橫濱市中央図書館地下一階の橫濱市史資料室にて、「学童疎開と横浜大空襲」展を觀る。大國と戰火を交へるなどと云ふ、為政者の思ひ上がりも甚だしい愚かな舵取りに民衆は翻弄され、昭和二十年(1945年)四月に米軍が沖縄に上陸すると、すでに体力を喪ってゐる日本軍は「本土決戰までの時間稼ぎ」などと耳を疑ふやうな言ひ訳をして沖縄縣民たちを見棄て、そして五月二十九日午前九時、米軍は神奈川縣の橫濱市中心 . . . 本文を読む
目黒區大橋の上目黒氷川神社の前まで来たので、階段を上って先月に當地で開催された「おかげマルシェ」にて、現代手猿樂を舞ふ機會を得られた御礼を改めて申し上げる。それで氣持ちが軽くなったのは、無意識に氣掛かりだったからか。これからも、やらうと思ったことは何でも實行しやう。落ち着いて、よく考へて。目黒川に沿ふやうにして、江戸時代には大和柳生家の下屋敷があった云ふ地域を通り過ぎ、 . . . 本文を読む
今日は予報通りに一日雨、午後からはしっかりとした降り具合になり、西のはうでは今日に「梅雨入りしたと見られる」云々。このごろは遅い時刻まであちこちお出かけが續いてさすがに疲れたので、今日は雨といふこともあり、棲家でのんびり体を休めるつひでに衣替へもやっつける。かういふ手間のかかることは、やらうと思ひ立った時に實行しないと、案外時間(ヒマ)が確保できなくなったりするものだ。衣替へでいちばんの不安要素は . . . 本文を読む
國立劇場で、“アヅマカブキ 2023”の、夜の部を觀る。日本舞踊の吾妻流が、流派再興九十周年と、再興させた初代吾妻徳穂の二十七回忌追善とを兼ねた舞踊會云々、 その初代が1950年代に、弟子たちと息子でのちに中村富十郎の五代目となる坂東鶴之助を引き連れ、“THE AZUMA Kabuki ”と銘打ち欧米諸國を巡業した偉業を再現した企画云々、日本舞踊を欧米人好みに短編化且つ迅速な運びに演出した、い . . . 本文を読む
困った時は神頼みなくせに、ご縁がなくてほとんど訪れたことのない地元の神社から、お囃子を稽古する音が聞こえてきて、その聲に誘われるまま宵闇の鳥居をくぐる。テケテンテンテン――これだ、これだ。私の氣持ちが共鳴するこゑ……。今日もいろいろなことをやった一日を、私らしく、ありがたく、締めくくる。 . . . 本文を読む
ラジオで再放送の、寳生流「天鼓」を聴く。唐國にて、天から降ってきた妙音の鼓を愛玩する少年天鼓は、皇帝(ミカド)へ鼓を献上することを拒んで呂水に沈められて殺され、いらい宮中に置かれた件の鼓は音を鳴らさなくなったが、少年の老父が宮中に召し出されて鼓を打つと、親子の情が通ひ合って鼓は再び妙音を聞かせる――曲の後半には感激した皇帝がお詫び方々音樂葬を催すと、少年の靈が現れて樂しげに鼓を打ち鳴らす。實際の演 . . . 本文を読む
東京都品川區西大井五丁目にて、“大井の大佛”と刻まれた石標の立つ寺院の前を通りかかり、この界隈に大佛があったかなぁ、と氣になり足をとめる。その寺院は「歸命山 養玉院如来寺」と云ひ、寛永十二年(1635年)に創建された天臺宗の靈場云々。件の“大佛”とは、境内の奥にある如来堂に安置された五体の木像佛を云ひ、高さ3.21メートルの大日如来を中尊として橫一列に並んだ、いはゆる「五智如来」云々。金色の尊顔に . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/tbs/business/tbs-6087150?fm=d『 1位「また値上げ 節約生活 もう音上げ」(健康奉仕・50代)2位「ヤクルト1000 探し疲れて よく寝れる」(三代目ヒゲだるま・40代)3位「店員が 手とり足とり セルフレジ」 . . . 本文を読む
澁谷區郷土博物館・文學館の冩真展「昭和40年代の渋谷」を觀る。 街が、と云ふより、そこに湧いてくるニンゲンに嫌惡を覺えて、現在では日本で二番目に嫌ひな場所である澁谷なるが、交通の要所ゆゑに完全に無視も出来ず、結局は街であるがゆゑの恩恵に與ってゐる恩知らずな私である。今回の貴重な冩真たちを觀てゐると、街を通る道そのものに擴幅されてゐる部分はあっても筋に變化なく、現在の街並の原型はこの時 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyodo_nor/nation/kyodo_nor-2023052401000749?fm=d浮世の見物客の関心は、かつて鳴物(チリカラ)屋に「駄馬」などと謂れのない中傷を受けるも、現在(いま)では明治座興行で件の自殺未遂者の急な代役を立派にこなせるまでにご成長あそばして、ご贔屓たちを感涙に咽ばせ . . . 本文を読む
雨となり、はじめて紫陽花に氣持ちが向く。予報では、今年の梅雨入りは例年より遅めの六月中旬云々、ただし梅雨明けは早めになるかもしれぬ云々。なんであれ外出には厄介な季節が、今年もやって来る。それを言ひ訳に、だんだんと出不精になっていくのではないか?さうしてヒトは、氣持ちから老け込んでいくのではないか?いけない、いけない、梅雨入り前から氣持ちが湿氣を帯びてゐる。晴天下ならばの . . . 本文を読む
十數年ぶりに、薹東區上野の恩賜上野公園に鎮座まします「上野大佛」を訪ねる。鎮座と云っても現在では尊顔を残すのみ、江戸時代の初めの寛永八年(1631年)に京都の方廣寺に倣って漆喰造りで建立されたのち、1600年代半ばの明暦・萬治年間に銅佛へ作り直され、(※往年の姿 案内板より)さらに元禄11年(1698年)には大佛殿が造られるなど、十七世紀中をかけて伽藍は完成したが、方廣寺の“本家”と同じく自然災害 . . . 本文を読む
久しぶりに回転壽司店で食事をする。その店は件の事件以前から、レーンに壽司を流さず、板前に注文してその場で握って出して貰ふ、壽司店本来の姿に戻したやり方をとってゐる。目の前で人に握って貰ふと云ふだけで、壽司の味が格段に上がる。食べたいと思ってゐた時だったので、さらに美味しく感じられた。こんな美味しいものを不衞生をもって侮辱した件の氣違ひどもは、生涯二度と満足に食事出来ないやうになってしまへ、と衷心よ . . . 本文を読む
恒例の新橋古本まつりが今日までとのことで、行きそびれぬやう會場の新橋驛前SL廣場へ出かけると、いつの間にかSLの薹座に石垣が積まれてゐることに氣が付く。前には無かったはずだが……? と不思議に思ったが、これは港區が鐵道開業150周年の記念事業として、世紀の大發見だった「高輪築堤」より“第七橋梁”の橋薹部分に使はれてゐた安山岩267個を實物通り30度の傾斜をつけて1mの高さに積み上げ、 . . . 本文を読む
ラジオ放送の、金春流「頼政」を聴く。平安末期の騒亂を巧みに泳いで中央政界に源氏筆頭としての地位を築き、さらには“鵺退治”で功名を成し、従三位にも叙され、最高權力者である平清盛のウケも良かったにも拘はらず、治承四年(1180年)五月に以仁王と共にその清盛に反旗を翻へして敗走し、宇治平等院にて扇を敷いた上で自害した、老将の悲哀劇。宇治の景色を風雅に謠った前半、後半では“宇治川合戰”に敗れて自害する様が . . . 本文を読む