迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

「偲姿―オモカゲ―」8

2010-01-30 11:28:42 | 戯作
そう言えば「劇団ASUKA」の面々のこと、話していませんでしたよね? …あ、やっぱり。 一座には、わたしを別にして、七人いました。 座長の飛鳥武流さんと、“花形”の飛鳥琴音さんと、一座の“おかあさん”を自称している生田杏子さん―その訳はあとで…―と、あとは若い男の人が四人でした。 この人たちの経歴は、日々同行しているなかで少しづつ知ったことなんですけど、座長の飛鳥武流さんは北海道出身で、もと . . . 本文を読む
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伝統美に癒されて…。

2010-01-29 22:58:33 | 浮世見聞記
丸善・日本橋店三階ギャラリーで開催中の、「奈良絵本の宇宙~日本の絵本の原点~」展を見てきました。 奈良絵本とは、平安時代からの絵巻物の伝統を受け継ぎ、室町後期から江戸中期にかけて制作された、現在の絵本の原点。 やまと絵の色彩美はそのままに、線を簡素にしたどこか大津絵にも似た可愛らしい画風は、見る者に物語の世界をストレートに伝えると同時に、優しく誘なう温かさをも感じさせます。 「竹取物語」や「 . . . 本文を読む
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「偲姿―オモカゲ―」7

2010-01-28 10:09:02 | 戯作
あ、どうも。 おはようございます。 今日もよろしくお願いします…、あ、観ていただけたんですか?ありがとうございます! はい、感想はまた後ほどお伺いする、と言うことで。 …で、昨日はどこまでお話ししましたっけ…、そうそう、お色気シーンの稽古のところまででしたね。 では、OKですか…? 初日の舞台に立った感想、ですか…。 は、わたしって演技ヘタだなぁ、ってことを思い知らされたことですね . . . 本文を読む
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「偲姿―オモカゲ―」6

2010-01-26 08:53:32 | 戯作
さて、一座のみんなが旅館へ引き揚げてから、杏子さんにマンツーマンで稽古をつけてもらったわけなんですけど、これがまたアバウトでしてね、杏子さんが役のセリフをサラサラっと喋りながら簡単に動きを見せて、 「…まァこんな感じ。あとは“よろしく”で」 で、おしまい。 わたしが「?」となっていると、 「ウチら大衆演劇にはね、基本的に台本なんて無いの。セリフは、本来なら座長が“口立て”と云って、口頭で伝 . . . 本文を読む
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「偲姿―オモカゲ―」5

2010-01-24 18:36:00 | 戯作
ポスターを見て最初に思ったこと、ですか? 「へぇ、そうなんだ…」って感じでしたね。 あとで杏子さんに、「大衆演劇だったんですね」って言ったら、「そうよ。アレ、言ってなかったっけ?」 なんて、そらっトボけた顔をしていましたっけ。 はい?大衆演劇を、ですか? もちろん、観たことなんてありませんよ。 日本舞踊の先生や同じお弟子さんたちから、そういうモノがあるっていうのを、聞いて知っていたくらい . . . 本文を読む
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「偲姿―オモカゲ―」4

2010-01-22 11:18:58 | 戯作
「劇団ASUKA」が大衆演劇の一座であることを知ったのは、実は東北巡演初日の現場に着いてからのことなんです。 ビックリ、ですよね。 バスのなかでこれからの事とか、詳しい話しを訊こうにも、杏子さんは席に着くなり爆睡してしまうし、かと言って座長はそんな空気じゃないしで、わたしは東北方面へ向かっているということ以外なにも分からないまま、高速道路を疾走するバスに何時間も揺られていました。 そりゃあ、 . . . 本文を読む
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「偲姿―オモカゲ―」3

2010-01-20 01:31:12 | 戯作
八月三十一日。 朝八時に西新宿の現地へ赴いてみると、大型トラックの後ろにマイクロバスが停まっていて、なかから杏子さんが出てくるなり、「あ、こっちこっち」と手招きするのでそちらへ走って行くと、「さ、早く」とわたしの腕を掴んで、引きずり込むようにしてバスに乗せました。 バスは直ぐに走り出したので、どうやらわたし待ちだったようです。 バスには劇団員と思しき男女が数人乗っていて、みんな既に居眠りをし . . . 本文を読む
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「偲姿―オモカゲ―」2

2010-01-16 12:06:50 | 戯作
八月三十日。 この日は東京近郊の自然公園で、Vシネのエキストラに出ていました。 タイトルは「お、いなり!」と云う、お稲荷様の鳥居にバイクをぶつけた男が、だんだんと油揚げに変身していく…と云った、まぁしょうもない作品でした。 男が夢のなかでキツネの行列に出会(くわ)してうなされるシーンがあって、わたしはその行列のなかの一匹に出たんです。 真っ昼間の炎天下に浴衣を着て、手拭いで頬かむりをして、 . . . 本文を読む
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「偲姿―オモカゲ―」1

2010-01-14 15:56:40 | 戯作
“高島陽也” はい、それがわたしの名前です。 “陽也”は、“はるや”って読みます。 はい。本名です。 芸名じゃなくて。 ええ、皆さん驚かれます。 女性なのに、男名前なんで。 なかには、男性から性転換手術したと思っている方がいたりするんですけど、わたしは生まれながらの、正真正銘の、女性です。 決して、ニューハーフじゃないです。 そこんとこヨロシク、です。 性格だって、別に男っ . . . 本文を読む
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