「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

男らしさは「ハンカチ」か「手拭」か

2006-08-23 05:51:10 | Weblog
948球の熱投で早実に初の全国制覇をもたらした斉藤投手の青い
ハンカチが話題になっている。ユニフォームのポケットからキチンと
たたんだハンカチを出して顔の汗を拭う姿がなんともいえない-
「ハンカチの王子さま」だという。

その王子さまに不謹慎だが,早大の昔の応援歌集に「早稲田小唄」という
こんな歌がある。
# 腰の手拭 伊達にはさげぬ ヨイヨイ
  魔除け、垢除け チョイと女寄せ ヨイヨイ
カマヤツヒロシの歌った「我が良き友よ」(吉田卓郎作詞作曲)は
# 下駄を鳴らして奴がくる 腰に手拭ぶら下げて
  学生服に染み込んだ 男の匂いがやってくるーで始まる。

戦後すぐが青春時代だった僕には、弊衣破帽、腰に手拭をぶら下げた
旧制高校生への憧れがあった。わざわざ新しい学帽に靴墨を塗って
古めかしく、汚くしてかぶったものだ。しかし、今はー。
# 時の流れをうらむじゃないが 男らしさは優しさなのだ
  (「我が良き友よ」から)ーという心境だ。

喜寿の年近くになれば、もはや「ハンカチ」でも「手拭」でもない。
”男は「優しさ」なのだ”と僕は一人つぶやいた。ちなみに斉藤君の
名誉のために、彼が”女寄せ”の小道具にハンカチを使ったのでは
ないことだけお断りしておく。