しずかな大晦日だ。
旧街道を通して日本を歩き、
戯作をもって好き勝手なことを抜かし、
伝統芸能を観に日本各地へ出かけ、
自らデザインした作品を舞台で披露し、
十二単をまとって歌ふ綺麗な人を見て、
平成二十九年を締めくくる。
何だかんだ言って、
今年も楽しい“旅”じゃった。
. . . 本文を読む
副業を認めてゐる大手企業が増へてゐるらしい。
ようするに、その企業は社員への保障を、放棄したといふことでもある。
ジャリの頃から親に高いカネを出してもらって学習塾とやらに通ひ、
イイ幼稚園に通って、
イイ小学校に通って、
イイ高校に通って、
イイ大学でアソビ呆けて、
心身をすり減らして就活して、
やっと企業の内定をとった先にあるのが、
誰も助けてくれない不安定な人生。
それで . . . 本文を読む
横浜高島屋で開催中の、「いま、むかし、みらい 大相鉄展」を見る。
100年前、相模川で採取した砂利の運搬から創業した、相模鉄道。
ほぼ相模川に沿って橋本と茅ヶ崎とを結ぶJR相模線は、昭和19年に大日本帝国に買収されるまでは、もともと相模鉄道の路線だったもので、
海老名付近で相模鉄道の引き込み線(貨物線)と併走するのは、その時代の名残りだ。
そんな相模鉄道は近年に大手私鉄の一員と . . . 本文を読む
明治神宮会館にて、「神楽舞公演」を観る。
ふだんは神社の大祭などで式次第のひとつとして神前奉納されてゐる巫女の神楽舞を、舞台鑑賞として抜き出し、七曲が披露さるる。
いづれも、公演主催者の神社音楽協会を設立した多忠朝(おおの ただとも)が、昭和初期から戦後にかけて作曲及び作舞したもので、私は「伝統の創造」といふ観点から、興味深く鑑賞する。
“人間の正しい在り方”を、神楽舞を通して体現しやう . . . 本文を読む
三河の国、八橋といふ所にいたりぬ。
中世には鎌倉街道の宿駅がおかれていたと云ふこの地には、無量寿寺といふ古刹がある。
昔の神仏習合の名残か、すぐ左隣に日吉神社が並ぶこの寺は、「伊勢物語」第九段によると、東下りの在原業平がいま咲ひてゐる“かきつばた(杜若)”の五字を句の頭に据ゑて旅の心を詠め、と人に請はれて、
『“か”きつばた
“き”つつなれにし
“つ”ましあれば
“は”るばる来ぬる . . . 本文を読む
舞阪宿を出て、新町信号で国道1号線と交差した先には、馬郡(まごおり、古くは“まんごおり”と云ったようです)バス停手前までの約700㍍にわたって、みごとな松並木が続いています(上段写真)。
馬郡バス停を過ぎると、道は民家が両側に連なるなかを延々と進んで行きますが、
馬郡町の東の外れに松並木の名を冠した医院があるのは、昔の景色を偲んだものでしょうか。
昔は立場(休憩所)がおかれていた篠原町 . . . 本文を読む