「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

孫の土産はズッキーニー

2006-08-09 06:34:59 | Weblog
小5の男の孫が昨夕、無事2泊3日の林間学校から帰ってきた。そして
わが家にも彼が収穫体験で掘ってきた馬鈴薯、玉蜀黍、ズッキーニーの
お裾分けがあった。北軽井沢の自然の中で,朝とりしてきたもの、早速、
老妻が料理してくれたが、新鮮でおいしかった。何より産地がはっきり
していて孫の手によるものがよい。

僕の手元に「昭和19年5月,於多摩川農場」という一枚の集合写真がある。
戦闘帽にゲートル巻き、上着は脱いでいるが、当時の中学生の制服姿で
ある。中2の時、学校農場に作業に出かけた際のものだ。
この年の6月、サイパン島が米軍に落ち、この頃から国内の食糧事情は
逼迫してきた。僕らの農園通いも多くなった。肥料は”田舎の香水”で、
これを撒くのも僕らの仕事であった。玉蜀黍、そば、サツマイモなどを
つくった記憶があるが、なぜか収穫時の記憶がない。

敗戦時は、本当に食べるものがなくなった。衾(ふすま)まで食べた。
道の野アザミなど食べられる雑草はなんでも口にした。いま思えばよく
この時代を生きられたものだ。食糧の買い出しに駈けずりまわった亡き
母親に改めて感謝する。孫のズッキーニーから平和の喜びを感じとった。