「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

“出血”のメーデー

2006-05-01 06:11:57 | Weblog
今日はメーデー。ふた昔ほど前までは新聞紙上に”労働者の祭典”
の文字が踊り「参加者、主催者側○○万人」と時には一面トップで
報じたこともあった。ところが、今ではどうであろう。大型連休の
さなかに”労働者”を動員するのは”労働者”の”権利”を奪う
ものだ、と反対する労組もあるそうだ。

皇居前で流血の惨事となった昭和27年メーデーのとき、僕は大學
4年であった。いわゆる”ノン・ポリ”だったので、参加しなかったが
級友の中には警察に捕まり、学校から停学処分になった者が沢山いた。
このメーデーの三日前、サンフランシスコ講和条約が発効、占領時代
に終止符が打たれたばかりの頃であった。

当時”ニコヨン”という言葉があった。日雇い労働者の一日の賃金が
240円だったことからきている。一般庶民は、占領の終決の喜びも
あったが、それよりは定職の確保、賃金のアップが切実な問題であった。
今やメーデーは大型連休の中の一日にすぎない。”労働者”はレクのため
いかにして小遣の”出血”を少なくするかーが問題である。
平和な良い時代といえよう。