「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       景気上昇?わが家の周りの新築ブーム

2010-06-17 05:10:30 | Weblog
今、わが家の周りは昔の古家が壊され、新築ブームである。昨日も近所の昭和12年
に建てられた築73年の古家がついに解体された。この家は僕が昭和20年3月、強制
疎開でこの地に来た時にはすでにあった。解体工事の若い人に”昭和12年の建築だ
よ”と声をかけると”戦争前の建物ですか”と目を丸くして驚いていた。ものすごいホ
コリだったという。

後期高齢者の年金生活者は、景気の動向に鈍感だが、この新築ブームをみると、一部
の富裕層なのだろうが、景気は上昇しているようにもみえる。新聞を読むと都心のマンシ
ョン売れ行きもよいという。5月の販売戸数は3779戸で、前年同月比で7・1%の増。前月
同月比を上回るのは、ここ4か月連続だとのこと。

好調の原因は次の二つの理由だと新聞は解説していた。(1)昨年12月の政府補正予算
で住宅金融支援機構(旧住宅金融公社)の住宅ローン金利が引き下げになったこと(2)
税制改正で住宅購入の際、親から援助を受ける贈与税の非課税率が500万円から1500
万円に引き上げられたこと。

僕が住む住宅街は昭和10年代はじめに開発されたが、ほとんどの持ち家は土地を地主か
ら借りて建てたものだ。この半世紀以上の間に、ほとんどの家が地主との話合いで改築の
の際、借りていた広い土地を地主に返し、代償として狭い土地を地主から貰い改築している。
わが家もそうだが、地主との話し合いがこじれた家がここにきて解体されている。

時代の流れで仕方がないが、70年も経過した古家には歴史があり、ありふれた一般民家で
もあと数百年も経つと歴史遺産になるかもしれないが。(写真は空地になった土地とまだ残る
古家)