「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

"大衆魚”、鰯の思い出

2006-05-25 05:50:47 | Weblog
”鰯っこや、鰯っこ””アサリ、シジミ”-と昔、物売りが江戸の町を
売り歩いた。実際に見たわけではないが、子供の頃までその独特の節回しは
残っていて仲間同志”あさり、死んじまえ”などと茶化して遊んだものだ。
鰯やアサリ,シジミは八百八町庶民の手ごろな栄養源だったのだろう。

その鰯が一匹一千円の高級魚なみの値段をつけ話題になっている。1988年には
年間15万㌧あった水揚量が2000年には449㌧に激減、さらにここ数年へり続け
ている。それが高値をよんでいる原因だという。なぜ鰯は減っているのかー。
乱獲か、環境破壊か,異常気象によるものか、はては鯨の頭数が増えたために
よるものかー。色々いわれているが定説はない。

北海道では鰯を"七つ星"という。体側に七つ斑点があることからくる名称だ。
札幌にあしかけ10年生活,すすきのの炉端焼でよくお世話になったが大衆魚
という感覚ではなかった気がするのだがー。戦争直後の焼跡の闇市で大羽の
鰯を焼いて売っていた。なにも食べるものがなかった時代、庶民にはとても
手の届かない高値だった。
鰯は時には高くなり、時には安くなったりする変なサカナだ。