迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

首里城火災1か月、観光客ら一部区域で散策可能に

2019-11-30 23:28:33 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20191130-567-OYT1T50123?fm=d一部の区域が散策出来るやうになった、といふところに、首里城再建への第一歩が始まったやうに感じます。本當に胸が痛んだあの火災から、まうーケ月が経つのですね。出火原因はまだ特定が出来ないやうですが、再建への寄附金は&# . . . 本文を読む
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本物になりたくば本物を得るべし。

2019-11-30 19:10:00 | 浮世見聞記
最近に足利尊氏と判明した肖像画を観に、横浜市中区の馬の博物館で開催中の企画展「名馬と武将」へ。それまで天神像として傳へられてゐたものが、賛を解読したところ足利尊氏の画像と判名したもので、京では「等持院殿」と呼ばれた足利尊氏の東國での呼び名──「長寿寺殿」と賛にあるのが決め手になったとか云々。學生時代に日本史の教科書や資料集の図版で散々見てきた馬上で刀を担ひだ総髪の甲冑武者──たしか「騎馬武者図」は . . . 本文を読む
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あらゆるものを糧とせよ。

2019-11-29 20:09:20 | 浮世見聞記
予想外に体力と気力を遣った一日。それとは別の気掛かりな事まで併走をはじめた時には、「今日はなんだ……!」と、しばし呆然となる。時移りてそれらがやうやく片付き、過ぎ去り、西の空を仰ひで今日の無事を思ったとき、古人の言葉が脳裏に蘇る。『困難は、それを乗り越へられる者にのみ、天は与へたまふ』──今日を乗り越へた先に見たもの。藝能への意欲をくすぐる、おもしろいお知らせ。 . . . 本文を読む
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寒朝の晴聲。

2019-11-29 08:17:04 | 浮世見聞記
やっと晴天。冷たい空気も、晴天下では心をキリリと引き締めてくれる。今日もしっかりと過ごせさうだ。やっと、冬らしい冬が来たわえ。 . . . 本文を読む
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『気』と『聲』。

2019-11-27 17:26:28 | 浮世見聞記
私は歩くことが好きである。とにかく、好きである。それは“ウォーキング”とか云ふ、カネをかけて衣裳道具一式を買ひ揃へる、ああいふ七面倒臭ひものではなく、普段のまま、気の向くまま、好きに歩くことが好きなのである。歩き過ぎは却って良くないさうだが、だとしても私は歩きたいのである。歩ひて世界を眺めることで、私は時間を知る。それらは、必ずなにか“聲”を発してゐる。それは、歩ひていなければ聞こえない。當今浮世 . . . 本文を読む
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冬は暖かい。

2019-11-26 09:29:00 | 浮世見聞記
今日は一転して冷たい空気の、寒い一日になるやうだ。しかし冬の果実は、いづれも暖かい表情(いろ)をしてゐる。それに気が付くことで、私は心を暖める。暖房機器だけに頼っていたら、すべてが乾燥してしまふによってな。 . . . 本文を読む
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隙間を警戒せよ。

2019-11-25 17:07:49 | 浮世見聞記
今朝、起床して窓を開けると、寒さの緩んだ外気と霧中の景色が入り込んでくる。'80のチンピラのやうな服装で惡ぶってみせる、どこかズレた年嵩がひとりで勝手に悪態をつきながら、ひとりで町内を闊歩してゐる。昨年まで見かけなかったジンブツ。いつも同じ服装をした男が、いつもひとりで公共施設内の掲示物を、いつもひとりで舐めるやうに眺めてゐる。今年から出没するやうになったジンブツ。町内の隙間に、隙間なく新たな家屋 . . . 本文を読む
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紫式部の叱咤。

2019-11-24 20:36:00 | 浮世見聞記
きっかけは、毎日愛聴してゐるラジオ番組の、お便りコーナーである。「我が家の庭に、ムラサキシキブが実を付けてゐます」──ムラサキシキブ……?“紫式部”のことか……?傅統藝能者の心にはなんとも引っかかる名前。そんな雅な名前の植物があるのか?調べてみると、「ムラサキシキブ」とはシソ科の落葉性低木で、九月から十一月にかけて葉の付け根に直径3~4cmの . . . 本文を読む
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仕事を創るしごと。

2019-11-23 20:46:00 | 浮世見聞記
浮世のカネ廻りは、すべて勤労者たちによって担はれてゐます。“最末端”で働く人たち?あなた、それは“最先端”の誤りですな。“最前線”と言ひ換へても、よろしい。かうした大勢を下支えしてゐる人々の力によって、この浮世は成り立っております。支払ふべき報酬を渋り、部品のごとく極限まで使ひ叩かふなどと考へておる経営屋は、そろそろおのれの手でおのれの首を絞めすぎて、窒息秒読みであることを知るべしで . . . 本文を読む
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支度完了。

2019-11-22 17:18:00 | 浮世見聞記
マスクと、お紅茶と、それから今日のど飴を買ったから、これで今冬の備へは完了よ。不調の兆しはいつも喉からだから、のど飴は必携ね。もっとも、のど飴は医薬品じゃないから治療薬にはならないけど、口中に含むことで分泌される唾液が保湿の働きをして喉を乾燥から守るから、予防には最高よ。あの、ハーブのス~っとくるのが“治る感”あっていいのよ。そうそ、空気が乾燥すると風邪を引きやすくなるって、言ふじゃ . . . 本文を読む
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ニッポン徘徊──世田谷区まむし沢

2019-11-21 10:28:21 | 浮世見聞記
かつては土がひろがる田園地帯、いまは住宅が隙間なくひろがる密集地帯の世田谷区なれど、少し奥に入ればかつてを思はせる自然風景、そして史跡ありけり。忘月忘日、世田谷区瀬田四丁目の曲がりくねりし細い坂道を下りたる折、道端の『まむし沢』なる石標が目に留まりけり。付近はマンションや住宅が立ち並べど竹藪や山林もわずかに残り、さもありなむと思ひつつ、由来をたずぬる。このあたりは江戸時代、将軍家の鷹狩に餌として用 . . . 本文を読む
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冬色のおんよそほひ。

2019-11-20 10:42:00 | 浮世見聞記
朝からの冷たい風に、いよいよ真冬の服を用意する。今年も冬となりにけり。隣家のお庭の木に、橙色の実がたくさんなってゐる。また、或る旧家では、柚子が実をつけてゐる。なにも無い季節はない。四季折々、植物はそれに合はせた表情(いろ)をみせる。靈長類と自惚れる人間サマは、もっと季節のいろから時間(とき)を知るべし。何も無いのは、まわりよりも、むしろ人間サマのはうになりさうだ。浮世は、いろんないろに溢れてゐる . . . 本文を読む
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心にのこる仕事。

2019-11-18 18:32:00 | 浮世見聞記
若い父親に連れられて、小さな男の子が“みどりの東横線”に乗ってきた。「“みどり”に乗れたよ。諦めなくて良かったねェ」その小さな男の子の、可愛らしい達者な口ぶりに、私の口許はつひ綻んだ。だうやら、自宅から驛の改札口まで急ひで来たらしい。「好評につき」、運行期間を當分延長した二代目5000系の青ガエル。私も今日の男の子くらゐの時分に、晩年の初代青ガエルを記憶してゐる。近年はだうも怪しいやうだが、企業は . . . 本文を読む
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美しい首里城をあの人に送りたい年賀はがき売れてます昨年の1.5倍、すでに完売した郵便局も

2019-11-17 23:41:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/okinawa/region/okinawa-20191117072000?fm=dあの痛ましい火災から半月以上が経ち、再建と復活に向けてあらゆる方面で“善意”がはたらひてゐることを、一人の日本國民として嬉しく思ひます。首里城は、いまや沖縄県といふ枠を超へた、日本國全体の“誇り”なのだといふ気がしま . . . 本文を読む
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「美しいことは苦しいこと」。

2019-11-17 18:59:00 | 浮世見聞記
横浜市南区のフォーラム南太田で、映画「氷の花火 山口小夜子」(2015年)を観る。山口小夜子──私がその謎めいた美しさに心酔する数少ない“日本女性”のひとり。九十席分のチケットは前賣り開始後三日で完賣したとのこと、私が受付預けでもらった前賣券の通し番号は八十番台、「よかったぁ……」とその御縁をありがたく思ふ。もふ十年以上も前、澁谷のミニシアターで「馬頭琴夜想曲」と云ったと思ふが、そんな不思議な(& . . . 本文を読む
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