「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      神嘗祭(かんなめさい)と「赤福」

2007-10-15 05:20:57 | Weblog
伊勢神宮では17日の神嘗祭(かんなめさい)を前に今晩から外宮で初穂曳の
行事が始まるそうだ。神嘗祭は今年獲れた新穀を天照大神に供える行事で、
戦前は宮中の行事として、この日は国民も休日に”浴した”。だから、ある程
度から上の年齢の人は”かんなめ”とルビがなくても読める

内宮、外宮のある伊勢では神嘗祭を間に25日までは、いろんな行事がめじろ
押しで、地元では、この期間を"神宮の正月”とも呼ぶと聞く。その伊勢で最大
の老舗「赤福」がJAS(日本農林規格)法違反容疑で農水省で行政指導を受け
た。製品を冷凍保存していたが、製造年月日を、その解凍日にして販売してい
たのだという。"神宮の正月”を前に企業は販売を停止され大痛手だし、名物
が店頭から消えて観光客も戸惑っている。

物事のわからない譬えに”日向と伊勢”というのがあるそうだ。江戸の人間には
よけい、こんどの「赤福」騒動はわからない。会社が冷凍にして製品を売ってい
たのは、数十年来の慣習で、地元の保健所も知っていたはずである。もとより
消費者にとっては、赤福の方法は許せないが、違法なら違法で、どこが違法な
のかもっと早く知らせるべきだった、と僕は思う。

週刊誌的な情報では、今回の「赤福」への外部告発は、赤福の先代の経営者が
JR参宮線を廃止して、駅舎の跡に1,000台収容可能な駐車場をつくる計画に対す
る反対運動にからんでいるともいう。赤福関連の煎餅屋が赤福の残物を使用して
いる、との噂も地元にはあるそうだ。「赤福」の名前は"赤心慶福"ーつまり赤心
(誠)をつくして、他人の心を喜ばす、ことに由来しているそうだ。初心にかえって
よろしくお願いします。