葉山といえば、天皇家の御用邸もあり、セレブの町として有名だが、昨日、老妻と
入った店は、今どき珍しく冷房がなかった。”ここが一番涼しいでしょう”と案内さ
れた席の頭の上には「三丁目の夕日」の頃の扇風機が回っていた。そして、あい
ている窓から入ってくる海からの遠い風は、忘れかけてていたあの自然の風で心
地がよかった。
店はバス停「御用邸前」の目と鼻の先にある。建物はおそらく「三丁目の夕日」の
頃より前に建てられたのだろう。木造で看板の一部もハゲかかっていた。一瞬、
二人とも入るのを”逡巡”するぐらい、お世辞にもきれいとはいえない。壁に張られ
た手書きのメニュー(30種類はあった)から老妻は、定番のかたい焼きソバ、僕は
迷いなく「サンマーメン」を注文した。
「サンマーメン」は生馬麺(本来は石編に馬)と書き、戦前横浜の中華街が「南京町」
と呼ばれていた頃、たいがいの大衆店でラーメンとならんで人気の麺だった。モヤシ
を中心に炒め、片栗粉をとかしてあんかけにした麺だ。戦争をはさんで人気がなく
なったが、今でも横浜中華街の老舗の店のメニューにあり食べられる。
店の常連の会話から、この店の料理はどれも大盛だと理解していたが驚いた。普通
の店の1・5倍はある。金婚式をすぎた老夫婦には多すぎる。とり皿を店から借りて、せ
っかくの料理を残さないよう汗をかきかき平らげた。かたい焼きソバも「サンマーメン」
も一皿六百円、満足感のあるグルメであった。
入った店は、今どき珍しく冷房がなかった。”ここが一番涼しいでしょう”と案内さ
れた席の頭の上には「三丁目の夕日」の頃の扇風機が回っていた。そして、あい
ている窓から入ってくる海からの遠い風は、忘れかけてていたあの自然の風で心
地がよかった。
店はバス停「御用邸前」の目と鼻の先にある。建物はおそらく「三丁目の夕日」の
頃より前に建てられたのだろう。木造で看板の一部もハゲかかっていた。一瞬、
二人とも入るのを”逡巡”するぐらい、お世辞にもきれいとはいえない。壁に張られ
た手書きのメニュー(30種類はあった)から老妻は、定番のかたい焼きソバ、僕は
迷いなく「サンマーメン」を注文した。
「サンマーメン」は生馬麺(本来は石編に馬)と書き、戦前横浜の中華街が「南京町」
と呼ばれていた頃、たいがいの大衆店でラーメンとならんで人気の麺だった。モヤシ
を中心に炒め、片栗粉をとかしてあんかけにした麺だ。戦争をはさんで人気がなく
なったが、今でも横浜中華街の老舗の店のメニューにあり食べられる。
店の常連の会話から、この店の料理はどれも大盛だと理解していたが驚いた。普通
の店の1・5倍はある。金婚式をすぎた老夫婦には多すぎる。とり皿を店から借りて、せ
っかくの料理を残さないよう汗をかきかき平らげた。かたい焼きソバも「サンマーメン」
も一皿六百円、満足感のあるグルメであった。