヤを履いて車高が異様に高くなった、 . . . 本文を読む
横浜みなとみらいの原鉄道模型博物館にて、「東急電鉄展」を見る。
今日のベッドタウンの先駆け──
最新技術を導入した快適な車輌の製造──
いづれも、五島慶太が苦闘の末に成功させた事業である。
しかし、それは五島慶太自身が興した事業ではなく、ベッドタウンの先駆けとなった「田園都市(株)」も、最先端の車輌を開発した「東急車輌製造(株)」も、いづれも人から経営依頼を受けたことに始まる。
結 . . . 本文を読む
国立歴史民俗博物館の特集展示「お化け暦と略縁起──くらしのなかの文字文化──」を見る。
明治五年、新政府はこれまでの太陰暦から太陽暦(新暦)へと切り替へ、これにより十二月三日が明治六年一月一日となった。
この頃すでに、新政府の金庫は官人の給料が払へないまでに逼迫しており、十二月分の給料を先送りするために新暦を導入して、一月一日とした──
といふ話しを、本で読んだことがある。
さういふ小 . . . 本文を読む
千葉県船橋市のららぽーとで行はれた倉木麻衣のイベントに出かける。
10月10日に発売さるるアルバムの購入予約をして“イベント参加券”を貰ひ、ミニライヴ後に倉木麻衣本人から“組紐リボン”を手首につけてもらって、最後にハイタッチ──
半月前、横浜市内のららぽーとでその様子を眺めてゐて、「アレは実際に参加してみたらどんな感じなのだらう……?」と思ひ、実行に移したわけである。
初めのミニライヴで . . . 本文を読む
秋葉原の中古鉄道模型即売会へ出かけ、東急7000系と同じく9000系の二品を手に入れる。
東急9000系は東横線のブランドイメージを高め──もっとも登場時には横浜駅で一度脱線してゐるが……──、そして東横線が東横線らしかった時代の、最後を飾った名車である。
その高性能ぶりは、「特急」におゐて遺憾なく発揮された。
──武蔵小杉~日吉間の高架線を最高速度で走り抜けたあのたまらなさは . . . 本文を読む
何の気なしにテレビをつけると、歌舞伎舞踊の「身替座禅」らしきものが映ってゐた。
山蔭右京が、権妻との一夜を本妻にノロケてしまふ、後半部分だ。
振付通り“動く”ことにばかり追われて、この舞踊に求められる肝心の“色気”が全くお留守の舞台に、演者は誰じゃと呆れてゐると、だうやら役者ではなくて、舞踊家らしい。
なれば芝居っ気に乏しいのは致し方なとしても、わざわざ劇場まで足を運んで見るほどのしろもので . . . 本文を読む
ひと雨ごとに秋が訪れ、
災害だった夏が過ぎ去る。
熱かった日々には気休めにもならなかったミスト装置のすっかり鳴りを潜めた姿に、季節の移行をはっきりと感じ取る。
そして街中には、さっそく“ゲホ”が現れはじめてゐる。
おのれを自覚できない、
だから口許を覆ふ知恵すらない、
浮世に疫病を蔓延させる、
人型病原菌。
これらは必ずかう言ふだらう。
『だって、しやうがない』
ヒトは考へ . . . 本文を読む