「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      88歳は"現役”か 医療費の3割自己負担

2008-07-29 05:36:22 | Weblog
米寿88歳の友人からまた電話があって後期高齢者医療保険についで、今度は区役
所から1割の医療自己負担が3割に改正になったと通知があった。理由が判らないー
相談に乗ってくれという話である。僕にも判らない。なぜ年金生活の米寿の老人を"現
役”なみと認定するのかその役人の気持ちがである。

年金生活者としては、確かに彼は恵まれている。約20年間勤めた放送局と約10年勤務
した大学の年金が約300万あり、その上に戦争中の軍人恩給があって合計392万円ある。
しかし、そのほかの収入はない。早速調べてみると、僕の住んでいる区の広報では「19年
の収入金額が"長寿医療制度加入単身世帯で383万円未満の場合は”申請”により医療
費の一部負担金が免除になる」とある。彼の年収は9万円上限を超えている。多分彼の
場合は”申請”しても却下されるだろうと思っていたら案の定だった。昨日、暑くならないうち
にと一番で区役所に出かけたが、冷たく断れた、と悲しそうに電話してきた。

後期高齢者は僕を含めて、もう老い先短い。保険制度の精神は十分理解しているが、悪
事を働いてえたおカネではない。彼の年金は戦争中、お国のために青春を犠牲にして5
年間も南寧の地でお国ために戦った代償である。"年寄は早く死ね”というのが、この国
の老人医療制度である。よくも福田総理はのけのけと”長寿医療”と名付けたものだ。