“新古書店”の前で、廢品回収業者が賣れなかった“新古書”を、横付けしたトラックの荷台へ次々に放り込んでゐる様を目撃する。この“新古書店”の場合、賣れなかったり、また値段が付かなかった“新古書”は、引き取っても結局は廢棄処分するとは聞いてゐたが、まさかその現場を白昼下で堂々と見せつけられるのは、思ってもゐなかった。古本にはとてもお世話になってゐる私としては、決して氣分が良くない。この“新古書店”企業 . . . 本文を読む
商店街で作ったと云ふ、マスクケースなるものを貰ふ。まさに、令和の新道具。さりながら、某は浮世の拗ね者でござるによって、なにか別の用途で使ふことだらう。時流に巧く乗れる者は、かういふものを作って財を得る。浮世ではいま、閉店や廃業が相次いでゐるやうだが、結局それらは、さうなるべくしてなってゐる氣がする。今まで、ただそのキッカケがなかったと云ふだけで……。これからは、無駄や過剰──不要不急は徹底的に省か . . . 本文を読む
神奈川県相模原市南区下溝の、昔懐かしい自販機を集めた場所を訪ねる。それは中古タイヤチェーン店の敷地内にズラリと並び、なかなか壮観である。駐車場に面した外側には飲食系が、内側にはプラモデルなど玩具系まで揃ってゐる。表側に回り、試しに一つハンバーガーを購入してみると(¥280)、丁寧に60秒かけて加熱してから、それは取り出し口に落ちた。どれどれ……、と手に取ると、「あっち……!」外箱の熱 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/hochi/entertainment/hochi-20201028-OHT1T50146?fm=d思ったより募金額が伸びないのは「窓口」をクラウドファンディングに限ったせいだ──と、大いに語った翌日にまぁ皮肉ではありますが、目標額を上回る寄付が集まり、まずは良かったです。もし最終日に街頭募金をやる . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/okinawa/region/okinawa-20201028074300?fm=dあの日以来、沖縄につながるお店や催しに首里城再建の募金箱が設けられるなど、「窓口」を廣くとったことも、これだけの善意を集められた理由かと考へます。一方で、志村けんさんの銅像を建てるための寄付金が、目標額にだいぶ迫って . . . 本文を読む
散歩先の公園で、恒例の菊花大會をやってゐた。品評する眼は持たぬが、綺麗だな、と素直に聴く眼は持ってゐるつもりだ。
見られる時によく見ておいて、この國難を乗り越え、くぐり抜ける糧とせん。 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-201026X621?fm=d……あらあら、「自粛」なんてコトバ、まだ生きてゐたのね。久しぶりに聞ひたわ。為政者はてっきり例の『経済活性化』を言ひ訳に、「みんなで派手にやれ~!」って煽るものとばかり思ってゐたわ。だうせ當日は、またシブ . . . 本文を読む
かなり久しぶりに、回転寿司店へ行く。混雑してゐたらもちろん即撤収のつもりだったが、幸ひ十分待ち程度。回転寿司は、お客の回転も良くなければ失格である。そもそも江戸の握り寿司は、サッと口に放り込んで、サッと銭を置ひて去って行くものだったらしい。店内外にはいろいろな防菌對策が施され、アルバイト店員はあまり丁寧とは思へない手付きで、お客が帰った後のテーブルを“消毒”してゐる。腹七分目。人災 . . . 本文を読む
今年の紅葉にはじめて逢ふ。櫻の季節(とき)にも思ったが、常に変はらぬ四季の訪れを前にすると、この病菌騒動に振り回されてゐるのはニンゲンだけだと、つくづく思はされる。秋の空。澄んだ空。手猿樂への新たな創作意欲を掻き立てられる、そんな季節の空。気持ちも、常のごとし。その心で、病菌とも對峙する。病菌のはうは、ニンゲンと“共存”するつもりなど、無いのだから。常に変はらぬ景色に力を得て、私は手許に資料を広げ . . . 本文を読む
今日からしばらく天氣が安定するらしい。
深まる秋を肌で聴けるだらうか。
これまでならば、手猿樂師としてもっとも私らしく過ごせた季節。
しかし、今年は手猿樂師としては、控へる季節。
さうでなくては、余人の如くタダの目立ちたがり屋に過ぎなくなってしまふ。
いま自分を實感できる手立てならば、ほかにいくらでもある。
やはり、浮世はいろいろと見ておくに限ると云ふことだ。
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dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20201023k0000m040192000c?fm=d他人の書いた文章を、たとへ一部分であらうと、さも自分が書ひた文章のやうに装ふことは、文句なしの「盗作」であります。上の人物、肩書きからしていかにも小手先で小器用に世渡りをしてゐる、小狡ひニンゲ . . . 本文を読む
街頭の古本市で、前から気になってゐた一冊を見つける。ただ、やや値が張る。通販ならば、半額以下で手に入る。私は考へた末に、その一冊を購入した。値段云々ではなく、縁あって今日出逢ったその本に、惚れたからだ。 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-201022X128?fm=d『保健所からの連絡でチェックシートを調べ直した結果、この男性客がせきや味覚障害などの症状を尋ねる項目に「はい」とチェックしていたのを見落としていたことが判明した。 』──あのさぁ……。明らかに症状が出てゐるのにノコノコ参加した、この確信 . . . 本文を読む
町田市立国際版画美術館の「西洋の木版画 500年の物語」展を観る。木版画にせよ、銅版画にせよ、書物の挿繪と云ふ、必要性と實用性を使命としてゐた十九世紀初頭までの作品のはうが、私の心にはスッと入ってくる。(※リーフレットより)さうして私は、精密に刻み込まれたその世界を通して、遠い國の遠い歴史に、ゐながらにしてしばしの旅を樂しむ。しかし十九世紀後半から冩真技術を導入した印刷技術が発達し、版画が實用品と . . . 本文を読む
さぁ秋になった──昨年までならば、地図を広げて旧街道探訪の計画を立てる、さういふ季節だった。しかし、今年はこれまでのやうな大掛かりな旅行は、するべきにあらず。よって、近場で手っ取り早く済ませることで渇を癒さんと、東京都品川區荏原に一部が残る旧中原街道を訪ねばやと、存じ候。東急“目蒲線”の武蔵小山驛より武蔵小山商店街を抜け、現・中原街道の都道2号線に突き当たって左折した先で左へ分岐し . . . 本文を読む