横浜開港資料館の「横浜・地図にない場所」展を見る。
閑かな半農半漁の村だった横濱が、幕末の開港、関東大震災、第二次大戦後の高度経済成長と、“時代”といふ押し寄せる三つの大きな波によって港湾都市ヨコハマへと変貌していく様、そしてその波に吞まれるやうにして消へていった場所を、残された地図や古写真などで紹介した企画展。
埋め立てられ、商工業地帯化した場所が、かつては風光明媚な景勝地であったなど、あま . . . 本文を読む
来る六月初旬の7022号車引退をもって全廃となる都電荒川線7000形へ逢ひに、荒川車庫まで出かける。
かつて7514号車が留置されてゐた線に、冷房化された7002号車、そのすぐ後ろには四月末日で引退した7001号車、
そして引退まであと半月ほどに迫った7022号車が、この日は運行日ではなかったためその後ろに留置されており、
ご縁があってか、三つのカラーバリエーションの7000形を . . . 本文を読む
新橋古本まつりを覗きに行くと、付近の新橋ビル脇で大盤将棋大会をやってゐた。
観光地のお土産屋などに売っている通行手形のやうな特大駒でさす様子は、豪快といふよりコントを見てゐるやうであった。
夜は上野広小路亭で、快楽亭ブラックの“毒”演会を覗ひてみる。
かつては立川談志一門で、百年以上昔に存在した外国人噺家の芸名を二代目として継ひでゐる彼は、アメリカ人とのハーフらしい。
なかなか破天 . . . 本文を読む
金沢文庫の特別展「国宝 金沢文庫展」を見る。
昨年夏、金沢文庫が管理する称名寺伝来の古文書類約二万点が、国宝に指定されたことを記念した展示会。
さりながら、目的は金沢北条氏四代の肖像画を見ることにあり。
実時によって確立した金沢北条氏は、二代顕時の子、三代貞顕が執権となって全盛期を迎へるが、ほどなく子息の四代貞将もろとも、鎌倉幕府滅亡と運命を共にする─
幕府が風前の灯火のなか、幕府の能吏と . . . 本文を読む
新宿の末廣亭で、昼席の主任(トリ)をつとめる雷門助六の落語を聴く。
噺は「鼻欲しい」。
吉原で梅毒をもらって鼻の欠けてしまった寺子屋師匠の武士が、川崎大師へ参詣する途次に、馬子に狂歌で鼻を嗤われるはなし。
現代では煤煙霞む京浜国道となった大師への道も、助六師が口演する馬子のゆったりとした話しっぷりによって、たちまち長閑な街道だった頃へと、時間が戻って行く。
ちなみに、過去の病気になりつつ . . . 本文を読む