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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ホセ・リサールと目黒のお寺

2006-04-28 07:03:25 | Weblog
日比谷通りを背にした公園の一角にホセ・リサールの
記念像がある。ホセ・リサールの名は、フィリッピン
人なら、誰でも知っている国民的な英雄である。
スペイン植民地政府の暴虐を批判したため反逆罪で
1896年、36歳の若さで公開処刑されている。

記念像のあるあたりに昔「東京ホテル」があった。日比谷
公園が出来る以前で、近衛師団の練兵場があったころの
話である。この「東京ホテル」にホセ・リサールが1888年
2月から4月まで滞在していた。当時の彼の日記が後年
マニラで発見されたが、ホセはこよなく日本を愛していた。
その理由の一つは滞在中”おせいさん”という日本女性と
知り合い、彼女の案内で各地を見学できたこともある。
ホセにとってはまさに”黄金に輝く”一か月だった。


日記の中の一節「あの目黒の寺のひと時のような神々しい
午後を、私はまたと経験することがあるだろうか」。
ホセは当時28歳”おせいさん”の歳は不明だが、多分
若い女性だろう。明治はじめのこの時期、日比谷から目黒の
お寺まで、どのように連れ立って行ったのかー想像する
だけでほほえましい。

きょう28日は目黒不動の縁日、ホセが”おせいさん”と
参拝した目黒のお寺は目黒不動尊ではなかったのかと、
勝手にこれまた想像し往時を偲んでいる。