「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”六十歳になりました” 団塊世代

2006-08-06 05:56:49 | Weblog
一枚の転居通知がが届いた。東京支社から東北に本社がある民放勤務の
かっての部下からのものだ。葉書の左隅には”私も六十歳になりました。
早いものです”と添書されていた。本当に早いものだ。彼が新人として
開局したばかりのTV局に入社してきたのは昭和45年、三島由紀夫が自
殺した年だった。あの彼がもう六十歳である!

僕は昭和45年と47年の二回、地方の民放(UHF)の開局を手伝った。
開局時の新人の大半は”団塊の世代”である。僕らの世代とは、好きにつ
け、悪しきにつけ価値観がちがい、考え方も異なって刺激にもなったが、
時には手を焼いたことが多かった。あれから30数年経って、彼らも定
年の年齢を迎えている。

来年は、いわゆる「2007年問題」の本番。各企業とも彼らの一斉
退社に備えて対策に取り組んでいるが、その経済効果はどうなのだろうか。
生まれた時から”ベビー・ブーム”で、競争を強いられてきた世代である。
僕が関係した局では、僅か50名ほどの当時の新人(団塊世代)のうち、
すでに3人が早逝、直接僕の部下だった3人のうち2人までが途中退社し
ている。

転居通知をくれた彼の葉書には「定年」とは書いてなかった。おそらく
六十歳以後も企業に残れるのだろう。いずれにせよ、団塊世代の”第二
の人生”が始まろうとしている。