「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

高校野球と市町村合併

2006-08-08 06:26:55 | Weblog
平成の市町村合併でなじみのあった名前の町や村の名前が消え、聞きなれない
市の名前が増えている。今回の合併が始まった平成11年には1,994あった町が
現在は844に、564あった村が196に急減、市の数だけが670から779に増えた。
先日プール事故で有名になった「ふじみ野市」(埼玉県)みたいに名前だけ聞いて
もどこにあるのかわからない市が多くなった。

市町村合併には直接関係ないが、甲子園の高校名もそうである。きのう長崎清
峰に大敗した福島光南もそうである。35年前、磐城高校が夏の大会で準優勝
した時郡山で勤務していた僕でさえ、光南の名前をしらなかった。10年ほど前に西
白河郡矢吹町に、創設された県下初の「総合学科」高校だそうだ。
「総合学科」と引き換えに由緒ある矢吹の町名を冠せられなかったのであろうか。
元巨人軍の中畑選手はこの町の生まれである。

今年の甲子園には長野県から松代高校が初出場している。松代は真田十万石の
城下町で名が通っている。今は善光寺のある長野市と町村合併して長野市の
一町になっているが、松代はやはり歴史的には”一城”の主で、善光寺の松代
ではない。ところが来年、この松代高校の名前が「長野南」という変哲のない
名前にかわるという。もったいない話である。

かっての大型合併で、小倉、八幡、若松、戸畑,門司という歴史的な名前が
「北九州」の名のもとにそれぞれの独自性を失ってしまった。平成市町村
合併で地元は頭をしぼって新しい市名を作ったのだろうが、経済性、合理性
だけで市や町は発展しない。歴史や伝統は一朝一夕には生まれない。郷土愛
も生まれない。