「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         海賊退治の巡視艇

2007-10-20 05:20:00 | Weblog
マラッカ海峡の海賊対策の巡視艇が完成し、先ごろ東京湾で試乗会があった
そうで、その写真を新聞で見た。この巡視艇は政府のODA(政府開発援助)で
インドネシア政府に供与されるもので、11月に先方の海事警察局に引き渡さ
れる予定との事。

ご存知マラッカ海峡はマレー半島とスマトラ島との間の海峡で、わが国が中東
からの石油を運ぶ動脈になっているが、ここ10年ぐらい海域に海賊が出没、2
年前には、日本籍の船も襲われて乗組員が拉致された事件もあった。僕もこの
海峡を1966年と‘99年の二回通ったが、沿岸には小島が点在し、海賊の棲み
家には適しているように見えた。

日本のODAの供与額の累計では、インドネシアがダントツに多い。しかし、その
事は日本人にもインドネシア人にも知られていない。知られていないばかりか、
インドネシアの政治家の中には、日本からの援助のあり方にクレームをつけて
きている。もう一つの問題点は、インドネシア人は施設や機器のメンテが得意で
ないようで、短期間で使えなくしてしまう。

賠償時代から、日本の対インドネシア援助は、インドネシアの希望にそって実施
してきているが、せっかく、最新の器材を供与しても、すぐ使用不能になる。ジャカ
ルタ市内に賠償引当てで建てたホテル・インドネシアはすでに営業停止。それより
前に建てられ、モデルとされた東京のホテルは、依然セレブとして盛業中だ。

巡視艇供与に反対ではないが、相手側がそれほど感謝しないなら、これまで通り
海上保安庁の中古品でよい。すぐに壊してしまい、使用不能になると海賊に売り
渡すかもしれない。