「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

対日好感度一位の国の大使の日本批判

2006-04-02 08:33:13 | Weblog
中国や韓国と違ってアジアで対日好感度断トツ一位の国、
インドネシアの駐日大使が,任期切れ帰国を前に本を
出版した。「日本が国家としてインドネシアの独立を助け
る政策を実行した事実はない。日本の戦争目的は石油資源の
奪取で、アジア解放は表看板にすぎない」と一部の日本人
間で根強い”インドネシアの独立は日本のお蔭”との説を
痛烈に批判している。

これは明らかに誤りである。誤解がないように最初に言って
おくが、インドネシアの独立はインドネシア人自身によって
達成されたもので、日本のお蔭ではない。しかし敗戦で流産したが
当時、日本が国家としてインドネシアの独立を助けるため、
すでに独立の日まで決めていたのは、歴史的事実である。
大使が批判している一部の日本人の「独立宣言に当時の皇紀
’05を使用している」からインドネシアの独立は日本のお蔭だ
というのとは違う。

大使はインドネシア独立時、幼年であって当時を知らない。
戦後の同国の歴史教育の中で育ってきた。同国の歴史教科書は
だいたい日本をファッショと決めつけている。だから大使の
ような歴史感の人もいるが、同国のユドヨノ大統領は日イ関係
について未来志向を強調している。

”飛ぶ鳥跡を汚さず”という諺が日本にある。在任中の大使が
このような歴史にもとる日本批判を書いて帰任するのは残念で
ある。このこと自体、大使の日本人理解の足りなさの証明である。