「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

中曽根元首相のボケた「靖国」発言

2006-08-14 06:02:24 | Weblog
きのうNHKのテレビ番組「戦後61年中曽根元首相に問う」を視聴した。そして
僕は7月21日のブログで書いた「富田朝彦 後藤田正晴 中曽根康弘」での
僕の推測、つまり、自民党総裁選前のこの時期に誰が、突如「富田メモ」を
タイミングを図るかのように出したのかーの正しさを確認した。


中曽根元首相は番組の中で小泉首相の名前は出さなかったが「現在の総理は
行ったり来たりして(靖国参拝について)思慮がない。靖国の神主が決定
(A級戦犯分祀を)すれば5分で問題は解決する。総理が必要なことは天皇
が靖国神社へ参拝できる環境をつくることだ」-要旨このような発言をした。
中曽根元首相は今年86歳、失礼だが、物忘れが激しすぎるのではないか。

中曽根元首相は総理時代(昭和57年ー62年)後藤田官房長官を長にいわゆる
「靖国懇」をつくり、政治家の靖国参拝を検討、この報告を受けて昭和60年
靖国神社を参拝したが”中国の内政を考慮して”一度で中止した。しかし、
「靖国懇」は、すでにこの時点で靖国神社のA級戦犯合祀(53年)と天皇の
参拝中止(50年来)を指摘していた。中曽根元首相は、この事実を知り
ながらも参拝していた。お忘れになってしまったのであろうか。

7月21日のブログで僕は富田、後藤田、中曽根三人の人的つながりだけを
書いた。富田と後藤田は警察庁の上司と部下。後藤田は中曽根内閣の官房
長官で同じ旧内務省の出身、最後に富田は、中曽根と同じ海軍短期現役
(短現)出身の”戦友”。富田は昭和53年から60年まで宮内庁長官で、
後藤田の「靖国懇」の時も諮問をうけている。

僕が判らないのは「富田メモ」の日付けが63年9月ということだ。これが
確かなら、中曽根首相も総理の座を去り、富田氏も宮内庁長官を辞任した
あとのメモであることだ。老獪な政治家のフィックスがなければよいのだが。