「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            小沢一郎”一兵卒”

2010-06-10 09:05:07 | Weblog
民主党の小沢一郎前幹事長が枝野幸男幹事長との事務引継ぎのあと記者団に対し、
”私自身は一兵卒として当面参院選の勝利に向い少しでもお役に立てば微力を尽くし
たい”と語ったという。かってどこかで聞いた言葉だと思ったら2004年7月の参院選を
前に小沢氏が年金問題で代表内定直前に”失脚”した時にも同じことを「夕刊フジ」の
コラムに書いている。

昔、放浪の画家、山下清は物事を例えるのに”兵隊のくらいに直せば”というのをよく
使っていた。政党の幹事長はこの例でいくと司令官だろう。昔の軍隊で司令官が一兵
卒に降格された例は聞いた事はないが、将校が一兵卒にされたケースはある。

有名な話は、戦時中スマトラに駐屯していた近衛歩兵三連隊の将校が抑留所のオラン
ダ女性を強姦して逮捕され一兵卒に降格されている。たしか小沢氏と同じ岩手県出身
の兵隊から上がった将校であった。昔の日本軍の軍規はそのくらい厳しかった。

小沢氏は鳩山総理に名指しされ一緒に幹事長職を去ったわけだが、何故一兵卒として残
るのだろうか。6年前にも同じことを言って大将近くまで登りつめた人だ。今回もその野望
があるのであろうか。昔の日本軍では、一度降格された兵卒が、将校にかえりさいた例
はない。

         みっともない”ぶらさがり取材”

2010-06-10 05:17:38 | Weblog
一日に二回行われていた総理への”ぶらさがり取材”が一回になるという。”ぶらさがり
取材”とは総理が記者団の取材に応じて短時間、立ち止まって質問に答える形式のこ
と。”ぶらさがり”という言葉もいやだし、内容もなく形もみっともない。画面がないとサマ
にならないテレビには必要なのかもしれないが、僕のように活字だけがマスメディア時
代だった頃の超OBにとっては”物乞い”みたいで見るに絶えない。

新聞が”社会の木鐸”といわれた頃の空気がまだ多少あった時代には記者は自尊心が
あった。ところが最近の若い記者の取材態度にはそれが感じられない。先日もテレビの
画面をみていたら、新閣僚が官邸入りする度に”○○大臣ご機嫌如何がですか”と声を
かけている。まったく意味がない。

マナーも悪くなっているようにみえる。先日の菅総理の記者会見でも司会の注意にもかか
わらず所属と名前もいわずに質問した記者がいた。東京のローカルテレビでは、石原慎
太郎都知事の定例会見を放送しているが、若い記者のトンチンカンな質問と、これに答え
る知事の辛口の応答が、下手なお笑い番組より面白い。

”ぶらさがり取材”だけでなく官房長官の会見も日一回になるという。取材される側も記者
の幼稚なくだらない質問に答えたくない気持ちはよくわかる。しかし、情報の窓口がこうし
て狭まるのは問題である。後輩記者諸君の猛省を促したい。