「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ムラピ火山の爆発とボドブドウール

2006-05-16 06:10:00 | Weblog
インドネシアの世界遺産、ボロブドウール仏教遺跡に近いムラピ火山が
15日爆発、火砕流が発生して住民10数万に避難命令が出ている。
ボロブドウールは9世紀に建立されたが、ムラピ火山の爆発で降った
火山灰で約1千年間も地中に埋まり、1831年ラッフルズによって発見
された。今回も高さ数キロの噴煙が上がり、半径15㌔にわたって火山灰を
降らしている。

わが国はこの地域の火山対策として、1970年以来、異例の長期技術援助を
行っている。現在も住民参加型の「火山地域総合防災プロジェクト」
(2001年~)を実施中で、その最中にこの爆発となった。

ムラピ火山は1930年の大爆発では住民1,800人が死亡、最近でも1994年の
爆発で60人が犠牲になっている。今回,インドネシア政府は爆発の兆候が
見えると、いち早く警戒レベル最高4の避難警告をだしている。一昨年の
スマトラ沖大地震のさいには津波に対する事前の警告がなかったため大惨事と
なった。しかし、今回はわが国の住民参加型のプロジェクトが功を奏して
いる。大爆発に至らぬことをせつに祈っている。